SCSK Column 01

atWillコラム
製造おっちゃんのつぶやき
『みなさん、ご安全に!』

atWillコラム 製造おっちゃんのつぶやき『みなさん、ご安全に!』

1. みなさんご安全に!

記念すべき第1回目のコラム! 私が好きなこの言葉で始めようと思います。

この言葉は、私が若かりし頃、某製鉄所の仕事を担当することになり、その製鉄所の通門証をもらうための安全教育に参加したときがはじめてでした。

教官の最初のあいさつで、『みなさん、ご安全に!』とスタートしたのが、なんとも印象に残っています。

「安全」という文字は“全て”“安らか”を組み合わせた言葉で、お互い事故に気を付けましょう、といった相手を思いやる気持ちと、自分自身の安全意識を喚起する、前向きな挨拶として使われています。

会議の始めと終わり、すれ違った時など、あらゆる場面で交わされている挨拶で、お互いにコミュニケーションをとりながら『安全最優先』の意識を確認する、そんな意識を共有するための声かけです。

みなさんご安全に!

2. 何気なく行っている、
“いつもの作業”に疑問を持つ!

どのような職場でも、日々の作業の中で不安全な状態が生じたり、不安全な行動により、危険要因が発生しています。

一人ひとりの危険に対する感受性を高めて、作業中に「この程度のこと」と思われる些細なことでも、危険だと気づき、すぐに対策を実施し改善することが大切です。

ではここで、質問です。工場現場における「不安全行動とはどんなことでしょうか?」

「省略した手順で作業をすすめる」「急ぐ」「ルールを破る」「勘違いや見間違い」等、が思い浮かんだ人がいらっしゃるのではないでしょうか。

厚生労働省では、「労働者本人または関係者の安全を阻害する可能性のある行動を意図的に行う行為のこと」と説明されています。人の不安全行動はもちろんですが、環境や設備などの不安全な状態が重なると労働災害発生率が高まった危険な状態となります。

手間や労力、時間やコストを省くことを優先し、つい「これくらいは大丈夫だろう」「面倒くさい」「皆がやっているから」「(作業を早くすすめるためには)仕方がない」などと考えたり、あるいは慣れや過信から、あるべき姿を逸脱する安易な行動がとられた結果、労働災害に発展するケースが少なくありません。

近年では、労働災害の内、機械災害は1/5程度の割合を占めています。これは、死亡者数は墜落・転落に次ぐ、二番目の多さで、労災件数は増加傾向にあります。背景としては、生産性の向上を目的とした生産設備の高度化や機械設備の高エネルギー化、作業者の多様化がすすんでいるためといわれており、今後も続くものと見られます。

何気なく行っている、“いつもの作業”に疑問を持つ!

3. 機械安全への取り組み

機械災害は、身体の損傷の度合いが高く、死亡災害や後遺症が残る災害につながりやすいのが特徴です。「激突され・はさまれ・巻き込まれ・切れ・こすれ」などの災害は、機械の仕様設計の段階で適切なリスクアセスメントを実施することで、そのほとんどを防止することができます。

人は間違える! 機械は故障する!

という前提のもと、いかなる状況となっても作業者の安全を守る機械設計が求められています。

機械・生産設備は様々な動力で稼働しており、電気制御だけでなく、工場には油圧・空圧で稼働する機械が無数にあります。特に油空圧機器へのリスクアセスメントが全くとっていいほど見逃されているのが、国内工場の現状です。

機械安全への取り組みによる投資効果は、利益とOEE(OverallEquipment Effectivenes:稼働率・性能・品質により算出・決定される)に大きく貢献します。

警報 設備非常停止
設備やロボットが異常を検知したら、作業者に警報通知し、自動停止する。
また、作業者が異常を感じた時は、非常停止ボタンで設備を強制的に停止する。
動作不良・故障 設備非常停止
エリアセンサーライトカーテンが動作不良・故障した場合でも、設備・ロボットは強制的・安全に停止する。
動作中 扉の開閉コントロール
設備・機械が動作中だと、扉は開かない。
設備・機械が停止すると、扉を開くことが出来る。

4. 安全意識を向上させるには?

『なぜ怪我をしてはいけないのか?』を考えること です。

安全意識を向上するのに、効果があるのがこれです。あまりにも当たり前すぎて、しっかりと考えたことがないかもしれません。

色々と頭の中にキーワードは出てくるとは思いますが、いまいち整理がつかない、という状態の方がいらっしゃるのではないでしょうか。

私も以前この質問に答えるために色々と考えました。この質問が腹におちると、素直に「怪我しちゃいけないな」と思えるようになり、安全意識が向上します。

よく言われているのが、 ①人事的見地 ②社会的責任の見地 ③企業経営の見地 ですが…

なんだか、小難しくてよくわかりません。

ダイレクトに言うと、

「誰も喜ばない!」
「本人は痛いし、周囲も辛い!」

ということなのではないかと思います。どうですか、腹落ちしたでしょ!!

ということで、最後の締めくくりは、これです。

「みなさん、ご安全に!」
安全意識を向上させるには?

つづく…。