技術コラム
選ぶべきは?ダウンタイムゼロへ導くASTERIA Warp 冗長化戦略
- 投稿日
- 2025.04.10
- カテゴリー
- 導入・選定ガイド
ASTERIA Warpは簡単にデータ連携を実現できるEAIツールですが、ビジネスを支える「データ連携」という重要な役割を担うからこそ、システムの安定稼働は非常に重要です。
そこで今回は、ASTERIA Warpの可用性を高める「冗長化構成」についてご紹介させていただきます。
冗長化構成について
冗長化構成とは
冗長化構成とは、システムの一部に障害が発生した場合でも、予備のシステムが自動的に稼働し、サービスを継続できるようにする仕組みです。
例えるなら、車のスペアタイヤや、飛行機のエンジンのように、万が一の事態に備えて、予備のシステムを用意しておくことで、システム全体の可用性を高めます。
ASTERIAによるデータ連携が止まることによる影響
ASTERIA Warpによるデータ連携が止まると、以下のような影響が考えられます。
ASTERIA Warpを冗長化構成にするメリット
冗長化構成を導入することで、上記のようなリスクを回避し、以下のようなメリットが得られます。
- データ連携の継続性向上
ASTERIA Warpのダウンタイムを最小限に抑え、データ連携処理の継続性を高め、業務システム全体の安定稼働に貢献します。 - ビジネス機会の損失を最小限に
リアルタイムなデータ連携が不可欠なビジネスプロセスにおいて、データ連携処理を継続的に実行しビジネス機会の損失を最小限に抑えます。 - 高い可用性による信頼性向上
ASTERIA Warpの可用性が高まることで、顧客や取引先からの信頼性向上につながります。
安定したデータ連携処理は、企業のサービス品質を向上させ、顧客満足度を高める上で重要な要素となります。 - メンテナンス時のダウンタイム削減
システムメンテナンスやバージョンアップ作業を行う際、冗長化構成を活用することで、ASTERIA Warp全体の停止時間を短縮することができます。
これにより、ビジネスへの影響を最小限に抑えつつ、システムの保守性を向上させることができます。
※ASTERIA Warpの冗長化構成はStandard Edition以上のプランでのみサポートされております。各プランの詳細につきましては、下記記事をご参考ください。
ASTERIA Warpの冗長化構成
ここからはASTERIA Warpで構築できる冗長化構成をご紹介していきたいと思いますが、その前に冗長化構成の理解に必要不可欠なASTERIA Warpのフォルダ構成についてご説明させていただきます。ASTERIA Warpが使用するファイルの置き場所には主に以下の2つがあります。
- インストールディレクトリ:ASTERIA Warpのプログラムファイルやライブラリなどが格納されています。通常、設定ファイルなどは含まれません。
格納される主なデータ:ASTERIA Warpサービス実行ファイル、各種ライブラリ、ライセンスファイル - データディレクトリ:ASTERIA Warpの設定ファイル、フロー定義、ログファイルなどが格納されています。 格納される主なデータ:各種設定ファイル、フロー定義ファイル、ユーザー情報、ログファイル
ASTERIA Warpでは、システムの規模や要件に応じて、様々な冗長化構成を選択できます。
ホットスタンバイ(個別フォルダー)
2台のASTERIA Warpサーバーを用意し、通常時は1台(アクティブ)のみを稼働させます。
アクティブ系のサーバーに障害が発生した場合、クラスタ対応ソフトウェア等により、自動的にもう1台(スタンバイ)に切り替えます。
ASTERIA Warpのデータディレクトリはそれぞれのサーバーで個別に保持します。
- メリット
-
2台のサーバーを完全に分離した環境で作成可能。
他の構成に比べて障害に強い。
更新失敗の際も現環境への切り戻しが容易。
- デメリット
- データディレクトリが個別のため、フロー追加・設定変更の際には手動でのデータ同期が必要。 ホットスタンバイライセンスの購入が必要。
ホットスタンバイ(共有フォルダー)
ホットスタンバイ(個別フォルダー)と同様に、2台のASTERIA Warpサーバーを用意し、通常時は1台(アクティブ)のみを稼働させます。
アクティブ系のサーバーに障害が発生した場合、クラスタ対応ソフトウェア等により、自動的にもう1台(スタンバイ)に切り替えます。
データディレクトリは共有フォルダーに配置し、両方のサーバーからアクセスできるようにします。
- メリット
-
フロー追加・設定変更の際にも手動のデータ同期が不要。
H/W障害に強い。
- デメリット
-
アプリケーションの追加・更新失敗時にリカバリが容易ではない。
ホットスタンバイライセンスの購入が必要。
コールドスタンバイ
2台のASTERIA Warpサーバーを用意し、通常時は1台(アクティブ)のみを稼働させます。
アクティブ系のサーバーに障害が発生した場合、手動でもう1台(スタンバイ)を起動し、切り替えます。
スタンバイ系のサーバーは通常停止状態としておく必要があります。
- メリット
- 追加のライセンス購入が不要。
- デメリット
-
アクティブ系のサーバーと重複して稼働できないため、障害時にはスタンバイ系のサーバーを起動させる必要がある。
また、メンテナンスやバージョンアップで活用できないため、ダウンタイムが長くなる。
データディレクトリが個別のため、フロー追加・設定変更の際には手動でのデータ同期が必要。
ロードバランシング
複数のASTERIA Warpサーバーを同時に稼働させ、ロードバランサーと呼ばれる負荷分散装置で処理を分散します。 1台のサーバーに障害が発生しても、ロードバランサーが自動的に他のサーバーに処理を振り分けるため、サービスを継続できます。
- メリット
- 他の構成に比べて可用性が高い。
- デメリット
-
データディレクトリが個別のため、フロー追加・設定変更の際には手動でのデータ同期が必要。
ロードバランシングライセンスの購入が必要。
おわりに
今回はASTERIA Warpの冗長化構成についてご紹介しました。
システムの規模や要件に応じて、最適な冗長化構成を選択することが可能です。
SCSKでは、ASTERIA Warpの冗長化構成の提案から構築まで、お客様のニーズに合わせた最適なサービスを提供しています。
可用性の高いASTERIA Warp環境の構築にお悩みのお客様は、ぜひSCSKまでお気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回更新もお楽しみに!!!
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