IPS Cable Simulation - ワイヤーハーネス、ケーブル、ホースのリアルタイムな設計検証を実現
エンジンハーネスやエンジンルーム内のホースを理想的な長さと位置で設計するには、ホースのレイアウトを考慮しながらエンジンの動きや組み立て時における挙動と応力を解析する必要があります。
IPS Cable Simulationは、車両のCADモデルを読み込み、ホースを弾性体としてシミュレーションすることができます。またホースの長さを変更させながら、リアルタイムで応力値の変化を評価することができるため、いち早く最適な長さを決定することができます。さらに、IPS Cable Simulationを使用して、クリップやホースガイドの固定ポイントによる最適な配線を決定できるため、材料の負荷や設置スペースの要件が大幅に緩和されます。
今日の自動車は、車輪速センサー、電子制御パーキングブレーキ、ダンパー制御、アクティブサスペンション、電気モーター、アクティブホイールなど、ますます多くの機能を備えていますが、これらすべてをサスペンションやホイールアーチの間の小さなスペースに組み入れる必要があります。そのため、自動車用サスペンションのケーブル配線の開発と最適化は大きな課題となっています。限られたスペースに当初予定していたケーブル長を無理やり収めることは、ケーブルの圧着や損傷につながる可能性があります。
また、弾性体部品の運動の影響を考慮すると、必要なスペースは想定されていた非衝突領域を超えてしまうこともあります。設計者の目標は、設計スペースやその他の要件をすべて考慮しながら、長さ、寸法、方向を適合させることで、ケーブルを可能な限り最適な方法で組み込むさせることです。
IPS Cable Simulation – 鉄道向け適用事例
列車の前面連結部におけるケーブルやホースの設計に課題はありませんか?
これらの弾性体部品の3D機械設計を正しく行う方法をご紹介します。列車の前面連結器には、電力や信号を伝送するケーブル、接地ケーブル、連結器の機能を確保するために列車間で空気を伝送する圧縮空気ホースなど、現実的に考慮し設計する必要がある様々な弾性体部品があります。
こうした複数の部品に対する要件の増加により、ハードウェアテストや経験値に頼らない仮想検証方法が必要になっています。IPS Cable Simulationは、製品開発プロセスの初期段階において、次のようなタスクを完全デジタルで実現するソフトウェアソリューションです。
- - ホースやケーブルの3D機械設計をリアルタイムで行う
- - 初期段階から正しい長さでの設計を行う
- - 動作の影響を受ける弾性体部品を考慮する
- - 組み立て要件を満たす
- - ケーブルの剛性を考慮する
- - ケーブルやホースの初期段階の仮想的な挙動確認
ショベルの油圧ホースに発生する不具合にどう対処するか?
油圧ホースの故障の原因は、ショベルのブームやアームなどの可動部からの影響によるねじれ、摩耗、曲げなどが考えられます。また、周辺部品との衝突や摩擦を避けるために、油圧ホースが正しい向きに取り付けられていることが重要な課題です。
3次元CADでホースをリアルにモデリングすることは、これらの部品がCAD上では剛体としてしか表現されていないため、大きな課題となっています。実際は柔軟な弾性体である部品の複雑な機械的挙動は正しく表現されず、実世界で予期せぬ結果を招く可能性があります。
そのため、これらの課題に対処するためには、実際の形状や可動部の影響を考慮したシステムが必要です。IPS Cable Simulationは、物理的に正しい本来の挙動をリアルタイムでモデリングし評価できるため、前述したような課題を解決します。また、使い易い操作環境により、モデリングにかかる時間は短縮され、必要なすべての要件を考慮することができます。
IPS IMMAを利用したD-HUMMERプロジェクト(ユーザーインタビュー:英語)
人間工学に基づいた生産現場のレイアウトと生産プロセス最適化のためのデジタル人体モデル
今日でも産業界の生産現場では、依然として多くの手作業が行われています。このような現場において、労働者の作業負荷を軽減し、安全性を確保しながら生産性を向上させ、様々な規制にも対応できる高品質な製品を製造していくことが望まれています。
そこで、IPS IMMAのデジタル人体モデルを活用し、生産プロセスにおけるフルデジタル手法の開発を目指しました。このプロジェクトは、IPS IMMAのデジタル人体モデルの人間工学的な予測・評価機能を強化し、手作業が必要とされるあらゆる産業に、そのベネフィットを提供することを目的としています。この手法の効果は、 2つの具体的な産業事例でご覧いただきます。
ウォッシャーホースの挙動解析
部品干渉、応力解析、ホース、組付け
車体へ組み込むときのウォッシャーホースの挙動解析
- ホースと周辺部品の接触を考慮した計算
- 組付けモーション作成
- 部品の動きにあわせたホースの挙動を計算
- ホースの最適な長さを検討
- 周辺部品と接触しながら組付けられるホースの様子が確認できます
- 組付け中・後のホースの形状や噛み込みが確認できます
- ホース長の最適化が行えます
カーオーディオユニットのワイヤーハーネスの挙動解析
部品干渉、組付け、ケーブル折れ、接触、噛み込み
カーオーディオユニットの結線とオ―ディオユニット取り付け時のケーブルの挙動解析
- ケーブルと周辺部品間の接触計算、ケーブルの自己接触計算
- ケーブルと部品との噛み込みなどを解析
- 組付けモーション作成
- 組付け時に必要なケーブルの最適な長さを検討できます
- 目視できないユニット後ろ側のケーブルの挙動も確認できます
- ケーブルの噛み込みや設計空間の確認が行えます
ホースと部品間のクリアランス解析
可動部品、干渉、接触、クリアランス、グラフ作成
エンジン可動時のホース同士、ホースと部品間のクリアランス解析
- エンジンのモーション作成
- 干渉判定の可視化
- クリアランス、他様々な解析値をグラフ化
- ホースと部品との接触から事前に破損個所を確認することができます
- クリアランスの数値をグラフ化することで容易に確認できます
- ケーブル長、保護材の有無、取り付け位置の最適化が行えます
可動部品に取り付けるケーブルの挙動解析
可動部品、干渉、接触、クリアランス
ディスプレイの収納・引き出し時に追従するケーブルの挙動解析
- 部品のモーション作成
- 周辺部品との接触計算
- 固定部にかかる応力計算
- ケーブルの伸び、張力測定
- 目視で確認できない収納時のケーブルの様子を確認できます
- 折れ、噛み込みなどを確認んできます
- ケーブルにかかる負荷を確認できます
- ケーブル長やレイアウトを検討できます
可動時のホースのレイアウト検証
可動部品、干渉、接触、クリアランス、反り、捻じれ
キャビン傾倒時のホースの挙動解析
- キャビンのモーション作成
- ホースのルーティング作成
- ホース可動範囲の作成
- 固定部にかかる応力計算
- ホースのねじり解析
- 可動中の予期せぬ反りを確認できます
- ホース長の最適化が行えます
- モーション中のホースと部品間のクリアランスを確認できます
- ホースへの負荷を軽減できます
- ケーブル長やレイアウトを検討できます
ホースの軌跡の形状化
可動部品、干渉、接触、クリアランス、軌跡、可動範囲
キャビン傾倒時のホースの挙動解析
- ケーブルルーティング
- キャビン傾倒モーション作成
- モーション中のホース可動範囲の作成・比較
- レイアウト変更による可動範囲を容易に比較することができます
- 形状をCADに出力することが可能です
- 作成したグラフをcsvファイルで出力できます
- ケーブル長やレイアウトを検討できます
エンジン振動による冷却ホースの挙動解析
干渉、振動、成形ホース、挙動
エンジンとラジエータ間に接続された冷却ホースの解析
- エンジンのモーション作成
- CADデータからのホース作成
- 成形ホース・曲げ癖ケーブルのモデリング
- ホースの曲げ半径や固定部にかかる力の解析
- エンジンの振動による冷却ホース挙動を解析できます
- 予期せぬ周辺部品との接触などを事前に発見できます
- クリップの有無や個数などの削減検討ができます
- 曲げ癖を考慮することができます
- 成形ホースモデリング(オプション)で直接ルーティングが行えます
建機油圧ホース解析
可動部品、複数本、接触、クリアランス、反り、曲げ癖
建機用油圧ホースの解析
- ブームのモーション作成、または外部モーションデータの取込み
- ケーブルルーティング
- ホースにかかる力のグラフ及びコンター図作成
- 周辺部品とのクリアランス測定
- ホースの曲げ癖設定
- 複数本を同時に接触を考慮した解析が行えます
- ホースや固定部への力、反りなど動きを事前検討できます
- ブームの動きを考慮した取り付け位置、角度を検討できます
- 予期せぬ干すの反転反りを事前に検知することができます
- 曲げ癖を考慮できるため実形状に近い結果が得られます
可動クリップ解析
干渉、接触、拘束、クリップ、空中
各種クリップ付きのケーブルの挙動解析
- 拘束条件付きのクリップ作成・登録
固定、回転、スライド、空中クリップ、複合など - 力による拘束条件の設定
- クリップの拘束条件に追従しケーブルが変形します
- ケーブルの力によってクリップが稼働します
- 登録後ライブラリーからいつでもクリップを取り出せます
- 材料が違うケーブルも接続して解析が行えます
- 可動クリップにより、より実物に近いケーブル形状が得られます
応力解析、長さ検討
リアルタイム、可動部品、曲げ半径、クリップ、コンター図
ケーブルのリアルタイム解析
- 材料設定・登録
- ケーブル作成
- 自重の考慮
- 固定部作成
- コネクターの移動・回転
- マニュアルで変更
- リアルタイムに計算が可能ですのですぐに結果が得られます
- 曲げ半径など数値、コンター図などですぐに確認できます
- リアルタイムにケーブル長や材料を変更し変化が確認できます
バラ線、束線の挙動解析
バラ線、束線、干渉、接触、クリアランス、ワイヤーハーネス
ワイヤーハーネスの解析
- バラ線作成、束線作成
- 固定部にかかる力の測定
- バラ線の各電線の動きを見ることができます
- 束線の動きを見ることができます
- 物性値、自重に基づいた解析を行います
フラットケーブル解析
フラットケーブル、応力、取り付け、FCC、FPC
フラットケーブルの解析
- FFCモデル作成機能(ストレート、フォールド)
- 固定部の移動・回転
- 周辺部品との接触計算
- 反力、応力の測定
- 可動部に追従したFFCの動きを確認できます
- 総ケーブル長を確認できます
- 折れ、負荷を解析可能
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