明治グループ約30サイトの静的Web基盤をAWSに移行
年間85%超のコスト削減を実現し、運用ガバナンスを強化
株式会社明治アドエージェンシー
営業統括本部 マーケティングサポート事業部
インフラ・セキュリティグループ
株式会社明治アドエージェンシー
営業統括本部 マーケティングサポート事業部
インフラ・セキュリティグループ
明治ホールディングス株式会社
グループDX推進部 インフラG
明治ホールディングス株式会社
グループDX推進部 インフラG
「SCSKはAWSにとどまらずIT基盤全般の理解が突出しており、
理論と実践が高いレベルで両立されていると感じました」
株式会社明治アドエージェンシー 営業統括本部 マーケティングサポート事業部 インフラ・セキュリティグループ
伊東 亮 氏
明治アドエージェンシーは、明治グループのハウスエージェンシーとして国内30を超えるWebサイトの制作・運用を担っている。企業情報や商品紹介を中心としたWebサイトの運用を支える基盤はプライベートクラウドのデータセンターに配備され、基盤を構成するサーバーの台数は2021年時点で約270台に達していた。
当時の状況について、明治アドエージェンシー 営業統括本部 マーケティングサポート事業部 インフラ・セキュリティグループの伊東 亮氏は以下のように振り返る。
「静的ページが中心のWebサイト基盤にしては、全体の構成がリッチになりすぎていました。セキュリティ対策についても、異なるベンダーの多様なソリューションが幾重にも積み上げられた状態で、アラートが発生した際には問い合わせ先が各所に分散し、スピーディな対応が難しい事態も生じていました。また、システム運用管理の委託費やセキュリティ監視コストも膨らみ続け、基盤構造の抜本的な見直しが急務となっていました」
Webサイト基盤に対する課題感は、親会社である明治ホールディングスでも同様に抱いていた。同社グループDX推進部 インフラGの小林 達也氏は、「Webサイト基盤の構造を変えずにいると、現状維持コストが高止まりしたまま、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進をはじめとする戦略的・付加価値の高いIT投資の足かせになりかねないと懸念していました」と明かす。
こうした課題を背景に、明治グループ全体の方針としてWebサイト基盤の構造変革を推進することが決定した。そこで、明治アドエージェンシーが打ち出した方向性が、Webサイトを静的サイトと動的サイトに区分けし、静的サイトの基盤をAmazon Web Services(AWS)へ移行して構成のシンプル化を図るということだ。
明治アドエージェンシーでは、静的サイト基盤のAWS移行を支援するパートナーを選ぶために5社によるコンペを実施。その中からSCSKを選んだ理由について伊東氏は、「SCSKの提案は、データや人の動きが読み取りやすく、随所にAWSに対する深い造詣が伝わってきました。特にAWSを含むIT基盤全般の知識とセキュリティ全般の知識が突出しており、ぜひ協力をお願いしたいと思いました」と話す。
この判断に関して、明治ホールディングス グループDX推進部 インフラGの猪俣 亮氏は、「SCSKを推す明治アドエージェンシーの上申は、評価理由が明確かつ詳細で、コスト面での妥当性も十分でした。SCSKが我々にとって最適な提案をしてくれたことがよくわかり、安心して最終承認を下せました」と振り返る。
SCSK の提案に従って明治アドエージェンシーが採用した基盤は、静的Webサイトの特性に合わせてAWSを活用したサーバレス構成だ。
「この構成は外部からのセキュリティ侵害に対して極めて強固で、従来必要だったNW機器類が不要になります。管理機器が減るほど障害発生リスクは下がり、お客様への安定的なWebサイトの提供が可能と判断しました」(伊東氏)
AWSへの移行プロジェクトは2024年下期にスタートを切り、3カ月間の要件定義を経て、2025年上期に基盤の設計・構築が完了した。その後、コンテンツ移行が段階的に進められ、2026年3月にグループ全サイトの静的部分のAWS移行が完了した。このプロジェクトにおけるSCSKの貢献を、伊東氏はこう評価する。
「例えば、Webサイトの本番化ツールの開発では、AWSに対するSCSKの理解の深さや、さまざまな変更要求に対する柔軟な対応に大変助けられました。DNSの移行やURLリダイレクトの方法についても、SCSKの提案により最適な選択が行えたと見ています」
また、同社 営業統括本部マーケティングサポート事業部インフラ・セキュリティグループの島崎 麻奈美氏も「プロジェクトを通じてSCSKとは密接に連携し、要件定義のフェーズでは週次のミーティングを持たせてもらいました。そのミーティングでは、ある週で洗い出された課題への解決策が、翌週には複数パターン提示してもらえました。そうした進め方はわかりやすく、当方での議論と要件整理が加速されました」と評価する。
さらに、伊東氏は、セキュリティ仕様の策定ではSCSKの「リスクベース分析」が非常に役立ったと振り返る。
「SCSKの分析によって各ネットワーク層の根源的なリスクが体系的に洗い出され、防御すべき対象を明確に整理できました」(伊東氏)
こうして完成した基盤の効果は大きく、サーバーやネットワーク機器、ならびにセキュリティ対策の運用管理コストが劇的に引き下げられ、年間85%超のコスト削減が可能となった。加えて、シンプルな運用管理体制が確立された。
これらの効果を評価して小林氏は、「今回のAWS移行により、新しいサービスをすぐに立ち上げて、不要になったときに即座に切り捨てるといった運用が可能になりました。こうした俊敏で柔軟性の高い基盤の確立は、DXを推進するうえでコスト削減以上の意味を持ちます」と評価している。
明治アドエージェンシーでは、今回AWSで構築した基盤を、海外グループ会社20社超のWebサイトにも展開することを検討している。また、明治ホールディングスでは、SCSKの支援対象をグループ内システム全体のクラウドネイティブ化へと拡張することも視野に入れている。
小林氏は「明治グループ全体でAWSの活用を進めていますが、今後はSCSKの知見を生かしながら、サーバレス構成をはじめとするクラウドネイティブな構造へシフトし、AWSのメリットを最大限に享受できるようにしたいと考えています」と付け加える。
また猪俣氏は、静的・動的という区分を超えたWebサイト改革へのSCSKの貢献に期待を寄せる。
「Webサイトを訪れるユーザーにとって重要なのは、知りたいことをいかに素早くわかりやすく、実現しているかです。その観点から、SCSKにはWebサイトのより発展的な取り組みをサポートしてほしいです」(猪俣氏)
こうした声や今後の計画を踏まえながら、伊東氏はSCSKとの協業についてこう述べている。
「SCSKには運用業務のあり方にまで踏み込み、AWS活用のあるべき姿を描いて実現してもらえました。そうしたパートナーとなら、次のステージも一緒に挑戦できると確信しています」

本プロジェクトでは、お客様が長年抱えていた課題に対し、AWSサービスを軸に最適な静的サイト基盤の構成を検討いたしました。明治アドエージェンシー担当者様と積極的な意見交換やディスカッションを重ねることで要件の十分な洗い出しを行い、最適なセキュリティ、コスト、可用性を実現した静的サイト基盤を構築することができました。今後も明治グループ全体のAWSの活用をご支援し続けてまいります
正野 達也
所在地:東京都中央区京橋二丁目4番16号
U R L:
https://www.meiji.com/
(株)明治、Meiji Seika ファルマ(株)をはじめとする明治グループ各社を傘下に持つ持株会社。食品・医薬品を中心に幅広い事業を展開し、グループ全体の経営戦略を推進している。IT領域においては、傘下企業のITインフラやルールの統合・標準化を進め、グループ全体のガバナンス強化と業務最適化に取り組んでいる。
所在地:東京都渋谷区富ヶ谷1丁目5番1号
U R L:
https://www.meiji-ad.co.jp/
(株)明治のハウスエージェンシーとして、広告施策の立案・推進を担う。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Web媒体の取り扱いやCM・グラフィック広告の企画制作に加え、明治グループ国内のWebサイト制作・運用業務も手がける。Pマークを10年以上継続取得するなど、安全な個人情報管理体制を維持している。
2026年6月初版