沖電気工業株式会社 様

オンプレミスで運用する約300の社内システムを
最適なクラウドへ短期間で配置

“攻めのIT”を支えるITソーシング

現行データセンターの閉鎖により移転が必要となった
全社内システムをAWS/USiZE/SCSKデータセンターに移行

事例のポイント

お客様の課題

  • 現行データセンターが2025年度末に閉鎖されることが決定
  • 複数の事業部門にまたがる300以上のシステムをデータセンター閉鎖までに移行する必要がある
  • レガシー化したシステムの業務継続性に対する懸念

課題解決の成果

  • 当初の予定を半年以上も前倒し、短期間での移行を完了
  • AWS、USiZE、SCSKデータセンターを活用した最適なクラウド配置に成功
  • 移行後の各システムの安定性やパフォーマンスが向上

導入ソリューション

  • AWS/USiZE/SCSKデータセンターによるハイブリッドクラウドサービス

沖電気工業株式会社
情報企画部 IT企画管理部 担当課長

須賀 訓寿

沖電気工業株式会社
情報企画部 IT企画管理部

阿部 稔雄

沖電気工業株式会社
情報企画部 IT企画管理部

城田 大翼

「あらゆる局面で発揮されたSCSKの卓越したプロジェクト管理能力こそが、
今回のクラウド移行における最大の成功要因です」

沖電気工業株式会社 情報企画部 IT企画管理部 担当課長

須賀 訓寿

背景・課題

現行データセンターの閉鎖が決定
社内システムの全面移行が必要となった

 長年にわたり培ってきたネットワーク・光・電波などの技術を武器に、わが国の高度成長に寄与してきたOKI。この強みと実績を生かして現在の事業領域は、ATMから社会インフラにいたるまで多角化している。そんなOKIが2031年に創業150周年を迎えるにあたり、将来事業のための価値創造に貢献するDX戦略を推進すべく着手したのが、オンプレミス環境で運用してきた主要システムのクラウド移行である。

 同社 情報企画部 IT企画管理部 担当課長の須賀 訓寿氏は、「現行データセンターが2025年度末に閉鎖されることが決まっており、社内システムの全面移行が必要でした。レガシーなシステムの業務継続性に対する懸念も高まっており、その解決方法として、すでに社内で一部利用を始めていたAmazon Web Services(以下、AWS)への移行を検討しました」と語る。

 とはいえ課題は山積していた。現行データセンターで稼働しているシステムは約300を数え、運用基盤として用いているサーバーは1000台を超える。しかもクラウド移行の主担当となるIT企画管理部の人的リソースも限られている。

 「どのシステムも重要業務を担っているだけに移行の失敗は許されず、なかなか踏み出せない状況にありました。多くの課題を独力で解決することは難しく、確かな技術と経験値を持つ、頼れるパートナーを探していました」(須賀氏)

解決策と効果

AWS、USiZEと、最新のSCSKデータセンターを
組み合わせたハイブリッドクラウド

 複数のベンダーに打診し、比較検討を行った結果、OKIがプロジェクトを共に推進するパートナーに選んだのがSCSKだった。須賀氏はベンダー選定の決め手として、「データセンター移転およびクラウド移行を確実に完遂できる技術力とプロジェクト管理能力」と「多様な要件に柔軟に対応できるクラウドとデータセンターサービスを用意できること」の2点を挙げ、次のように語る。

 「現行データセンターで運用しているシステムの中には、グループ全体のインターネットアクセスを担っているプロキシサーバーや、クラウドへの単純なリフトが難しい商用データベースも存在しています。そうした条件下でSCSKから示されたハイブリッドクラウドの提案は、他社とは一線を画した魅力がありました。AWS移行が難しいシステムはUSiZEやSCSKデータセンターへ柔軟に移行でき、変更不可能なデータセンター閉鎖の期日までに、移行を完了できる計画を立てることができました。また、SCSKから提案があったnetXDCは弊社の業務継続に関する要望を満たす最新のデータセンターでした」

 ただ、各システムのユーザーは、金融事業や防衛事業、プリンター事業など多くの部門にまたがっているため、移行先やスケジュールの調整にも大変な苦労が伴うことが懸念された。しかし実際には、こうした懸念も杞憂に終わる。

 「各システムを仕分ける際の基本ポリシーと移行手順を取りまとめた全体計画をSCSKに作成してもらいました。このロードマップに照らし合わせながらシステムの移行先を決定し、ユーザー部署と交渉することで、短期間で合意を図ることができました」(須賀氏)

 2022年5月より予備検討フェーズを進めてきたOKIは、その後2022年10月より移行プロジェクトを開始。実際の移行作業についてはSCSKが担い、移行後のシステムの検証をOKIで行うという役割分担だ。このプロジェクトフェーズにおいてもエグゼクティブレベル、リーダーレベル、現場レベルで両社が緊密なコミュニケーションをとることで、「当初の方針からぶれずにプロジェクトをやり切る」という熱意を維持し続けた。

 結果として、AWSへの移行は当初の計画を半年以上も前倒しで2024年9月にすべての作業を完了。USiZEへの移行に関しても2025年度上期中に完了する見込みだ。

 「システムのなかには移行を機に改修が求められるものも多くありましたが、今回はクラウドにリフトすることに徹しました。課題をいち早くキャッチアップし、経験を重ねて習熟度を高めることで、移行のスピードも上がっていきました。また、途中でAWS移行が不可と判断されたシステムもありましたが、移行先をUSiZEや最新のファシリティーを備えたSCSKのデータセンターに柔軟に切り替えることで、問題なく移行を進められました」(須賀氏)

 こうしてAWSやUSiZE、SCSKデータセンターに移行した各システムは、現在、安定して稼働している。これを支えたのも、IPアドレスを変更することなくそのまま新基盤に持ち込むことを可能としたSCSKによる仕組みづくりがあったからだ。

 「AWSやUSiZEだけでなくSCSKデータセンターともシームレスに連携することで、安定的かつ高可用性の運用を実現しています。各システムに最適なプラットフォームに配置することで、弊社側でのテストや検証もスムーズにクリアすることができました」と須賀氏は語り、「あらゆる局面で発揮されたSCSKの卓越したプロジェクト管理能力こそが、今回のクラウド移行における最大の成功要因です」と強調する。

図:AWS、USiZE、SCSKデータセンターによるハイブリッドクラウド
図:AWS、USiZE、SCSKデータセンターによるハイブリッドクラウド

今後の展望

重大障害発生時のBCPを強化するとともに、
システムのモダナイゼーションを推進

 AWSをはじめ、USiZEやSCSKデータセンターの新たな基盤に移行したことで、「システムの安定性やパフォーマンスが高まり、オペレーションも快適になりました」と、各事業部門のユーザーからも高い評価が寄せられている。

 「我々は最終的にすべてのシステムをクラウドに移行することを原則としており、次のステップとして、一時的にUSiZEに退避させたシステムの改修とAWS移行を引き続き進めていきます。また、重大障害の発生時の対策フローをSCSKと共に策定している過程にあり、ハイブリッドクラウドおよびAWSのマルチリージョンを活用したBCP強化にも臨んでいきます」と須賀氏は、今後に向けた意向を示す。

 そうしたなか、OKI側のプロジェクト体制も大きく強化された。新たにメンバーに加わった同社 情報企画部 IT企画管理部の阿部 稔雄氏は、「AWSから提供されている豊富なサービスを活用し、クラウドネイティブな技術を取り入れたシステムのモダナイゼーションにも取り組んでいく予定です」と展望を語る。

 また、もう1人の新メンバーである同社 情報企画部 IT企画管理部の城田 大翼氏も、「現状ではまだ手が付けられていないOKIの海外グループ会社のシステムについても、同様にクラウド移行を検討していきたいと考えています」と続ける。

 OKIがこれらの新たな目標に進んでいくにあたり、これからもSCSKは共創パートナーとして伴走していく。

集合写真

SCSK担当者からの声

本プロジェクトではお客様のご協力のもと、多くのシステム担当者様と緊密にコミュニケーションを取りながら相互理解を深めることで、多数の業務システムを手戻りなく着実、確実にクラウドリフトを進めることができました。 残りのシステムのクラウドリフトを確実に完遂するとともに、お客様のさらなるクラウド活用、クラウドシフトを推進することで、お客様の業務に貢献できるようご支援させていただきます。

ソリューション事業グループ クラウドサービス事業本部
クラウドサービス第二部

徳丸 雄三


お客様プロフィール

沖電気工業株式会社様

所在地:東京都港区虎ノ門1-7-12
創業:1881年1月
U R L:
https://www.oki.com/jp/

1881年に日本初の通信機器メーカーとして創業して以来、140年以上にわたり顧客の現場に寄り添い、ミッションクリティカルな社会インフラを支える製品・サービスの提供を通じて課題解決に貢献。「社会の大丈夫をつくっていく。」をキーメッセージに掲げ、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3分野で社会課題の解決につながる価値を提供している。

2025年3月初版