サミット株式会社 様

オンプレミスで運用してきた独自のポイントシステムをAWSに移行
安心・安全なクラウド環境をS-Cred+で実現

“攻めのIT”を支えるITソーシング

SCSKが提供するハイブリッドクラウドで
ハードウェアライフサイクルの呪縛から脱却し
長期視点での安定稼働環境を「S-Cred+」で構築

事例のポイント

お客様の課題

  • ポイントシステムを運用しているサーバーのEOS(保守期限の終了)が近づいた
  • オンプレミスではハードウェアのライフサイクルから逃れられない
  • ランサムウェアなど昨今の悪質なサイバー脅威に対する懸念の高まり

課題解決の成果

  • ポイントシステムをAWSに移行して安定稼働を実現
  • SCSKの「S-Cred+」による信頼性の高いクラウド環境の監視体制が実現
  • S-Cred+のセキュリティ機能を活用し安心なクラウド利用を実現

導入ソリューション

  • USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)
  • クラウド構築・運用自動化サービス「S-Cred+プラットフォーム」

サミット株式会社
情報システム部分掌役員付

梅木 英一郎

「より強固なセキュリティを構築・運用していく上でクラウドのほうが有利と判断、
複数企業の中から、AWSの最上位パートナーで豊富な知見を持つSCSKの提案を採用しました」

情報システム部分掌役員付

梅木 英一郎

背景・課題

1999年に導入し拡張を続けてきた
独自のポイントシステムのクラウド移行を決定

 東京都を中心に神奈川県、埼玉県、千葉県にスーパーマーケットを展開するサミット。「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」という事業ビジョンを掲げ、顧客はもとより社員や取引先まで、すべてのステークホルダーが「幸せ」と感じ、喜んでもらえる理想の実現を目指している。

 そうした中での重要な鍵を握るのがIT活用であり、情報システム部では常にこの事業ビジョンの実現を見据えたシステムの構築や運用にあたっている。具体的な取り組みの1つが、サミット独自のポイントシステムだ。1999年に導入し、拡張を続けてきたもので、会員管理やポイントの集計など、ポイントカードサービスの中核を担っている。

 同社 情報システム部分掌役員付の梅木 英一郎氏は、「弊社にとってポイントカードサービスは、ポイントセールや販売実績分析など販促活動を支えるほか、配達サービスや予約販売などとデータを自動連携したお客様サービス向上のための基盤となっています」と語る。

 導入当初は磁気ストライプカードを用いて、カード自体にポイントデータを保持するという形をとっていたが、読み取りエラーが起こりがちで、また夜間バッチでしか会員の保有ポイントを集計できない問題があった。

 そこで2015年にバーコード式のポイントカードに変更。あわせてシステムの大幅な機能強化を行い、POSレジからリアルタイムでデータを収集・管理できる体制を整えた。

 だが、この新システムも稼働開始から5年近くが経過すると、サーバーのEOS(保守期限の終了)が近づき更改が必要となった。これに伴いサミットが検討を開始したのが、ポイントシステムのクラウド移行である。

 「オンプレミスでシステムを運用する以上、永遠にハードウェアのライフサイクルに対応し続けなくてはなりません。そこでオンプレミスとクラウドのコスト比較を行ったところ、長期間にわたる安定稼働を確保する前途に立てば、初期コストはもとより運用コストでもクラウドのほうが安価となることが明らかになりました」(梅木氏)

 加えて大きな動機となったのは、ランサムウェアをはじめとする昨今の悪質なサイバー脅威に対する懸念で、「現状よりも強固なセキュリティを構築・運用していく上でもクラウドのほうが有利」(梅木氏)と判断。2021年6月に経営幹部会での決議を経て、サミットはポイントシステムのAWS(Amazon Web Services)への移行を決定した。

解決策と効果

USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)をベースに
2段階でのクラウド移行を計画

 ポイントシステムの移行先としてAWSを選んだ理由は、世界的なメガクラウドの一角であり将来にわたってサービス継続を望める安心にある。とはいえサミットが自力でAWSを活用していくには、自社の人材だけでは不十分だ。そこでプロジェクトのパートナーに選定したのがSCSKである。

 「既存ハードウェアのEOSが近づきプロジェクト期間が限られる事情もあり、選定に際して重視したのは、『AWS上でのシステム構築や運用で豊富な経験を持つこと』と、『これまでの弊社との取引において、大きな問題や遅延を起こすことなく仕事をやり遂げた実績を持つこと』の2点です。この条件に合致したことが決め手となり、複数のベンダーの中からAWSの最上位パートナーでもあるSCSKの提案を採用しました」(梅木氏)

 SCSKの提案の中心に位置するのは、「USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)」だ。

 今回のプロジェクトの主な対象は前述したとおりポイントカードシステムだが、周辺には基幹系や情報活用系などさまざまな業務システムがあり、約40台の仮想マシンがオンプレミスの同じサーバー上で稼働している。すなわちこれらの業務システムについても、サーバーがEOSを迎えるまでに移行を完了する必要がある。

 「そこで第1段階として、2024年度上半期までにすべてのEOS対象システムをAWSまたはSCSKのデータセンター内に用意されたプライベートクラウド環境へ段階的に移行します。こうしてハードウェアのライフサイクルによる制約を排した上で、各システムの業務特性や運用コストなどを検討。そのままプライベートクラウドに残すもの、AWSに移すもの、さらにAWS上でクラウドネイティブなアプリケーションに再構築するものを選別し、第2段階の移行を進めていく基本方針を立てました」(梅木氏)

 この移行プロジェクトの全体計画をオールインワンで支えたのが、SCSKのクラウドサービスであるUSiZEというわけだ。ちなみにSCSKのプライベートクラウド環境はAWSの東京リージョンと高速な回線で接続されており、シームレスな相互運用が行われている。したがってサミットの本部や各店舗から見た場合、利用しているシステムがプライベートクラウドで稼働しているのか、それともパブリッククラウド(AWS)で稼働しているのかといった違いを意識する必要はまったくない。

 さらに、このクラウド環境の最適な運用を実現するために導入したのが「S-Cred+」である。SCSKがこれまでに数多くの案件で培ったノウハウや知見をもとに運用業務を支援するマネージドサービスで、すべてのシステムの稼働状況を包括的に監視し、トラブルやセキュリティインシデントが発生した場合に早急にアラートを発して、問題解決を支援する。

 「これまでのオンプレミス環境では人的リソースが足りず、とても手が回っていませんでしたが、S-Cred+で高信頼の運用監視体制を実現することができました」(梅木氏)

 こうしてサミットにおけるクラウド移行は現在も順次進められている過程にあり、メインのポイントシステムもすでにAWSへの移行を完了。「以降は問題も起きておらず、安定した稼働を続けています」と梅木氏は語る。

今後の展望

クラウド上のデータレイクに統合された
データをリアルタイムに分析・活用していく

 もっともAWSに移行したポイントシステムは、現状アプリケーションそのものの変更は行われていない。新たな付加価値を生み出すには、今後の展開が重要な意味を持つ。

 その先で見据えているのは、今回のサーバーのEOSの影響を受けなかったことからオンプレミスに残っているシステムの移行である。

 「2025年度内を目標として弊社の全システムをAWSおよびUSiZEパブリッククラウドモデルに移行し、あらゆるマスタデータやトランザクションデータをAWS上のデータレイクに集約していく計画です。こうして統合されたデータをリアルタイムに分析・活用することで、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していきます」と梅木氏は構想を示し、引き続きSCSKのサポートに大きな期待を寄せている。

システム構成
システム構成

SCSK担当者からの声

USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)および、S-Cred+プラットフォームをご採用いただき誠にありがとうございます。クラウド移行においては、当社以外に複数社がそれぞれの役割において進めていくプロジェクトと認識しております。今回のプロジェクトは当社だけではなくお客様および、他社様のご協力をいただいた結果、完遂できたと考えております。今後は、DXを推し進めるとともに、お客様の業務に貢献できるようご支援をさせていただきます。

クラウドサービス部 第三課 課長

飯島 理徳

ポイントシステムをはじめとするお客様のシステム基盤の本格的なクラウド移行にあたり、弊社をパートナーとして採用いただけたことを大変嬉しく思います。 今後もお客様のクラウド活用に貢献すべく、SCSK 一丸となって努めてまいります。

SCシステム事業本部 ビジネスソリューション第二部 第一課

深澤 真之


お客様プロフィール

サミット株式会社

所在地:東京都杉並区永福3-57-14
設立:1963年7月29日
U R L:
https://www.summitstore.co.jp/

東京都を中心に神奈川県、埼玉県、千葉県でスーパーマーケットを展開。社員がサミットで働くことを「幸せ」と感じ、お客様がサミットの店に来店されることを「幸せ」と感じ、お取引先様がサミットとお付き合い頂くことを「幸せ」と感じ、すべての関係者の皆様に喜んで頂いている状態を「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」という事業ビジョンで表現し、その実現に向け邁進している。

2023年11月初版