ハイブリッドクラウド環境を実現するためのポイント
パブリッククラウドサービスが浸透する中、企業のデータやシステムの重要部分をオンプレミスやプライベートクラウドに保持…
パブリッククラウドへのネットワーク接続には、インターネット接続と専用線接続2つの方式が一般的に利用されています。
パブリッククラウドへのアクセス方法の中で最も一般的なのが、インターネット接続を利用する方法です。ここで重要なのが、安全性を高めるためのVPN(Virtual Private Network)の使用です。 VPNは、インターネット上に仮想的な専用回線を作り出し、データを暗号化して送受信することで、セキュリティを保つ技術です。インターネット接続は手軽でコストパフォーマンスに優れています。ただし、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性についてはリスクを考慮する必要があります。
専用線接続は、パブリッククラウドサービスとの間に直接的に物理的に専用ネットワーク接続を確立する方法です。
この接続方法は高度な安定性とセキュリティを提供できるため、厳密なネットワーク要件が必要となる企業に特に推奨されます。
ただし、専用線の設置と維持には、それ相応の費用がかかることを考慮に入れる必要があります。
AWS、Microsoft Azure、OCIを始めとする各クラウドサービスは、専用線接続を実現するためのサービスを提供しています。
たとえば、AWS(Amazon Web Service)では、「Direct Connect」というサービスを提供しています。Direct Connectは、お客様のオンプレ環境からAWSが提供する「ダイレクト接続点」までの間を、閉域ネットワークで繋げます。
つまり、オンプレ環境とパブリッククラウドをつなぐには、実際にはオンプレ環境と「ダイレクト接続点」をつなぐことになります。この構成は各パブリッククラウドで提供されており、Microsoft AzureではExpress route、Oracle CloudではFast Connectとしてオンプレ環境と「ダイレクト接続点」をつなぐサービスを提供しています。
この「ダイレクト接続点」は、「PoP(Point of Presence)」とも称され、パブリッククラウドプロバイダー事業者が所有するデータセンターまたは、特定パートナーのデータセンターに設置されています。
PoPに対しての接続は、一般的には各通信キャリア提供している専有回線ネットワーク回線(専用線)でPoPが設置されているデータセンターに対して行いますが、PoPが所在しているデータセンター内からつなぐ場合は専用線不要で、構内配線(クロスコネクト)のみで接続できることから、セキュリティとコスト、パフォーマンスも優れています。
今後、パブリッククラウド利用の拡大および、オンプレミス環境とパブリッククラウドサービスを組み合わせるハイブリッドクラウド構成、複数のパブリッククラウドを組み合わせて使うマルチクラウド構成の増加に伴い、PoP利用を前提としたデータセンター利用も増加すると考えられていますが、現在は首都圏において複数パブリッククラウドプロバイダーのPoPが設置されているデータセンターは限られています。
SCSKのnetXデータセンター印西キャンパスにはAWS、Microsoft Azure、OCIを始めとして、主要パブリッククラウドへのPoPが揃っている事はご存知でしょうか。このような同一キャンパス内に複数のPoPを備えたデータセンターは国内かつ首都圏内で屈指であり、マルチクラウドを利用頂く際のハブ拠点として使っていただくデータセンターとして最適です。