データドリブンマーケティングとは

実施手順、メリットとデメリット、成功のコツを解説!

2024/3/27更新

データドリブンマーケティングは、顧客履歴、ビッグデータ、売上情報などの多様なデータを活用して、企業の課題を解決するマーケティング手法です。 これはマーケティングのみならず経営全般にも適用可能であり、積極的に活用していきたい手法です。 この記事では、データドリブンマーケティングの概要、メリットとデメリット、成功のコツについて詳しく解説します。


  1. データドリブンマーケティングとは
  2. データドリブンマーケティングのメリット
  3. データドリブンマーケティングのデメリット
  4. データドリブンマーケティングを始める5ステップ
  5. データドリブンマーケティング成功の3つのコツ
  6. データドリブンマーケティングの注意点
  7. データドリブンマーケティングに便利なツール
  8. まとめ

1.データドリブンマーケティングとは

データドリブンマーケティングは、多様なデータを活用するマーケティング手法です。 具体的な手法、目的、なぜこの手法が注目を集めているのかについて解説します。


1.1.多様なデータにもとづくマーケティング手法

データドリブンを直訳すると、データ駆動となります。 データドリブンマーケティングは、膨大なデータを活用してマーケティング戦略を立案する手法です。 収集したデータを分析することで課題を明確にし、マーケティングはもちろん、ビジネスの多岐にわたる意思決定プロセスに活用します。


1.2.データドリブンマーケティングの目的

データドリブンマーケティングは、主に顧客満足度を向上させる目的で導入されます。 このアプローチでは、担当者の直感や経験のみに依存するのではなく、データに基づいた戦略的な施策を実施できます。 データドリブンマーケティングを行うことで、顧客のニーズや行動パターンを詳細に把握し、マーケティング戦略に反映させることが可能になります。


1.3.なぜデータドリブンマーケティングが注目されるのか

インターネットの普及により、企業は以前に比べてはるかに多くのデータを収集できるようになりました。 これにより、顧客の行動、好み、購買パターンなどを詳細に分析でき、ターゲットに合わせてカスタマイズされたマーケティング活動が可能になりました。 より効果的なマーケティング戦略により、顧客満足度の向上とコスト削減を実現できるため、多くの企業がデータドリブンマーケティングに注目しています。


2.データドリブンマーケティングのメリット

データドリブンマーケティングの3つのメリットについて解説します。


2.1.競合他社に勝てる

データドリブンマーケティングを採用することで、競合他社よりも優れた戦略を立てることが可能です。 データ分析を通じて、競合に対する優位性を持った施策を実行でき、その効果の検証も迅速に行えます。 これに対して、従来のマーケティング手法では多くの場合、アイデアを出し合い、試行錯誤を重ねる必要があり、その結果、時間がかかり競合他社に先を越されがちでした。


2.2.顧客に合ったパーソナライズが可能

膨大なデータを分析することで、実際の顧客ニーズに合ったパーソナライズが可能になります。 主観に基づいてターゲットを選定すると、企業にとって都合の良い判断をしてしまうリスクがあります。 しかし、蓄積されたデータを活用することにより、顧客のニーズをより深くかつ正確に理解することができ、その結果、顧客が真に求める製品やサービスの理解を深めることができます。


2.3.ROIの向上が期待できる

データドリブンマーケティングにより、ROI(投資利益率)が向上します。 ROIは投資に対する利益の割合を示す指標です。 データ分析によってニーズが高い顧客を特定し、彼らに商品やサービスを提供することで、コストを抑えつつ高い効果を実現することが可能です。 直感に頼るのではなく、データに基づいた施策を実施することが、利益率の向上につながります。


3.データドリブンマーケティングのデメリット

データドリブンマーケティングにはデメリットもありますので、解説します。


3.1.データの可視化が難しい

データドリブンマーケティングでは、大量のデータを活用できる利点がありますが、それを効果的に可視化することはしばしば課題となります。 データの可視化は、売上、人気商品、顧客の年齢や特性といった要素を図や表で示し、問題の特定や意思決定プロセスを容易にすることを目指します。 しかし、収集したデータをわかりやすく表示するには、専門知識のほか、システム構築やITツールの活用も必要となります。


3.2.うまく活用できない

データをうまく活用するためには、適切な人材が不可欠です。 収集したデータを分析し、マーケティングに役立てるには専門知識とスキルが求められます。 現在、このような人材が不足しているため、新たに採用することが困難な状況です。 この問題を解決するためには、研修プログラムを通じて社内で人材を育成することが必要です。


4.データドリブンマーケティングを始める5ステップ

データドリブンマーケティングを効率的に実施するための、5つのステップについて解説します。


4.1.KPIの設定

データドリブンマーケティングを成功させるには、マーケティングの目的を明確に定めることが重要です。 この目的に沿って、まずはKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。 KPIは、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)に到達するための中間目標を指します。

このKPIが収集すべきデータを決定し、目標達成の道筋を示します。 シンプルで明確なKPIを設定することで、全従業員が目標を理解し共有することが可能になるため、組織全体で統一された方向性を持ち、効果的な施策の実行につながります。


4.2.データを収集する

マーケティングの目標達成には、目的に合った適切なデータの収集が欠かせません。 Webサイトのアクセスログであればアクセス解析ツール、営業活動であればSFA(Sales Gorce Automation)など目的に応じたツールがあります。 また、アンケート調査が必要な場合は、外部の調査会社を利用することも検討しましょう。


4.3.データを加工する

収集したデータの中には、必ずしも必要な情報ばかりではないため、必要なデータのみを選別して加工することが重要です。 例えば、自社内や関係者からのアクセスデータは顧客分析には不要なので、これらを除外する必要があります。


4.4.データを分析する

収集したデータを分析して問題点を特定し、この分析結果を基に、マーケティング戦略の策定を行います。 データ分析はデータドリブンマーケティングの核となる部分であり、専門的な知識を必要とします。 データの意味を理解し、適切に分析するためには、解析や統計スキルだけでなく、マーケティングに関する知識も必要です。


4.5.PDCAを回す

データ分析から導き出された施策を実行し、PDCAサイクルを回します。 PDCAサイクルを回すとは、施策を立案、実行し、その効果を検証して改善策を講じる継続的なプロセスです。 継続的な活動によって、より高い効果を目指します。


5.データドリブンマーケティング成功の3つのコツ

データドリブンマーケティングを成功させるための3つのコツについて解説します。


5.1.データの価値を理解する

企業に蓄積されたデータの意味と価値を理解することは、データドリブンマーケティングの成功に不可欠です。 経営層を含め従業員全員が、データの重要性を理解することが重要です。 特に、顧客情報には新しいビジネス機会へと繋がる貴重な情報が含まれていることも多いです。


5.2.デジタルテクノロジーを駆使する

企業が蓄積する膨大なデータを効率的に活用するためには、デジタルテクノロジーの導入をおすすめします。 AI(人工知能)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを取り入れることで、迅速なデータ分析と可視化を実現できます。 具体的なツールは後述しますので、それを参考にしてください。


5.3.組織全体で取り組む

データドリブンマーケティングは、組織全体で取り組むことが重要です。 特定の部署に限定して行うと、その潜在的な効果を十分に引き出すことができません。 データの価値を全従業員が理解し、経営層がその取り組みを主導することが重要です。 社長直轄の全社的なプログラムとして推進するとより効果的です。


6.データドリブンマーケティングの注意点

データドリブンマーケティングには、いくつかの注意点があります。以下の注意点を踏まえて、慎重に進めましょう。


6.1.デマンドドリブンを排除しすぎない

デマンドドリブンマーケティングは、データドリブンマーケティングが浸透する前から広く行われてきました。 デマンドドリブンは、データドリブンの対義語で、要求(アイデア)を出発点としたアプローチです。

デマンドドリブンを完全に排除しようとすると、データドリブンの導入を困難にし、定着化の妨げになる可能性があります。 データに基づく洞察だけでなく、場合によっては経験に基づいたアイデアも取り入れる柔軟性を持つことが、データドリブンマーケティングを定着させる鍵となります。


6.2.データリテラシーを身につける

データを正しく分析するためには、データリテラシーを身につけることが重要です。 データリテラシーが不足していると、不適切なデータを使用してしまい、誤った判断に至るリスクがあります。 適切な人材が不足している場合は、研修を通じて社内のデータリテラシーを高めるか、外部の専門的な組織に業務を委託することを検討しましょう。


7.データドリブンマーケティングに便利なツール

データドリブンマーケティングを行うために、積極的に取り入れるべき、便利なツールを紹介します。


7.1.データ統合ツール

データ統合ツールを活用することで、組織内に分散しているデータを自動で統合し、一元管理することができます。 また、データのクレンジングによって誤りや重複を排除してデータの正確性と信頼性を高めたり、異なるフォーマットや構造のデータを標準化して比較や分析を容易にします。 これらの作業は、手作業では時間がかかり過ぎるため、データ統合ツールの活用が必要です。


7.2.BI/BAツール

BI/BAツールは、企業が蓄積しているデータを、集約して可視化するためのツールです。BIツールは過去・現在のデータを分析し、BAツールは未来の分析を行います。データ分析は通常、データサイエンティストと呼ばれる専門家が担当します。人材を確保できない企業の場合、専門知識がなくても分析できる、BI/BAツールの活用をおすすめします。


8.まとめ

データドリブンマーケティングは、多様なデータを活用して戦略を策定するマーケティング手法です。 競合他社との差別化、顧客のニーズに合わせたパーソナライズの実施、ROIの向上が期待できる、などのメリットがあります。 この手法を実施するには、データ分析やマーケティングに関する専門知識を持った人材が必要です。

適切な人材が社内に不足している場合、ナレコレBIの利用をおすすめします。 ナレコレBIは小売業などの業界標準の分析機能を搭載しており、同業他社のナレッジをすぐに活用できます。 データドリブンマーケティングの導入を考えている方は、ナレコレBIの利用をご検討ください。

ナレッジ搭載BIソリューション ナレコレBI


ナレコレBIの詳しい情報は
問い合わせ/資料請求でお気軽に!

お問い合わせ・資料請求