データドリブン経営とは

注目される背景、メリット、実現方法を解説

2024/3/19更新

多様性が求められる現代において、企業が競争力を保ち続けるためには変革が不可欠です。 データドリブン経営は、データに基づく意思決定を通じて様々な施策を実行する、近年特に注目される経営手法の一つです。 この記事では、データドリブン経営の概要やメリット、そして実現方法について解説します。 データドリブン経営に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。


  1. データドリブン経営とは
  2. データドリブン経営のメリット
  3. データドリブン経営の進め方
  4. データドリブン経営を実現させる主なツール
  5. 専門スキルをもった人材の育成が必要
  6. まとめ

1.データドリブン経営とは

データドリブンとは、「データに基づいて判断、行動する」という方法論を指します。 データドリブン経営は、企業が戦略の策定や施策の実行を客観的なデータに基づいて行うアプローチです。 扱うデータは売上、市場、顧客情報など様々であり、正確で信頼性の高いデータを用いることが重要です。


1.1.データドリブン経営が求められる背景

ニーズの多様化に伴い、データドリブン経営の重要性が高まっています。消費者の好みが個々に細分化される中、それぞれのニーズをデータとして正確に捉えることが必須となっています。最近のIT技術の進歩と、国によるIT化の推進は、AIを用いたデータ分析の普及を促進しています。

また、成長のスピードを加速させたい企業が増えていることも、データドリブン経営の採用を後押ししています。多くの企業がこのアプローチを採用する中、遅れをとらないようにという危機感が、その導入のきっかけとなっている場合もあります。


1.2.データドリブン経営とDX推進

DX推進は最新のIT技術を活用し、デジタルで企業の変革・改善を進めるプロセスで、データドリブン経営はその中核を担います。 DXによって導入されるIT技術によって、企業が大量のデータを収集、管理、分析する過程が効率化されるため、データドリブン経営を実現しやすくなります。 DXはデータドリブン経営のための技術的な基盤を築き、両者は相互に補完しあいながら、業務の効率化やイノベーションを促進します。


2.データドリブン経営のメリット

データドリブン経営を導入する際には、そのメリットを理解することが重要です。主な4つのメリットを解説します。


2.1.消費者のニーズに対応できる

データを活用することで、多様化する消費者のニーズに対応することができます。 多くの人々がSNSや口コミサイトのレビューなどを参考にしており、以前までとは行動が明らかに異なってきています。 そのため、これまでの手法で消費者のニーズを捉えることは困難です。 データ分析を通じて消費者の傾向を把握することで、商品やサービスを改善するための具体的な策を立てることができます。


2.2.意思決定のスピードが向上する

リアルタイムデータの分析を通じてアクションプランを立てることで、速やかな意思決定が可能となります。 勘や経験に基づく意思決定は、消費者のニーズが多様化し、複雑化する現代においては、不十分な場合があります。 リアルタイムに収集したデータから異変を検知することで、迅速な対応が可能になるのです。 技術進歩に伴う激しい顧客獲得競争を勝ち抜くためには、迅速かつ的確な意思決定が不可欠です。


2.3.新たなビジネスの創出ができる

データ分析を活用することで、新しいビジネス機会を発見する可能性が広がります。 データドリブン経営により、さまざまなデータを統合的に分析することが可能となり、これが新たな取り組みを可能にします。 これまでには見過ごされていた消費者の隠れたニーズを発見し、新しいアイデアや既存サービスの改善、さらには新規ビジネスの創出にも繋がります。


3.データドリブン経営の進め方

データドリブン経営を導入する際の具体的な進め方について解説します。 企業によって手順は異なる場合がありますが、基本的な原則は同じですので、重要なポイントを把握しましょう。


3.1.必要なデータの定義

経営判断を行う際、どのようなデータが必要か、どのようなデータが影響を与えるのか、を詳細に検討し、必要なデータを明確に定義することが重要です。 必要なデータを定義しておくと効率的なデータ収集が可能になります。 また、分析時に必要な情報が不足しているという状況を回避できます。


3.2.データの収集と蓄積

ITツールを活用してデータを集約し、企業内の異なる部署に分散しているデータを一元管理することが重要です。 また、アナログデータのデジタル化も必要です。 デジタル化は、データの迅速な検索、分析の効率化、セキュリティの強化に寄与し、ビジネスプロセスのスピードと精度を向上させます。


3.3.データ分析と意思決定

収集したデータを月別、人別、案件別など、複数の視点から分析し、目的に応じて最適な分析方法を選択します。 分析に偏りが生じないよう、多角的な視点からのアプローチが必要です。 適切かつ客観的なデータ分析を行うために、分析の専門家の採用や、必要に応じて外部の専門機関に依頼することも検討すると良いでしょう。


4.データドリブン経営を実現させる主なツール

データドリブン経営を実現するためには、ITツールの活用が効果的です。 ここでは、データドリブン経営に役立つITツールについて紹介します。


4.1.DMP(Data Management Platform)

DMPは、顧客データの管理やマーケティングへ利活用するためのツールです。DMPには、自社内のみのデータを一元管理する「プライベートDMP」、外部のデータもまとめて一元管理する「パブリックDMP」などの種類があります。顧客データの理解を深め、精度向上や広告配信効果を図れます。


4.2.ERP(Enterprise Resources Planning)

ERPは、ヒト、モノ、カネ、情報など経営に関するリソースを活用し、経営効果を拡大するための計画や考え方を指します。会計、人事、生産、物流、販売など企業内のデータを一元管理でき、全体の最適化を図れることが特徴です。


4.3.BI(Business Intelligence)

BIは、企業が蓄積したデータを分析し、可視化するツールです。 様々なデータをリアルタイムで視覚的に把握することが可能となります。 BIツールは「データ分析」「レポーティング」「シミュレーション」などの機能を備えており、データドリブン経営を実践する上で不可欠です。


4.4.SFA(Sales Force Automation)

SFAは、顧客情報や営業プロセスなどをデータとして蓄積し、共有する業務支援システムです。営業プロセスの自動化により、営業活動における生産性向上や業務改善が期待できます。


4.5.CRM(Customer Relationship Management)

CRMは、消費者のパーソナルデータや購買履歴などのデータを管理し、分析するツールです。たとえば、顧客の氏名や性別、所属組織など、さまざまな情報を管理し、消費者との関係性を維持するための施策に活用します。


5.専門スキルをもった人材の育成が必要

データドリブン経営を成功させるには、専門的なスキルを持った人材が欠かせません。 データの分析には「データサイエンティスト」が必要であり、分析結果をもとに最適なアクションプランを策定できるデジタルマーケティングの知識を持つ人材も重要です。 社内での人材育成には時間とコストがかかりますが、迅速な対応を求める場合は外部からの人材採用も一つの選択肢となります。


6.まとめ

データドリブン経営は、従来の勘や経験に依存した経営スタイルとは異なり、データの分析に基づき経営判断を行う現代的なアプローチです。 消費者のニーズが多様化する現在、デジタル技術の活用がますます重要になっています。 デジタル技術の活用によって、データを客観的に分析し、より精確なビジネス戦略を立てることが可能になります。

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