【福岡工業大学様】Society 5.0時代の実践型人材を育成する教育系情報基盤を刷新
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2020年は日本の大学にとって突然、遠隔授業の必要性に迫られた激動の一年でした。これまで多くの大学ではデジタルに対応した教育を模索していたものの、対面を重視する従来の教育方針からデジタル化に踏み切ることは容易ではありませんでした。ところが、世の中が一変し対面での授業が困難な状況に陥った2020年、一気にデジタル化が加速し、多くの大学で遠隔授業が導入されることになりました。
それに伴い、新たな課題となったのが、学生のパソコンをどう用意し供給するかです。高等教育機関である大学では様々な学問を対象とする授業があり、授業によって必要なアプリケーションも異なるため、すべての学部、学科、授業で利用できる性能、要件を持ったパソコンを用意することが必要です。パソコンの性能だけでなく、授業で利用するアプリケーションの動作保証、有事の際のサポート体制など大学が考えなければならないことは非常に多くあります。
本記事では、いま大学に求められている、パソコンを活用した遠隔授業の実現に必要な、学生用パソコンの供給で考慮すべきことを3つに絞って解説します。さらに、供給する仕組みをすでに構築している3つの大学の事例を紹介し、学生用パソコンの供給とその後のサポートに失敗しないために必要なポイントをお伝えします。
大学側が考慮すべき1つめは学生がパソコンを持つことを推奨とするか、必ず所持(必携)とするかです。授業外学習でパソコンを使った課題やレポート作成ができるよう推奨するのか、または授業でも利用することを前提に必携とするのか。大学の取り組み、方針に大きく関わるため充分な検討が必要です。そこで、九州の2つの大学の取り組みをご紹介します。
久留米工業大学は2015年に「PC必携化ワーキンググループ」を立ち上げ、その後2018年度入学性から必携化を開始しました。その背景には、近隣大学での必携化が進んでおり、一定の教育効果が認められていたことがありました。産業界からパソコンが扱える学生の要望があったこともその一つです。「普段からスマートフォンは使っていても、パソコンは情報教育の講義以外では使わないという学生が多く、企業からはスキルの不足が指摘されていました。そこでパソコンを必携化し、講義や予習・復習などで使う環境を整備することで、スキルを向上させるとともに、ITリテラシーを身に着けてもらおうと考えました」(工学部 情報ネットワーク工学科 教授 河野央氏)
また学生が安心して授業でパソコンを利用できるよう、あらかじめ大学側でメーカーや機種を選定し、授業で必要な環境を整えたパソコンを貸与するという選択をとる大学もあります。
九州産業大学では、理工学部に在籍する学生全員分のパソコンを一括で購入し、Microsoft 365や、Java開発環境、Adobe製品など、授業で利用するアプリケーションをインストールしてから配布しています。「推奨PCでも必携PCでもなく、貸与PCとしている理由は、学部全体でパソコンの環境を統一するためです。パソコンが同一ならハードウェアやOS、アプリケーションとの相性を学生が考える必要がなくなりますし、パソコンが不調で困った学生への大学側の対応も容易です。」(総合情報基盤センター所長 田中 康一郎氏)
大学側は単にパソコンを用意、案内するだけでなく、そのパソコンが授業で問題なく利用できること、有事の際にサポートを提供できることが求められます。授業中、突然パソコンに不調をきたした学生から即時のサポートを求められる状況も少なからず発生します。そこで、これまで20年にわたり学生用パソコンサービスを提供しているSCSKが、体制作りに失敗しないためにあらかじめ意識しておくべきポイントをお伝えします。
いずれにも同じことが言えますが、授業で使う以上、パソコンに関する相談が大学側に寄せられることは多く、教員に極力負担がかからないよう大学側は万全の体制を敷く必要があるということです。
学生用パソコンの供給やサポートについて確立したサービスを提供している外部業者に委託することは最も効率的で確実な方法のひとつです。多くの学生に安定して利用できるようにするために考慮することは非常に多く、不測の事態への対応が必要となることも想定すると、経験豊富な専門家に任せることは有効な手段です。そこで、外部業者を選定する際に考慮しておくべきポイントをお伝えします。
具体的に、学生用パソコンの企画から販売、保守までをすべて外部業者に委託している例を次にご紹介します。
福岡工業大学は学生用パソコンの仕組みづくりのパートナーとしてSCSKを選択しました。その理由はサポート面にあったといいます。「複数の候補を検討したのですが、サポート窓口を学内に設置する提案をしてくれたのはSCSKだけでした。学校周辺にはパソコンショップが無く、パソコンが故障してしまうとどうしようもありません。その点、学内に窓口があればすぐに持ち込めますし、大学の教員にも負担がかかりません。これが最大の決め手でした」(学術支援機構 機構長付部長 中島良二氏)
学生用パソコンは、なにより授業を受け勉強をする学生に満足されるものでなければなりません。大学側の企画と外部業者のサービス、サポートが融合し成功を収めている事例もご紹介します。
久留米工業大学では学生用パソコンを3種類用意しています。大学側の強い想いがあり3種類ともタッチペン入力に対応していることが特徴です。そのうちの2台は、ノートPCとタブレットの2つのモードを切り替えて使える「2in1」モデルで、学生に好評を博しています。「私は2in1PCを使っていますが、複雑な数式を使ったレポートを書くときはタブレットモードでペン入力しています。運びやすく電池の持ちもいいので、ストレス無く使えて便利です。授業で利用するアプリケーションに不具合が発生したときや、遠隔授業で音が出なくなったときなどPCサポートセンターに助けてもらいました。やはり、身近にサポートの窓口があるのは心強いです。」(学生 交通機械工学科 自動車コース 行徳 彩花さん)
学生用パソコンの供給に考慮すべきこと3つを解説しました。また、実際に学生用パソコンを供給する仕組みを構築している3つの大学の事例も紹介しましたが、それぞれの大学の取り組みについては下記サイトに詳しくご紹介しています。こちらもぜひご一読ください。
【導入事例】福岡3大学のICT教育を支えるSCSKの学生向けPC販売サービス|SCSK株式会社
https://www.scsk.jp/case/case-details/202109university/index.html
SCSKは九州で学生用パソコンサービスを提供し続け20年以上の実績があります。大学教員や学生に負担が少なく、学生の在学期間中安心してパソコンを利用できる仕組みを、今後も継続して提供していきます。