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郵船トラベルの業務渡航ビジネスを10年支えるWAN環境の帯域制御
-東西データセンターにVDIを分散配置したBCP実現を強力に支援-


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郵船トラベル株式会社様(以下、郵船トラベル)は、ビジネストラベルを主力商品とし、ラグジュアリー客船によるクルーズや、30年以上の歴史を持つ「海外ハイキング」「音楽・美術ツアー」などで知られる老舗の旅行会社です。

同社は、高精度帯域制御アプライアンス「PureFlowシリーズ」を10年使い続けるロングユーザーです。
緊急時のサポートを24時間365日体制で提供するためVDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)を構築し、同時にDR(Disaster Recovery:災害復旧)を目的に東西に分散配置したデータセンターでBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)を強化。
その際、帯域制御に「PureFlow GS1」を採用し、通信回線の帯域が狭い小規模拠点でも安定したネットワークアクセスを実現しました。

最近では、回線帯域増強に合わせて最新の「PureFlow WS1」を追加採用し、VDIの安定性と管理負担を大幅に改善しています。


郵船トラベル株式会社 情報システム部 情報システムチーム
サブリーダー 神尾 のぞみ 氏

帯域制御製品導入 1回目
小規模拠点の細い回線でも必要な帯域を確保し安定した通信を実現

郵船トラベルは、WAN(Wide Area Network)における帯域制御の改善に長年取り組んできました。最初にPure Flowを導入したのは10年ほど前に遡ります。
同社は海外出張や視察・研修ツアーなどのビジネストラベル商品の開発と販売における先駆的企業としても知られ、海外出張・海外赴任の際に必要なさまざまなサービスやサポートを提供してきました。

特にビジネストラベルにおいては、渡航中の急なスケジュール変更や、現地での交通機関のストライキ、天候悪化によるフライトキャンセルといった緊急事態が発生した際にも、きめ細かなサービスとサポートが求められる場合があります。
そのため同社では、既存の営業所に加えて小規模拠点(お客様企業内に臨時に設ける駐在事務所など)を設置することで、クリティカルな企業ニーズにも迅速に対応できるよう万全の体制を整えています。
しかし小規模拠点では、データセンターと拠点を結ぶ通信回線の帯域を安定して確保できないという課題に直面していました。
郵船トラベル 情報システム部 情報システムチーム サブリーダー 神尾 のぞみ氏は、その時の状況を次のように説明します。

「各拠点にはファットクライアント型の業務用端末が設置され、WANを通じて東日本エリアにあるデータセンターの基幹サーバーと通信をおこなっていました。営業所のように専用線を引くことが難しい小規模拠点では、一般向けのインターネット回線サービスを利用しているため、データセンターからの下り回線では太い専用線側に帯域を奪われて安定した通信が確保できないことが問題となっていました」。

そこで、小規模拠点でも一定の帯域を保証するために導入したのが、SCSKが代理店として提供するアンリツ社製の高精度帯域制御アプライアンス「PureFlow GS1」でした。「PureFlow GS1」の活用により、拠点ごとに必要な帯域の確保を実現し、その後は業務に支障が出ることはなくなったといいます。

帯域制御製品導入2回目
東西データセンターにVDIを分散しBCPの運用をサポート

次に、帯域制御に取り組んだのが、2013年に導入したVDIへの対応でした。海外進出や海外取引をおこなう日本企業の急増でビジネストラベルの需要が高まる中、緊急時のサポートを迅速かつ正確に対応できるように全社導入したのがVDIです。
お客様の状況を把握している担当者がいつでも、どこからでも航空会社のシステムや予約管理システムにログイン可能な業務環境を構築するために、障害に強いVDIを採用し、300名弱の社員のデスクトップ環境を東日本データセンターの中に集約しました。

さらに2014年には、災害などで東日本データセンターが運用停止する事態を想定し、新たに西日本にもデータセンターを設置。東日本データセンターのVDIを社員の3分の2が利用し、西日本データセンターのVDIは残りの3分の1が日常的に活用することで、万一大規模災害が発生しても最低限度の災害復旧と事業継続を可能にする運用を実現しました。
西日本データセンターにVDIを設置する場合も、帯域制御装置は不可欠と考えた同社は、長年活用実績のあった「PureFlow GS1」を追加導入することを決定。
VDIの導入が帯域制御の重要性を改めて実感させてくれたと神尾氏はいいます。

「VDIに移行後、VDIサーバーから各拠点にあるプリンターへ印刷の通信が発生するようになったため、通信回線が細い小規模拠点では、プリンターへの印刷量が多い時にスプールが帯域を占有し、アクセスが切れてしまったりフリーズしたりすることがあったのです。『PureFlow GS1』でプリンター向けの通信を最大3割までに制御することにより、問題はすべて解消できました」。

帯域制御製品導入3回目
回線増強に対応する最新PureFlowで、VDIの帯域制御を改善し管理負担も軽減

郵船トラベルの帯域制御への取り組みは、2019年1月にもおこなわれました。社員が増え、VDIへのアクセスも急増したことによりネットワーク回線を増強。
それにより、回線の提供形態が1000BASE-LX(光ファイバを用いたギガヒットイーサネット)となったため、既存の「PureFlow GS1」では対応できず代替製品を検討。
今回は海外の帯域制御製品も同時比較しましたが、結果的に「PureFlow GS1」の後継機となる「PureFlow WS1」の導入が決定しました。
三度PureFlowシリーズを選択することとなった背景について、神尾氏は3つの要因を挙げています。

①国内メーカーであること
②日本語マニュアルが整備されていること
③サプライヤー側のサポート体制が充実していること

「『PureFlow WS1』はコンフィグ内容が前モデルと変わっていたため、最初は確認作業が発生したのですが、設定を進めるうちに、性能が格段に進化し運用も簡単になっていることがわかり、とても安心しました。また、『PureFlow WS1』の導入後、VDIの帯域制御が改善し、管理負担も大幅に軽減しました。今後設定変更などが生じても、作業時間が短縮できると感じています」(神尾氏)。

SCSKのサポートにより、導入時のシステム管理者の作業負担を可能な限り削減

「PureFlow WS1」の新規導入で特に印象に残ったのが、作業負担の少なさだったと神尾氏は振り返ります。

「導入した3台のうちの1台は帯域拡張ライセンスを購入していたのですが、ライセンス類もすべて機器に反映し、稼働が確認された状態で出荷されていたのには驚きました。メーカーによっては機器を購入後に適用作業が必要となりますが、そういった作業負担が大幅に削減できたので非常に助かりました」。

帯域制御アプライアンスは、メーカーによってライセンスを有効化するための適用作業が必要となるケースが多く、それがシステム管理者にとって大きなハードルのひとつになっています。
SCSKではある程度煩雑な設定は済ませ、電源を入れてコンフィグを流し込めば利用できるようにすることで、お客様の作業負担を可能な限り削減しています。

「技術サポートも重要な安心材料ですね。疑問がある度に、いつもSCSKは迅速に対応してくれるので、非常に助かっています。これからも引き続き支援いただけることを期待しています」(神尾氏)。

★郵船トラベルの今後の取組みや、導入事例の詳細PDFは、こちらのフォームからダウンロードできます。

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