~FortiMail 技術ブログ~
【第2回】FortiMailのライセンス
FortiMailを利用するにあたって「ライセンス」を購入する必要があります。
ここではFortiMailのライセンスについて解説します。
2025年5月時点でのSCSKの推奨バージョンであるv7.4系のライセンス体系を前提としています。
FortiCare(フォーティケア)
FortiCareは機器故障時の交換や技術的な質問対応サービスを受けるために必要な基本ライセンスです。新規購入の際に1年間付いてきますが、ライセンス開始日の1年後から毎年更新が必要です(3年間、5年間のプランもあります)。
FortiMailのサポートを受ける全てのユーザーは、FortiCareを購入することが前提となります。原則これが無いと、後に示す機能ライセンスを購入できません。FortiMailのFortiCareに含まれる主なライセンスは次の通りです。
ライセンス | 解説 |
---|---|
本体保証 | 機器故障時に新しい機器と交換できます。 |
テクニカルサポート | 技術的な質問や障害発生時の質問に応じます。 |
ファームウェアダウンロード | 最新のファームウェアをダウンロードできます。 |
ISDB(Internet Service Database) | 世界的に有名なベンダーのグローバルIPアドレスとポート番号を集めたデータベースをダウンロードできます。 |
GeoIP | 国/地域別のグローバルIPアドレスを集めたデータベースをダウンロードできます。 |
本体保証に関してさらに充実したサポート(24時間365日体制で作業員が修理交換に応じる等)を必要とする場合は販売店に相談してください。各販売店のメニューによりサービス内容は異なります。
機能ライセンス
必要な機能を利用するためのライセンスです。FortiCareを購入していることが前提です。各販売店のメニューにより提供できるライセンスは異なるため、販売店に相談してください。

【単品版】
基本的なメールセキュリティ機能を含んだパッケージです。
ライセンス | 解説 |
---|---|
メールフィルタ(第三者中継防止) | 特定のIP、ドメイン、メールアドレスからのメールをブロックします。第三者によるメールの不正中継をブロックします。 |
バックスキャッター防止 | 受信者アドレス検証により、SMTPサーバーに対して、受信者が実在するか問い合わせてからメールを転送します。また、バウンスメール検証により、メールにFortiMail独自のヘッダーを付けて送信し、バウンスメールにそのヘッダーが無ければ受信をブロックします。 |
コンテンツ | 特定の添付ファイルの拡張子(.zip/.bat等)を制限したり、HTMLメールをテキスト化したり、不正なURLを別のURLに変換したりします。 |
メールアーカイブ | 特定の条件に合致したメールのコピーを内蔵ディスクに作成します。 |
メール隔離 | 特定の条件に合致したメールを内蔵ディスクに隔離します。 |
IDベース暗号(IBE) | Identity Based Encryption機能によるメールの暗号化を行います。受信者はIDとパスワードを使ってWebベースでFortiMailにアクセスすることで、安全にメールをダウンロードできます。 |
情報漏えい対策(DLP) | Data Loss Prevention(データ損失防止)機能です。この機能は400F/VM02以上のモデルで利用可能です。 |
【ベースバンドル版】
単品と下記の内容を合わせたパッケージです。
ライセンス | 解説 |
---|---|
アンチウイルス | ウイルスを検知するための定義ファイルをダウンロードします。 |
アンチスパム | FortiGuardのデータベースに問い合わせてスパムメールを検知します。 |
【ATP(Advanced Threat Protection)バンドル版】
ベースバンドルと下記の内容を合わせたパッケージです。
ライセンス | 解説 |
---|---|
ビジネスメール詐欺(BEC)対策 | ビジネス上の情報や金銭を狙う詐欺メールを検知します。 |
クラウドサンドボックス | 未知のウイルスを検出して、ピンポイントで対策ファイルを提供するクラウドサービスです。 |
クリック無効化 | メール内に書かれた不正なURLリンクの差し替えや、警告ページへの誘導を行います。 |
コンテンツ無効化 | HTMLメールのテキスト化、OfficeやPDFファイルに含まれるスクリプトやマクロの除去を行います。 |
【その他の個別ライセンス】
これらのライセンスは必要に応じて購入してください。
ライセンス | 解説 |
---|---|
Microsoft 365/Google Workspace API |
Microsoft 365やGmailのメールボックスをリアルタイムで検査します。新たに発見された脅威の情報を基に、受信トレイ内にある既に開封済みのメールを削除することもできます。この機能は400F/VM02以上のモデルで利用可能です。 |
アダルト画像スキャン | Fortinet社独自の判定方式です。輪郭、四肢の検出、分割と配置解析などに基づいて、性的に露骨な画像か判定します。 |
メールContinuity | FortiMailの後続にあるメールサーバー(メールボックス)に障害が発生した時、メールサーバーに代わって一時的にメールを受信します。 |
FortiMailのライセンス形態
FortiMailのライセンスは基本的にユーザー無制限です。ユーザーの数によって価格が変わることはありません。ただしユーザー数が無制限であっても、モデルごとに性能限界があります。それぞれのユーザー規模に相応しいモデルを選んでください。
ハードウェア版やVM版はユーザー無制限ですが、FortiMail Cloudはユーザー数によって価格が変動するシステムです。

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