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参加者アンケートから見た日本の再エネ証書の現状 ~ 需要家向けセミナーアフターレポート ~

2024126日、環境ビジネス主催・SCSK協賛の需要家向けセミナー「非化石エネルギー転換へ 実践のポイント ~省エネから再エネ、そして属性証明へ~」を開催しました。この記事では、セミナー開催の背景と参加者アンケート結果をご紹介します。

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セミナー開催をして

背景

20237月にEneTrackのサービスがスタートして以来、多くの業界の方々とお話しする機会をいただきました。特に製造業の方々からは、エネルギー使用量が多い状況で、コストを考慮しながら脱炭素に取り組むという非常に挑戦的な状況についてお話を伺いました。

そこで、今回のセミナーでは、工場や事業所の現場での脱炭素への取り組みをテーマにしました。具体的には、省エネの政策動向や企業の省エネ・再エネの取り組み事例、気候変動問題に関する世界の動向、そして属性証明についての知識を深める場とすることを目指しました。

セミナー当日の様子

セミナー当日は、「省エネから再エネ、そして属性証明へ」というテーマで、資源エネルギー庁省エネルギー課の方や製造業で省エネ・再エネに取り組む企業の方、自然エネルギーの専門家の3名の登壇者をお迎えし、非常に興味深いご講演をいただきました。

セミナーの詳細はこちらをご覧ください(外部サイト)
【セミナーレポート】脱炭素経営 省エネの先の再エネ転換へ 実践のポイント | 環境ビジネスオンライン

参加者アンケートら見た日本の再エネ証書の現状

参加者のアンケートから見た、日本の再エネ証書の現状を見ていきましょう。

● 業種 (n=311/単一回答)

セミナーには多くの製造業の方が参加されましたが、それだけでなく、さまざまな業種からもご参加いただきました。脱炭素への関心が特定の業界に限らず、幅広く広がっていることを改めて感じました。

● 担当業務(n=311/複数回答)

セミナーには、サステナビリティやESGの推進を担当する方々が多く参加されていましたが、同時に、顧客に環境に関連する製品やサービスを提案している方も多くいらっしゃいました。自社や顧客の脱炭素をどう実現するか?は、需要側、供給側に共通する課題と言えるのではないでしょうか。

● 再エネ証書の課題(n=85/複数回答)

再エネ証書に関する課題については、意外にも「特に課題はない」と答えた方がもっとも多くなりました。これは、非化石証書などの既存の国内証書が低価格で十分に供給されているため、特に問題を感じていない方が多いということかもしれません。

国内証書の課題とI-RECという解決策

しかし一方で、オークションでの購入時期が限られていることや、欧州などの規制に対応する必要があることなど、既存の国内証書に課題を感じている方も一定数いらっしゃいました。この課題の解決策として、世界標準で自由度の高い購入ができる再エネ証書I-RECへの注目も今後高まるのでしょう。

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● EACの認知度(n=311/単一回答)

EACEnergy Attribute Certificate、エネルギー属性証明)の認知度について質問は、「知らない」と答えた人が半数以上でした。

海外では常識のEAC、日本ではまだ浸透せず

EACは、エネルギーの属性を証明する仕組みで、再エネを推進する上で重要な役割を果たしています。ヨーロッパやアメリカでは、このEACが広く普及しており、企業が再エネを主張する手段として当たり前のように活用されています。

一方で、日本ではEACの概念がまだ広く知られておらず、普及も進んでいません。日本でもっとも流通している再エネ証書である非化石証書はEACではありません。

この点が、海外企業から見て日本の非化石証書をわかりづらいものにしています。その結果、海外企業は、日本の非化石証書よりも、国際的に信頼されているEACであるI-RECをサプライヤーに求める傾向があります。

日本でもEACの認知と普及が進むことが、国際的なビジネスでの信頼性向上につながるでしょう。

終わりに

今回のセミナーを通じて、需要側と供給側の企業のどちらも、脱炭素に対して強い関心を持ち、試行錯誤しながら取り組んでいる姿に触れ、非常に励まされました。私たちEneTrackは、企業の脱炭素の取組みや日本の再エネ普及の一助となるため、これからも日本I-RECの普及に取り組んでまいります。

(執筆者:SCSK株式会社 EneTrack事務局 橋沼)

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