抵抗溶接・機械接合に特化したシミュレーション SORPAS

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技術情報コラム

1. 3次元抵抗溶接シミュレーション

事前にPC上で溶接シミュレーションを行うことで、溶接工程のモデル準備や設定、検証/評価が可能となり、手戻りや材料費/設備費等のコストを大幅に削減することができます。前回のコラムでは、本来3次元のものを2次元の軸対称モデルや奥行方向のモデルを対象として解析を行うことで、計算負荷を減らし短時間で簡易的にシミュレーションする事例をご紹介しました。今回は2次元では評価できない物理現象として、複数打点解析やそれに伴う分流効果、電極の芯ずれなどを3次元で解析した事例をご紹介します。

1-1 3打点のスポット溶接

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こちらは、3打点のスポット溶接事例で、それぞれの打点における溶接時の温度分布を表示しています。複数打点で溶接する際の現象としては、既に溶接されている箇所へ電流が流れる分流が起こります。上図では、この影響により、1打点目、2打点目、3打点目とナゲット径が小さくなっていることを確認できます。分流により、2打目以降の電力が100%使われず、各ナゲット径に差が発生することが課題となるのですが、この評価に溶接シミュレーションを活用している事例です。

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また、溶接ガンの打角、板材間のギャップ、拘束条件などによる外乱の影響を評価することも重要です。材料と電極の接触の仕方、または加圧のされ方や電流の入り方が異なることで、電極の芯ずれが起こりますが、これも溶接後のナゲット径に大きく影響がでる現象です。このような問題を事前確認するためにも、三次元でのシミュレーションが効果的です。

1-2 相変態と硬さの予測

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ここでは、溶接実施後の冷却までをシミュレーションし、マルテンサイト/ベイナイト/パーライト/フェライトの体積分率や、硬度を出力して、相変態を評価しています。また、硬度分布は全ての相変態の硬度の寄与分を組み合わせて計算しています。

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こちらは高強度鋼における熱影響部の軟化現象を確認した事例です。右の図で出力しているのは硬度分布です。赤いほど硬度が高く、青いほど硬度が低いことを表していますが、ナゲット周辺の熱影響部は硬度が低くなっており、軟化していることが確認できます。

1-3 プロジェクション溶接

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こちらは、四ッ角ナットのプロジェクション溶接で、前述の事例と同様に変形、温度分布、ナゲット経について評価できます。こちらは三次元の溶接シミュレーションですが、軸対象モデルであれば、プロジェクション溶接を2次元で解析することも可能です。これにより短時間で計算負荷を抑えてプロジェクション(突起)がついた材料の変形や温度分布、ナゲット経について評価します。

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SORPAS技術情報コラム第二回では、三次元溶接シミュレーション事例ということで、代表的な事例をご紹介しました。SORPASの事例については他にも動画で詳細のご紹介をしております。ぜひこちらのページもご覧ください。

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