卸売業として、お客様の利便性向上への
飽くなき追求
プロツール(※)総合サイト
「トラスコ オレンジブック.Com」を
リニューアル
※工場や建設現場などでプロ(工員・職人)が
扱う工具、作業用品、消耗品、機械類などの総称
※工場や建設現場などでプロ(工員・職人)が
扱う工具、作業用品、消耗品、機械類などの総称
トラスコ中山株式会社
取締役 情報システム本部 本部長
トラスコ中山株式会社
商品本部 カタログメディア部
トラスコ オレンジブック.Com課 課長
トラスコ中山株式会社
情報システム本部 情報システム部
システム管理課 課長
「プロツールを取り巻くサプライチェーン全体に対し、テクノロジーで何が解決できるかを考えていきたい。
SCSKさんにはその頼れるパートナーとして今後も期待しています」
取締役 情報システム本部 本部長
数見 篤 氏
1959年に創業したトラスコ中山は、工場などで使用されるプロツール(工場用副資材)の専門商社として、日本のモノづくり現場のニーズに対し、「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」お届けするという使命を持ち、独自の供給体制を構築してきた。
同社は約2,500社のメーカーからプロツールを仕入れ、機械工具商などを中心に、ホームセンターやネット通販企業まで幅広く販売。その社数は5,300社を超え、その販売店の先にいるユーザー数は100万以上にのぼる。同社の強みは、取扱商品が約200万点と極めて豊富な種類をそろえており、かつ38万点もの在庫を常に保有している点にある。さらには、全国22か所の物流センターから当日、または翌日に配送するロジスティクスの仕組みも整備。一般的に、在庫をもつ会社であれば「在庫回転率」が主要なKPIとなるが、同社は「在庫があるから売れる」という独自の発想のもと「在庫ヒット率(※)」を最も重要な指標と位置付けている。
※全注文のうち、どれだけ在庫から出荷できたかを示す割合
“在庫があり、すぐに届くというのが当社の最大の特長です。私たちのミッションは卸売業としてお客様の利便性を徹底的に追求していくこと。これに尽きます。”
(取締役 情報システム本部 本部長 数見 篤 氏)
同社が取り扱う商品と、販売店やユーザーをつなぐ媒体として大きな役割を果たしているのがプロツール総合サイト「トラスコ オレンジブック.Com」だ。プロツールの注文単価は低く、発注回数が多いために販売店の負荷は高い。そのため同社は2006年からWEBサイトで購買に関する一連の対応を開始。掲載アイテム数は現在約180万点。システムによる受注率(FAX-OCRなど他のシステムも含む)も80%を超えており、同社を取り巻く業界内において重要な仕組みとして浸透している。
しかし、「トラスコ オレンジブック.Com」は利便性の面で課題を抱えていた。商品の検索精度が悪く、目的の商品にたどりつかないという事象がしばしば発生。過去重ねてきた部分的なサイト改修により、デザインの統一感も崩れ、使いづらいものになっていた。
同社は、中長期の目標として2023年までに在庫アイテム数を50万点まで拡充し、売上高3,000億円を実現することを掲げている。そのためには、上述の課題の解消とともに、制約があったサービス提供時間の24時間対応や、顧客にあった商品を高精度で提案するレコメンド機能の実装など、同社のビジネス成長に見合う抜本的な機能の見直しと、それに対応するシステム基盤の構築が急務となっていた。
「トラスコ オレンジブック.Com」のリニューアルに向け、構想を練ること3年。その実現に向けてパートナーとなったのがSCSKだ。その決め手は大きく二つ。利便性を高め、より独創性の高いサービスを提供する上で、同社の業務や考え方への理解が深かったこと。そして新しいシステムを“作る”だけに留まらない、当事者と同じ目線での具体策の提示があったことだった。
“私たちが目指したのは、新たなサービスの展開や新技術の活用に柔軟に対応しながら、常にお客様の期待の“半歩先”を行くサイトを実現することです。”
(商品本部 カタログメディア部 トラスコ オレンジブック.Com課 課長 花田 和丈 氏)
2016年11月にプロジェクトがスタート。ターニングポイントはさっそく訪れた。SCSKは複数のベンダーをアサインし、プロジェクトに臨んでいたが、参画したメンバーが同社独特のビジネスモデルと「トラスコ オレンジブック.Com」の役割を正しく理解することに時間がかかっていた。一般的なECと異なり、同社はユーザーに直接販売を行わない。そのユーザーに向けて、どういったおすすめ情報を提供したらよいかなど、話がなかなか噛みあわなかった。また同社側も抜本的な見直しを行う中で、新要件をまとめる負荷がかなり高まっていた。
両社はお互いの問題認識をかなり早い段階で提起し、要件定義工程の2か月延長を決断。この早期に問題を提起し合うアクションは後の工程でも継続され、このプロジェクトを成功に導く、重要な要因となった。
“私がSCSKさんにお願いしたのは「風通しのよい運営をして欲しい」の一点です。それを見事に実践し、過去経験にない高い品質でプロジェクトをリードしていただきました。”
(数見氏)
かくして2018年9月、「トラスコ オレンジブック.Com」は「より見やすく」「より便利」なサイトとしてリニューアルオープンした。2019年1月より24時間対応も開始。先述した要件定義工程の延長以降はすべて計画どおりの進行だった。
サイトリニューアルの効果も早速出始めている。メインビジュアルに掲示したコンテンツのアクセス数が以前よりも大きく増加。伝えたい情報が利用者にしっかり届いている証拠だ。また、目的の商品を探しやすくなったとの声も届くようになったという。
リニューアルを果たした「トラスコ オレンジブック.Com」だが、トラスコ中山ではこれを次のステージへのスタートと位置付けている。2019年2月からはAIを活用し、チャットボットによる自然言語(口語)での商品検索や音声入力にも対応。同社はデジタル化できる領域はまだ多くあるとみており、今後も進化を続けていく。
また、販売店やユーザーにとって、「トラスコ オレンジブック.Com」が重要度を増していくことは明らかだ。同社はサイトの運用についても、より盤石な備えで取り組んでいくと、力強く語ってくれた。
“システムが止まれば、販売店様の業務も止まってしまいます。安心・安全なサービス提供を続けるために、SCSKさんと今後もワンチームで取り組んでいきます。”
(情報システム本部 情報システム部 システム管理課 課長 鎌倉 貴行 氏)
全受注行数の約80%を処理している重要かつ大規模なシステムの再構築にあたり、SCSK全体で知見やソリューションを結集。「エンゲージメントを高めた」「魅力にあふれた」サイトを構築するという使命感を持って取り組みました。数多くの人員が参画するプロジェクトとなりましたが、日本のモノづくりのお役に立つというトラスコ中山様の“志”を同じように持ち、いかにして一体感のある体制で臨めるかに尽力したことが良い結果につながったと感じています。「常にお客様の期待の半歩先を行くサイト」とし続けるべく、最新のテクノロジーをうまく活用し、これからも変革を後押ししてまいります。
城戸 健文
所在地:東京都港区新橋4-28-1
U R L:
http://www.trusco.co.jp/
1959年の創業以来、モノづくり現場を陰から支える専門商社として、機械工具、物流機器、環境安全用品をはじめとしたプロツール(工場用副資材)の卸売業および自社ブランドTRUSCOの企画・開発などの事業に取り組む。取引先は約5,300社、その先のユーザーは100万以上を数える。
2019年4月