水島機工株式会社

基幹システムと周辺システムの連携を「CELF」で自動化
業務改善のためのアプリ開発を、現場社員が内製

働き方改革・生産性向上

ノーコード/ローコード開発×RPAの自社活用ノウハウを展開し
地域企業のDXを牽引

事例のポイント

お客様の課題

  • 基幹システムの刷新に伴い、受注データの入出力を自動化したかった
  • 基幹システムに関わる周辺システム、間接部門の業務を効率化したかった
  • 業務改善のためのアプリ開発を内製したかった

課題解決の成果

  • 基幹システムへの受注データの登録・出力をCELFで自動化
  • 基幹システムとさまざまな周辺システムの連携をCELFで自動化
  • 生産管理、総務経理などの現場担当者自らアプリ開発ができるようCELFを全社展開、業務改善を内製化

導入ソリューション

  • Excel感覚でWebアプリがつくれるクラウドサービス「CELF(セルフ)」
  • RPAオプション

水島機工株式会社
取締役社長

滝澤 昌朗

水島機工株式会社
総務部 情報管理グループ マネージャー

梶房 厚彦

水島機工株式会社
総務部 情報管理グループ 主任

藤川 圭一郎

水島機工株式会社
総務部 情報管理グループ

青井 柾

「企業には常に改善すべき課題があり、それを解決する手段としてCELFを活用したいと考えました」

水島機工株式会社 取締役社長

滝澤 昌朗

背景・課題

企業には常に改善すべき課題がある
それを解決できるツールを模索

 岡山県倉敷市で自動車部品製造業を手掛ける水島機工株式会社(以下、水島機工)は、IT活用による業務の効率化に積極的に取り組んでいる。地域経済の先進的な担い手として、2020年には経済産業省の「地域未来牽引企業」にも選定されている。取締役社長である滝澤昌朗氏は「IT活用で企業は飛躍的に変わることができる」という信念のもと、最新のIT情報を収集するため常に積極的に行動し先陣を切っている。

 RPA(Robotic Process Automation)が話題になっていた2019年、滝澤氏は東京で開催されていたIT関連の展示会に足を運んだ。「大きな問題を抱えていたわけではありませんでしたが、企業には常に改善すべき課題があり、それを解決する手段としてRPAをはじめとする最新技術を活用できないかと考えていました」と滝澤氏は振り返る。

 その会場で出会ったのが、Excel感覚でWebアプリがつくれるクラウドサービス「CELF(セルフ)」だ。オプションでRPA機能を気軽に利用できるCELFは、他のRPA製品に比べてはるかに低価格、かつ操作が簡単そうで、個人の業務を改善するのにも役立ちそうだった。「たとえ導入がうまくいかなくても、大きな痛手にならない価格でした。大きなことをしようとして前に進まない、失敗するリスクを考えて意思決定できないより、試しにスモールスタートで始めて改善しながら進めよう」と、滝澤氏はすぐに導入を決断する。

 試用期間中に、RPA機能はもちろん、CELF本来の魅力であるアプリ開発の容易さを高く評価した水島機工は、当時進めていた基幹システム刷新プロジェクトにおける受注データの入力にCELFを活用することにした。

 総務部情報管理グループ マネージャーの梶房厚彦氏は、「お客様からの受注データは自動車業界の共通ネットワークであるJNXサービス、インターネット上の取引先のWebサイト、メールに添付された受注ファイルという3つの方法のいずれかで送られてきます。この受注データを基幹システムに入力する際に手作業が発生し手間がかかっていたことが課題の一つでした」と振り返る。

 3種類の受注方法のうちJNXサービス経由の場合は、取り込みプログラムをつくり、データ取り込みから受注CSVファイルを取り出し基幹システムに取り込んでいた。だが、インターネット経由の場合は、取引先ごとに異なるWebサイトにログインし、必要なデータをダウンロードして所定のフォルダにデータを移動し、基幹システムに取り込む必要があった。また、メール添付で送られてきたファイルの場合は、添付ファイルを開き、基幹システムに直接データを入力する作業が発生し、人手を介するこうした作業に1日4時間程度を要していたのだ。

解決策と効果

基幹システムとの連携にCELFを活用
間接業務の効率化を目指し、利用範囲を全社に拡大

 水島機工では、当初の課題だった基幹システムへの受注データ入力だけでなく、基幹システムに取り込んだデータから伝票、各帳票として発行する仕組みもCELFで開発することにした。

 JNXサービスについては、「取り込み処理を実行→データマッピング→基幹システムにRPAで取り込み→印刷処理」という一連の作業をCELFで自動化。また、インターネット上のWebサイトの場合は「サイトにログインして所定のデータを取得→データマッピング→基幹システムにRPAで取り込み→印刷処理」を、メール添付で送られてくるファイルの場合は、「メールの添付ファイルを保存→添付ファイルを取り込み→データマッピング→基幹システムにRPAで取り込み→印刷処理」をCELFで自動化した。これにより、作業時間を1日約2時間にまで軽減することができた。

 「試しに使ってみようという気持ちで始めたことでしたが、思いのほか使いやすいことが分かり、社内でのCELFへの信頼度が高まっていったのです。そこで、そのほかの業務についても、CELFを活用して自動化することにしました」(梶房氏)その一つが、基幹システムデータの一括変換だ。新しい基幹システムには一括処理機能がないため売上単価などのデータを修正する作業が煩雑になる。そこで、基幹システムの売上明細ビューから指定条件でデータを取得しCELFに展開。CELF上で単価データを一括修正した後、変更データをCSVに出力し、基幹システムにインポート、取り込みデータの更新処理をする、という一連の作業を自動化する仕組みを開発した。

 また、基幹システムと周辺システムとの連携についても、CELFによる自動化を進めた。生産計画・生産実績・サブシステムからデータを抽出し、不良管理システムにデータを送り込む作業や、基幹システムから会計システムにデータを抽出し送り込む際の作業などだ。

 CELFによる開発に携わった総務部情報管理グループの藤川圭一郎主任は、「以前に、ExcelのVBAで自動化しようと開発した経験があるのですが、CELFは子供向けプログラミングソフトのScratchのような簡単な見た目と操作でExcelライクなアプリを開発することができ、業務を自動化することができます。現在わたしが中心になってアプリ開発を担当していますが、簡単だからこそさまざまな部門からの要望に応えられているのだと思います。しかも簡単なのに、対応できる業務範囲がとても広いので驚いています」と感想を話す。

 また、基幹業務からのデータ取り込み作業を担当した総務部情報管理グループの青井柾氏は、「CELF導入以前は、いろいろなプロセスを経ないと完了できなかったデータ処理が、ボタンを1つ、もしくは2つ程度クリックするだけであっという間に終了します。これには現場の社員も驚いていて、『こんなことはできないか』と次々と提案されるようになっています。最近ではユーザーサポートも担当するようになりました」と話す。

 水島機工では、「間接業務の効率化」を大きな目標として掲げており、気軽に試せる価格と使い勝手の良さから、いまでは生産管理、品質管理、工作、技術、総務経理などすべての部門でCELFやオプションのRPAの利用が進んでいる。

図:CELFで、受注データの基幹システムへの取り込みを自動化
図:CELFで、受注データの基幹システムへの取り込みを自動化

今後の展望

現場の担当者自身が開発できるよう教育にも着手
地域企業への外販にも乗り出す

 滝澤氏が期待していたように、CELFは「企業の改善すべき課題を解決していくためのツール」として定着し、業務改善に大いに貢献している。そこで同社では、さらなる2つのチャレンジに取り組んでいる。

 1つは、間接業務の効率化を情報システム担当者だけでなく、現場の担当者自身がCELFで開発できるように教育を実施し、細かな業務改善に日常的に取り組む体制をつくることだ。Excel感覚で誰もが自動化のためのアプリを開発できるCELFであれば、個人の業務を自動化することもでき、現場の担当者自身が改善のためのアプリを内製することも容易に行えるようになるという発想からだ。

 もう1つのチャレンジは、CELFを外販するパートナーになり、岡山地域の製造業者に向けて、CELFを外販し活用をサポートすることだ。滝澤氏は「地方にはITの最新情報がなかなか届きません。DXが叫ばれ、環境の変化に対応するために開発の内製化が重視されていますが、何から取り組めばよいのか、どうやって実現すればよいのか分からないという企業が少なくありません。弊社は実際にCELFを導入したことで、そのノウハウが蓄積されつつあります。それを周囲の企業に広めることが、地域産業全体の発展につながると考えています」と、今後を展望する。

 水島機工は、岡山県自動車関連企業ネットワーク会議の幹事企業であり、また滝澤氏はIT導入に関する地元企業に対する相談窓口にもなっている。同社のITに対する考え方や、実践的なCELF活用ノウハウは、地元企業のお手本となるに違いない。

SCSK担当者からの声

このたびはCELFを高く評価いただき、水島機工様自身の業務効率化だけでなく、地域産業全体の発展に向けCELFの開発パートナーになっていただきましたこと光栄に思います。「地域未来牽引企業」に選定された水島機工様の一助になれるよう、引き続きご支援させていただきます。また、共にビジネスを創り上げる共創パートナーとして広くお客様に活用いただき、新たな価値が与えられるよう取り組んでまいります。

AMO第二事業本部 新ビジネス推進部

魚本 和孝


お客様プロフィール

水島機工株式会社

所在地:岡山県倉敷市水島西通1丁目1936-12
U R L:
https://company.mizushima-kiko.co.jp/

岡山県倉敷市で自動車部品などの製造および販売を手掛ける水島機工株式会社。「心・技・体を磨き、新たな価値を創造する」を使命とし、誠実(Integrity)・革新(Innovation)・創造性の発揮(Imagination)という3つの価値観を重視している。中期的なビジョンとして「グローバルで通用する技術力・営業力・組織力を備えた企業」を掲げ、近年では部品加工に必要な機械の自社開発、生産用ロボットを生産ラインに導入して製品品質情報を自動監視するIoT導入などにも取り組んでいる。

2022年2月初版