SharePoint Onlineで情報共有サイトを「内製」で構築
構築時の不明点はチケット制の的確なサポートで品質向上へ
「内製でのSharePoint Onlineサイト構築支援だけでなく、
変化が激しいクラウドサービスの最新情報を踏まえた運用のコツをつかむことができました」
株式会社サンベンド 事業基盤イノベーション部 基盤戦略グループ 専任課長
喜多 修巳 氏
サンベンドは、自動販売機や、飲食店の飲料ディスペンサー、ビールサーバーなどの機材管理・メンテナンス業務を行っている。循環型社会へ向けた世界的な動きのなか、再生可能な部品のリユースにいち早く取り組み、環境保全やゴミ搬出量削減に大きな貢献をしている。
同社の機材設置・メンテナンス業務において重要な役割を果たしているのが地域の協力企業だ。機器にトラブルが生じた際、利用者は機材に記載されているサンベンドのカスタマーセンターへ問い合わせ、サンベンドが地場の協力企業へ事象に沿った対応を依頼する、という流れになっている。
従来、協力企業へは部品情報や技術情報を電子メールベースで提供していた。ただ、提供された情報の管理・活用は協力企業に委ねる形だったため、協力企業の従業員は必要な情報を必要なタイミングで確認できずに、同社へ問い合わせるケースやメンテナンスに必要な部品を現場に持参できず再訪が必要となるなどの業務ロスが生じることがあった。
「協力企業の業務ロス改善を支援するため、サンベンドはサントリーグループが導入しているSharePoint Onlineで情報提供することを決めました。将来的には、対象の機器の型式とトラブル内容を入力するだけで正確な対応方法を特定できる仕組みにして、対応完了までの時間と手間の圧縮を狙っています」(喜多氏)
SharePoint Onlineを使用し、大きなコストをかけない内製で進める方針にした。協力企業との情報共有を担う中川氏を主担当に、喜多氏と後藤氏がシステム面をサポートする体制で動き出したが、サイト構築は思ったように進まない。
「サイト構築に慣れていなかったこともありますが、何よりマイクロソフトのサイトだけでなく、どこにも操作手順の情報が載っておらず、見つからなかったんです」と中川氏は振り返る。また後藤氏も、「システムに関わっていた自分ならば、と思っていたが、SharePoint Online は厄介だ」と話す。
それでも2021年1月下旬に情報共有サイト「V-Navi」を公開した。だが、この時点ではやりたいことを実現できてはいない状態だった。
情報共有サイト「V-Navi」で自分たちが実現したいことを、社内の力だけで実装するのが非効率と感じた喜多氏は、SharePoint Onlineに知見がある外部企業が提供しているサポート利用を検討する。ただし、構築を丸ごと外部へ委託するのではなく、あくまでも自社が内製で構築する過程で困ったときの相談先となり、解決の道筋を提供してくれるサービスを望んだ。
そして、相談したのがSCSK Minoriソリューションズ(当時、Winテクノロジ)だった。サントリーグループの情報システム領域で長い経験を持つ喜多氏は、以前SCSK Minoriソリューションズ(当時、Winテクノロジ)へ業務委託した経験があり、マイクロソフト製品に深い知見・ノウハウを持っていることを知っていた。
相談を受けたSCSK Minoriソリューションズでは、リリースして間もない時間制/チケット制の「システムサポートサービス」を提案した。喜多氏は、「どの程度サポートしてもらう必要があるかは始めてみなければわからないので、月額などの定額サービスでは費用がムダになることは容易に想像がつきます。その点、困ったときだけに1年間利用できる時間制/チケット制のサポートサービスであれば予算面のムリ・ムダを抑えられます。提案を受けて、即決しました」と話す。
こうして2021年5月に正式契約を結び、約3カ月解決できなかった課題は即座に解決した。掲示板機能の特徴を踏まえた情報共有だ。リリース段階では文書をライブラリに格納していたが、提供した最新情報の告知ができていなかった。最新の文書情報を掲示板へ登録、さらにお知らせ機能で告知することで利用者は格段に最新情報へアクセスしやすくなった。
サンベンドは情報共有の先である協力企業が、最新情報を提供されたことに気付くこと、どの情報が新しいのかを問い合わせることなく自己判別できる仕組みを提供したかったのだ。
時間制/チケット制というとQ&Aのようなものを想起しがちだが、システムサポートサービスでは、その都度回答する方式のほか、場合によっては手順書を作成し提示する場合もある。その質の高さに対して、中川氏は次のようなエピソード語った。
「情報共有サイトへの機能追加について実現方法を問い合わせた際、手順書を提示しましょうか、という提案がありました。手順書ということで、1-2枚程度の最小限の手順が記載されたものを想像していましたが、届いた手順書は手順以外に考慮事項など業務検討に必要な情報も書かれていました。これなら誰が見ても進めやすいと感じました。」(中川氏)
また喜多氏は、SharePoint Onlineのようなクラウドサービスだからこそ外部サポートが必要だと話す。
「オンプレミス版のアプリケーションとは異なり、クラウドサービスは機能拡張や変更が頻繁に行われます。企業のシステム担当者が、これらをキャッチアップし最新の機能やノウハウを実装していくのは大変です。『システムサポートサービス』は、最新情報を踏まえた良いサポートをしてくれていると感謝しています」(喜多氏)
SCSK Minoriソリューションズは、英語のブログ情報なども含め最新情報を追うことで、クラウド時代ならではの臨機応変なプロフェッショナルサポートを提供している。
図:システムサポートサービスの仕組み
SharePoint Onlineで「V-Navi」を提供し、協力企業との情報共有は実現できた。
「2021年末には『V-Navi』へ情報提供方法を統一したいと考えています。協力企業が気軽に利用できるサイトへ、もっと内容の充実や、利用しやすいように仕組みの改善が必要です」と担当する中川氏は話す。
システム面から中川氏をサポートする後藤氏も、さらなる機能拡張を目指している。
「動画やアンケートなど、よりわかりやすく内容の充実したサイトとなるよう機能を強化していきたいと考えています。機能実現に必要なノウハウは、SCSK Minoriソリューションズのサポートで解決できるので、より利用者目線でのサイト提供を目指しています」と話している。
今後のシステムサポートサービスの利用について喜多氏は、「今後はSharePoint Onlineに限らず、マイクロソフト関連の他のアプリケーションについても『システムサポートサービス』の利用を検討しています。われわれの大きな狙いである全社的な効率化という視点で、具体的なIT活用計画を立てられるようになりました」と話している。
DXを進めるうえでアプリ開発の内製化を進めている企業も多い。そうしたなかで、SCSK Minoriソリューションズの時間制/チケット制の「システムサポートサービス」は、コストを抑えながら必要十分なサポートを受けられるサービスとして、多くの企業に貢献するであろう。
弊社のチケット制サポートサービスは、「技術力」「お得感」のベストバランスを目指したサービスプランであり、リリース以来多くのお客様から高い満足度評価をいただいております。特に機能の複雑さや仕様変化の早いMicrosoft 365の各種機能においては、お客様の最適な運用実現に必ず貢献できるものと確信しております。
佐々木 一之
サンベンド様へシステムサポートを提供させていただいたことでお客様のお悩みを目の当たりにできたことは私どもにとって貴重な学びの機会となりました。この事例のようにサポートを通して得られことを生かしてもっと多くのお客様へより良い支援、サービスを提供していきます。
水元 亜紀
所在地:東京都江東区東砂7丁目19番9号
U R L:
https://www.sunvend.co.jp/
2003年に誕生した株式会社サンベンドは、サントリーグループの自動販売機、飲料ディスペンサー、ビールサーバーなどの管理・運営およびコールセンター業務などを担当しています。2021年4月、自動販売機事業の機材開発・機材運営の効率化と最適化を狙い、サントリービバレッジソリューション株式会社の事業基盤イノベーション本部をサンベンドに移管。リサイクルパーツ活用による自動販売機事業の業務効率化で業界の発展をリードしています。
2021年12月初版