AGC株式会社 様

ファームバンキングサービスとして
統合EDIサービス「スマクラ」を採用
今後はISDN回線廃止に伴い
「スマクラ for Internet EDI
AnserDATAPORT接続サービス」を利用

働き方改革・生産性向上

既存サービスの突然の打ち切りという危機を「スマクラ」が救う
これまでと変わらぬ機能を安心して使え、
将来の発展性があるサービスの導入を実現

事例のポイント

お客様の課題

  • 既存のファームバンキングサービスが終了、新サービスは高額
  • 現行データセンターの利用終了に伴い、回線の切替が必要
  • 2024年1月のISDN回線のサービス終了への対応

課題解決の成果

  • 法令対応や他システムとの連携など、将来性のあるファームバンキングサービスが実現
  • 既存サービスと同等の機能を手ごろなコストで導入できた
  • 高い運用効率と安定性も確保

導入ソリューション

  • EDIシステム連携基盤サービス「スマクラ」

AGC株式会社
情報システム部
ITコンピテンスセンター
経財・資物グループ

青野 敦至

SCSKならサービスを継続いただけるという安心感があり、私たちのような製造業での実績も豊富です。
費用も手ごろでしたので、スマクラの採用を決めました。

情報システム部 ITコンピテンスセンター
経財・資物グループ

青野 敦至

背景・課題

長年使ってきた ファームバンキングサービスが突然の終了
新たなサービスへの移行が急務に

 ガラス、電子、化学、セラミックスなどの素材を軸とした事業を展開する総合素材メーカーのAGC。同社は2018年の社名変更を機に、グループの企業姿勢を明示したブランドステートメント“Your Dreams, Our Challenge”を制定し、グループビジョン“Look Beyond”の実現を目指している。

 これまで同社は、従業員への給与・賞与の振込、取引先への支払い、取引先からの入金などに、とあるベンダのファームバンキングサービスを利用していた。ところが2019年9月、そのベンダから「2020年10月で現行のサービスを終了する」という告知を受け、急きょ代替手段を探すことになった。情報システム部 ITコンピテンスセンター 経財・資物グループ 青野 敦至 氏は当時を次のように振り返る。
「既存のファームバンキング送受信サービスは長年、不満もなく利用してきたので、突然の通知に困惑しました」

解決策と効果

サービスの継続が期待でき、
製造業での実績も豊富な「スマクラ」を採用
以前と変わらぬ機能を安心して使い続けられる

 AGCは新たなファームバンキングサービスについて、既存サービスより作業効率や安定性が低下しないこと、将来的に技術の継続性が見込めること、コストが適切であること、などの要件を求めた。そこで同社はインターネットなどで情報を収集し、複数の候補をピックアップ。RFPを数社に送付して提案を受けた中から、SCSKが提供する統合EDIサービス「スマクラ」の採用を決めた。
「ファームバンキングサービスには、大手ベンダが提供する金融機関向けの堅牢なサービスから、ベンチャー企業が提供する簡易的なサービスまで、さまざまなものがありますが、当社のような企業間取引が中心の企業では、どちらも極端過ぎます。一方、スマクラは仕様が複雑でなく、規模的にもピッタリです。また、上場企業のSCSKが提供しておりますので継続的にサービスを提供してもらえる安心感があります。私たちのような製造業での実績も豊富で、費用も手ごろでした」(青野氏)

 機能面も、他サービスと比べてスマクラが優れていた。中でも決め手となったのが、以前のファームバンキングサービスでは追加開発で実装していた入出金の履歴照会画面が、スマクラでは標準で用意されていたことだ。この画面は、経理担当の社員がファームバンキングサービスで送金処理を実施した後、正しく送金や入金ができているかを確認する際に利用する。何らかの問題が発生したときに履歴が見れないと、銀行、EDI、基幹システムのどこに原因があるか関係部署に問い合わせなければならないが、履歴がわかれば問題の切り分けもしやすくなる。
「他のサービスは履歴画面がない、またはあっても開発されたばかりで品質や使い勝手に不安があるものばかりでした。しかしスマクラは標準で実装しているため、これまでの業務のやり方を変える必要がありません」(青野氏)

 スマクラの導入プロジェクトは2020年1月にキックオフ。システム設計、ネットワークの敷設、運用設計、移行計画の策定、システムテスト、接続先テストなどを経て、2020年10月に移行を実施した。既存環境から切り替えたため仕様変更などはなく、作業はスムーズに進んだという。
「基本に忠実に、進捗や課題を管理しながらプロジェクトを進めました。実際に利用する現場のユーザー、インフラやネットワークを開発する担当者の声を聞きつつ調整するのが大変でしたね。プロジェクトの期間中はコロナ禍ということもあって基本リモートでの作業となりましたが、特に問題はありませんでした」(青野氏)

 リスクを最小化するため、金融機関の移行は段階的に行った。接続している金融機関は数社だが各金融機関のスケジュール、口座利用の用途(人事と経理)、業務の繁忙期などを考慮して移行時期を調整している。

 新たに導入されたスマクラは、従来のファームバンキングサービスと変わらず同社の業務を支えている。同社によれば、今回の移行により法令対応や他システムとの連携など、将来の発展性があるサービスが導入できたというのが最大のメリットだという。ISDN回線のサービス終了にも対応可能だ。
「また、以前のファームバンキングサービスはベンダに作り込んでもらった機能もあったのですが、スマクラには標準で装備されているので、結果として導入コストの抑制に繋がっています。高い運用効率と安定性が確保できたのも大きく、安心して使い続けることができそうです」(青野氏)

今後の展望

スマクラを利用し、金融機関向け新データ伝送サービス
「AnserDATAPORT」への移行を予定

 AGCは2024年1月のISDN回線のサービス終了に伴い、近いうちに閉域網を利用した金融機関向けデータ伝送サービス(AnserDATAPORT)へ移行する予定だが、その際にも 「スマクラ for Internet EDI AnserDATAPORT接続サービス」を利用する。このほか、受発注データのEDI連携をスマクラで行うことも検討中だ。
「今後は販売管理システムの受発注連携でもスマクラを活用していく可能性があります」(青野氏)

 今回、プロジェクトを支援したSCSKに対しては、ひとつひとつ確認しながら丁寧に進めていく仕事ぶりを評価。今後の継続的な支援に期待を寄せている。
「恒常的に発生するシステム変更に、迅速かつ確実に対応していただければと思います。また、業務の効率化に向けた新しいソリューションの紹介、提案もお願いしたいですね」(青野氏)

 ファームバンキングサービスの切り替えをきっかけに始まったAGCとSCSKの関係は、今後も深化していくことになりそうだ。

SCSK担当者からの声

AGC様からはファームバンキングサービスの切替としてスマクラをご採用いただきました。現行のサービスが終了するという納期厳守の案件においては、手戻りなく着実に丁寧に進める必要があり何度も打ち合わせを重ね確認を行いました。またお客様が金融機関とのテスト調整にご協力下さったこともあり、スケジュール通りにプロジェクトを完了することができました。今後のISDN廃止に伴いスマクラ for Internet EDI AnserDATAPORT接続サービスへの切替を引き続き実施するとともに、サービスの拡充やその他のソリューションの提供などお客様の業務に貢献できるようご支援させていただければと考えております。

産業ソリューション事業本部
産業ソリューション第四部 第三課

齊藤 政充


お客様プロフィール

AGC株式会社

所在地:東京都千代田区丸の内1-5-1
U R L:
https://www.agc.com/

1907年に三菱財閥の岩崎俊彌が創立。1909年には日本で初めて板ガラスの製造に成功した。現在は「素材の会社」として、ガラス、電子、化学、セラミックス、新規事業の5つを軸に、30を超える国と地域でグローバルに事業を展開している。次世代の無線通信システムとして期待を集める5Gにおいても、同社のフッ素樹脂や合成石英ガラスが、5G通信に使われるアンテナなどに最適な材料として採用されている。

2021年8月