参天製薬株式会社 様

グローバル文書管理システムのクラウド移行により
Digital Workplaceを活用した生産性向上を追求

働き方改革・生産性向上

200万文書を格納するSantenグローバル文書管理システム
Winテクノロジの支援によりスムーズなクラウド移行を実現

事例のポイント

お客様の課題

  • グローバルユーザーの多様な働き方、ワークスタイル変革の支援
  • 可用性や耐障害性を維持するための高額な運用コスト
  • ハードウェア保守期限が間近に迫っている
  • エンドユーザー業務を止めることなくデータをクラウドに移行

課題解決の成果

  • グローバルユーザーの「時間と場所を選ばない働き方」に寄与
  • Microsoft 365ソリューション群との連携によるビジネススピード向上
  • システム維持運用コストの削減
  • 綿密なシステム移行計画とそれを支えた移行ツールとテンプレート

導入ソリューション

SharePointをオンプレミスからOnlineへの移行

参天製薬株式会社
情報システム本部
グローバルITインフラストラクチャ&
サービスマネージメントグループ
ITガバナンス&サービスマネージメント
チーム

澤田 和睦

オンプレミスからクラウドへの移行がスムーズに完了したのは、
Winテクノロジが蓄積してきたクラウド移行サービスの実績と技術力によるものだと感心しています。

情報システム本部 グローバルITインフラストラクチャ&サービスマネージメントグループ
ITガバナンス&サービスマネージメントチーム

澤田 和睦

背景・課題

グローバル規模で利用する文書管理システム
テレワーク環境での使い勝手や運用面で課題

 世界約60カ国で眼科薬の開発・製造・販売事業を展開する参天製薬(以下、Santen)では、世界中の社員4,000名以上が利用する「グローバル文書管理システム(Global DMS)」を2010年に構築した。Global DMSは、同社の業務に不可欠な各種ドキュメント、および各種規定類が格納された重要な情報管理・共有インフラであり、現在は約200万ファイルが保管されている。

 国内データセンターのオンプレミス環境にある「Microsoft SharePoint Server」で作られたGlobal DMSは、拡張・構成変更・ハードウェアリプレースを繰り返しながら10年近くにわたって運用されてきた。しかし構築から時間が経過するにつれ、可用性や耐障害性を維持するのに必要な運用管理の手間やコストがかさむようになるとともに、従業員がテレワーク環境から利用する際に利便性が損なわれるといった課題が浮き彫りになってきた。

 「当社ではメールやコミュニケーションツール、ストレージのクラウド化を進めており、すでにMicrosoft 365のサービスを導入・運用しています。これらは外出先や在宅テレワークでも利用可能ですが、オンプレミスのGlobal DMSにアクセスする場合には社内ネットワークへわざわざVPN(仮想プライベートネットワーク)接続しなければなりませんでした」と話すのは、同社の情報システム本部 ITガバナンス&サービスマネージメントチームでITマネジメントやワークスタイル変革を推進する澤田 和睦氏だ。

 例えば、外出先で受信したメールの本文にあるGlobal DMSのドキュメントリンクをクリックしても、VPN接続をしていなければエラーが発生して表示できない。これでは、ビジネス上の迅速な意思決定の遅れに繋がる可能性がある。

 「ビジネススピードを止めない、移動中などでもタイムリーな意思決定を行う、さらに『時間と場所を選ばない多様な働き方を実現する』という全社の目標をサポートするためにも、早急に解決したいと考えていました」(澤田氏)

解決策と効果

限られた時間の中でクラウド移行に挑戦
社員の多様な働き方、ワークスタイル変革を
通じた生産性向上に貢献

 こうしたGlobal DMSの課題に対してSantenでは、ハードウェアの保守切れを機にオンプレミスからクラウドへ移行することを決断する。

 「Global DMSには重要なドキュメントが蓄積されており、安定的な業務継続という観点ではハードウェアの刷新による再構築が有力でした。

 しかし、Global DMSをこれまでリリースしたMicrosoft 365ソリューション群と連携させ、オンライン上でコラボレーションできるDigital Workplaceの実現を推進すべきだと考え、クラウド環境への移行にチャレンジすることを決断しました」(澤田氏)

 そして、移行作業を支援するソリューションベンダーとして選ばれたのが、オンプレミスのSharePoint Serverの構築を担当し、保守サポートも委託されていたSCSKグループのWinテクノロジである。

 Winテクノロジは「移行計画」「全体移行」「運用構築」の3つのフェーズに分けて取り組むことを提案した。移行計画フェーズでは移行対象ファイルの種類や数を正確に把握、分類し、移行手順を最適化する計画を行い、全体移行フェーズでは計画に基づくデータ移行を実施、運用構築フェーズでは移行後のGlobal DMSを安定して運用する手順の設計・構築を行うというものだった。Santenはこの提案を受け入れ、パイロット移行を含めた移行計画フェーズに着手し、3カ月を経て全体移行と運用構築フェーズを同時並行でスタートさせた。

 移行に際して最も気を配ったのは、「システム切り替え時の停止時間を極力短くする」ということだった。

 「全体移行フェーズ中も、旧Global DMSは利用されています。SharePoint Onlineへのドキュメントコピーは社内ネットワークに負荷をかけるため、一度にコピーするドキュメント数や時間帯といったスケジュールを綿密に計画しました。また、移行後に旧Global DMSで更新されたドキュメントを定期的に差分移行することでシステム切り替え時の停止時間を最小化することができました」(澤田氏)

 こうしてスムーズに移行が進む中、新たな問題が発生した。

 ドキュメント内部に記載されたURLについて、当初はドキュメントを管理するユーザー自身が新しいGlobal DMSのURLに書き換えを行う予定であった。しかし対象となるドキュメント数が多く、ユーザー側での実施が困難となったのだ。

 ここで、Winテクノロジの技術力が発揮された。

 「Winテクノロジは、約200万ファイルのドキュメントに対し、書き換え可能なファイルのURLを自動的に更新するプログラムをわずか1カ月で提供してくれました。おかげで、ユーザーが手作業でURLを書き換える作業が不要になりました」(澤田氏)

 新しいGlobal DMSを使い始めて間もないが、澤田氏はすでに多くの導入効果を実感している。

 「社員が外出先や自宅でもVPN接続操作を行うことなくGlobal DMSへアクセスできるようになりました。

 社用スマートフォンでもドキュメントを利用できるようになり、時間と場所を選ばないビジネス遂行に貢献できていると思います。文書管理システムとして格納できる容量も増え、PC内に保存されていたドキュメントのGlobal DMSへの移行が進み、グローバルユーザーの情報検索・活用にもつながっていると思います。

 また、情報システム部門の立場としても、クラウド化によってシステム維持運用・障害対応にかかるコストや業務負荷が大幅に削減されました。マイクロソフトの堅牢なクラウドにあることで、セキュリティ面も向上したと考えています」(澤田氏)

 さらに、Santen全体としても、「Digital Workplaceを活用したワークスタイル変革」に寄与している。

今後の展望

将来における柔軟な拡張性も確保
データ分析・活用についても
Winテクノロジの技術力に期待

 Santenの業務に不可欠な情報管理・共有インフラであったGlobal DMSは、クラウドサービスであるSharePoint Onlineに完全移行されトラブルなく安定稼働を続け、全社の業務を支えている。今後、Global DMSに格納するドキュメントは増えていくことも予想されるが、オンプレミスのときとは違ってストレージ容量を心配することもない。こうした将来における柔軟な拡張性があることも、SharePoint Onlineへ移行した大きなメリットとなっている。

 「オンプレミスからクラウドへの移行がスムーズに完了したのは、Winテクノロジが蓄積してきたクラウド移行サービスの実績と技術力によるものだと感心しています。当社では今後、Microsoft 365の利用の幅をさらに広げ、例えばデータ分析・活用プラットフォームの構築も考えています。そのような他の領域についても、相談にのってもらいたいと考えています」(澤田氏)

Winテクノロジ担当者の声

 Santen様の業務に不可欠な文書管理システムの移行ということで、ユーザー様への業務影響がないようにすることを一番に考えて対応しました。自社で開発した移行ツールを利用したことで、追加要望があった際にも柔軟に対応できたことが本プロジェクトのポイントだと考えています。

 今回のSharePoint Onlineへの移行が、業務効率化につながっているとお伺いし一安心しています。今後も弊社の技術力を最大限に生かし、ワークスタイル改革の実現に貢献していきたいと考えています。

Winテクノロジ株式会社
システム事業本部
西日本事業部 第二課 主任

西原 聖人

※ Winテクノロジ株式会社は、2021年10月1日を効力発生日として、株式会社Minoriソリューションズおよび 株式会社CSIソリューションズと
合併し、SCSK Minoriソリューションズ株式会社に商号変更


お客様プロフィール

参天製薬株式会社

所在地:大阪府大阪市北区大深町4-20
U R L:
https://www.santen.co.jp/ja/

創業130年という長い歴史を誇る、医療機関・一般消費者向け眼科薬、点眼薬など眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニー。国内の医療用眼科薬市場でトップシェアをもち、海外でも中国・アジア・欧州・北米を中心に約60カ国で眼科薬の開発・製造・販売事業を展開している。2020年7月には2030年とその先に向けたグループの目指す姿を示す新長期ビジョン「Santen 2030」を発表。

2020年11月