“攻め”の保守運用で、SAPを深く、賢く使いこなす
IT活用全般で相談できるパートナーとしても期待
AMOサービス
“守りの保守”ではなく、ERPをより使いこなし、業務改善のアドバイスをしてくれる
“攻めの保守”に着手できたことは大きなプラスです。
ITソリューション部 部長
山本 敬博 氏
1908年の創業以来、主として服飾関連資材を提供してきたモリトは、現在、自動車・鉄道などの内装品、ホームセンターなどで販売する生活関連資材、ECOに特化したアパレル資材など幅広い商品を提供し、ビジネス領域を拡大させている。2019年にはホールディングス体制へ移行し、グループ経営を行うモリト株式会社と、事業推進を行うモリトジャパン株式会社に組織を分け、新たなスタートをきった。
ビジネス領域の拡大、ホールディングス体制への移行という流れのなかで、経営の管理レベルを強化してグループ全体の価値を高めようと取り組んだのが、基幹業務を担うERPをより使いこなすということだった。
「当社では2014年からERPとしてSAPを導入しましたが、まだ十分にSAPを活かしきれていませんでした。そこで、さまざまな業務管理・業績管理などの面でもSAPの活用を進めていこうと考えたのです」と話すのは、ITソリューション部 部長の山本 敬博 氏だ。
より深くSAPを活用するには、SAPを熟知し、どう活用すべきかをアドバイスしてくれるパートナーが必要になる。そこでモリトでは、日々の保守運用業務に加えSAP活用のアドバイスを行ってくれるパートナー選定に乗り出した。
「当社が求めていたのは、通常の保守運用業務はもちろんのこと、より深く、より賢くSAPを使いこなすための知見でした。保守というと“守り”のイメージがありますが、そうではなく“攻めの保守”を望んでいたのです。また、DXが叫ばれる中で、ERP領域だけでなく、さまざまなIT活用に関してトータルに相談できるパートナーを求めていました」(山本氏)
数社からの提案を受け、そのなかで選ばれたのが、SCSKの「AMO(Application Management Outsourcing)サービス」だった。パートナー選定にあたってモリトでは、各社に対して自社のSAP活用において感じている課題・問題点を伝えていたが、それらに対して知見に基づいた具体的な回答をしたことが、SCSKが選ばれる大きな決め手となった。
SCSKのAMOサービスは、SAPをはじめとする複数のアプリケーションの保守運用サービスを行っている。AMOサービス全体ではこれまでに約200件の保守運用実績を有し、SAPの認定技術者は500名以上在籍している。また、モリトの状態に合わせた柔軟な料金体系であることも特徴であり、必要になったときに、必要なアドバイスや開発支援を受けられるため、無駄がなく保守運用コストの削減にもつながる。
SCSKによる本格的な保守運用は2020年7月から行われたが、それに先立って2020年1月からの6月までの間は引き継ぎ作業が行われた。引き継ぎにおいては、「引き継ぎ期間内で習得しておくべきこと」と「AMOサービスを実施しながら習得すればよいこと」の優先順位を定めた。これが奏功し、予定の半年間で引き継ぎ作業を完了することができた。
また、引継ぎと並行して第三者の目線で見たSCSKからの改善項目提案も行った。
「自分たちだけの考えでは視点が狭くなりがちですが、客観的な視点でのプロアクティブな提案をもらったと感じています。改善提案は約60項目にわたります。これらについては、『欲張らず、重要な点から取り組みましょう』と話をし、順次取り組んでいく予定です」(山本氏)
また、正確な進捗状況の共有があったことも評価が高い。「引継ぎ中に発生した課題に対しての進捗」「課題を解決する過程で出てくる追加作業に対する進捗」「引継ぎ中に発生した課題ではないが、やっておいた方がよいと思われる作業の進捗」ごとに一覧にし、進捗状況を数値化して管理した。数値での報告により、関わるスタッフのすべてが状況を把握できるとともに、進捗が危ういときには早急に手立てができるようになる。
もう1点、モリトが評価しているのが、資料のドキュメント化、仕様書の整備が行えたことだ。
「引き継ぎの段階で、ドキュメントや仕様書を整備しておきましょうという提案がありました。ドキュメントとして残すことで、“経験知”ではなく“形式知”になります。これは地味ではありますが、後につながる大変ありがたい対応でした」(山本氏)
ITソリューション部でERPをはじめ業務アプリケーションを担当する小林 利彰氏も、「何か質問をしても、それに対する回答が的確で、SAPに関する技術や知見が豊富だと感じました。その上、ドキュメントで残してくれるので大変心強いです。電話で問い合わせても、きちんとドキュメント化されるので安心です」と振り返る。
当初モリトから出されていた課題に対しても、どのように実現していくべきか検討しながら進められている。例えば、SAP標準のCO機能の活用といったことだ。
「まだ本格的な保守運用業務が始まって数カ月ですが、ドキュメント化やさまざまな相談に応じてもらえるなど保守品質が向上したと感じています。品質面を評価するとコストパフォーマンスにも満足しており、誠実で、堅実な仕事をするという印象を持っています」(山本氏)
今回のAMOサービス導入を振り返り山本氏は、「障害に対するトラブルバスター的な“守りの保守”ではなく、ERPをより使いこなし、業務改善のアドバイスをしてくれる“攻めの保守”に着手できたことは大きなプラスです」と話す。
また、山本氏は、業務をアウトソースすることについて、「保守運用業務を社内で行う企業もありますが、それは、過去の発想」と話す。変化が激しいITの世界で、企業内のIT部門がベンダーと同等の技術者を保有するには教育や技術の維持・向上に多くのコストが必要なだけでなく、場合によっては早いサイクルでの人員入替も必要になる。それに対し、専門家であるITベンダーは、複数の企業の案件を日々手掛けることで、切磋琢磨しながら技術を維持・向上させながらノウハウを蓄えているというのが山本氏の考えだ。
「社内のIT部門がやるべきことは、自社の強みを理解し、次にどういう方向を目指すのかという目標を定めること。技術と業務に知見がある外部のITベンダーに、第三者的な視点でアドバイスを受けながら、その目標に向かって進めていくのが早道だと考えています。実際、SCSKとのやり取りの中で、気づきを得たことも多い。社内のIT部門と外部パートナーが連携することで、大きなメリットが生まれるはずです」(山本氏)
こうしたことから山本氏は、今回のSAPの保守運用領域だけでなく、それ以外の領域でもSCSKに期待を寄せている。
「IT全般の相談ができる総合力がSCSKならではのメリットです。今後さらに経営とITとのつながりは緊密になっていきます。我々の課題について気軽に相談でき、情報提供してくれる存在になってもらえることを期待しています」(山本氏)
モリト様とのお付き合いが始まってから日増しに酷くなるコロナ禍ではありましたが、SCSKの経営理念である「夢ある未来を共に創る」を意識していただけているかのようにコミュニケーション連携を密に取らせていただき、互いの状況や背景、思いや期待を本音で対話させていただけました。その思いや期待に応えられるよう、SAP保守支援だけでなくERP領域以外を他部署およびグループ会社と連携しご提案や製品紹介をさせていただいています。モリト様がパートナーとして期待するALL SCSKを遺憾なく発揮し「SCSKを選んで良かった」と感じていただけるAMOサービスを目指していきます。
山本 一博
所在地:大阪府大阪市中央区南本町4-2-4
U R L:
http://www.morito.co.jp/hd/
1908年に森藤商店として創業。主力製品であるハトメ・ホック・マジックテープ®などの服飾資材のほか、自動車、鉄道などの内装品、ホームセンターなどで販売する生活関連資材全般を提供する企業として事業を拡大しています。2019年にはグループ経営を行うモリト株式会社、事業を推進するモリトジャパン株式会社に分割して組織を再編。グループ全体の企業価値の最大化を図るべく、新たなモリトグループとしてスタートしました。
2020年11月