有用性が明らかなのに、なかなか進まないEDI化。数十、数百とある取引先がそれぞれ異なるフォーマットを採用していて、データのやり取りが簡単にできないのがその原因のひとつです。異なるシステム間のフォーマット変換などでは、個別プログラムや専用ツールで対応はできます。しかし、取引先が増えれば増えるほどフォーマット変換を個別に対応する負担は大きくなり、EDI化がなかなか進まない状況となっています。
取引先に、自社のシステムに合った形式でデータを出してもらうという解決方法もあります。しかし、それでは相手にデータ変換の負担を強いることになり、EDI化に応じてくれない取引先もでてきます。EDI化を進めるなら、取引先の負担も最低限にする必要があるのです。
CIIやUN/EDIFACT,ANSI X.12など国内外のEDI標準をはじめ、固定長や可変長,XML,CSVなど様々な種類の形式のデータを取り扱うことができます。
COBOLソースやSAP IDoc構造体,XML DTD,XML Schema(スキーマ),XMLデータなどを読み込み、入力または出力側フォーマットの定義を自動生成することができます。CIIや UN/EDIFACTをベースとした業界標準のメッセージについては、インポート可能な基本定義が添付されます。
- CII(JIS-X7012:EIAJ,JPCA,HWSW,JTRNなど)
- UN/EDIFACT(JEDICOS,JAMA-JAPIAなど各種サブセット含む)
- ANSI X.12
- XML(流通BMS,JEITA/ECALGA,cXML,RossetNet,CEDIなど)
- SAP IDoc
- CIF(ACSN)
- CSV, TSV
- 固定長形式(JD-NET,E-VAN,プラネットなど)
- その他、可変長形式
※流通BMS:流通ビジネス・メッセージ標準
メインフレームやオフコンからUNIXやWindowsベースのシステムに置き換えを進めたり、基幹システムを連携させる時など、フォーマットの変換はできても、もうひとつ重要な、そしてやっかいな文字コードの問題があります。特に、メインフレームからのデータ移行やデータ連携においては、メーカー毎に独自の文字コードを使用しているために、かならず漢字変換という難題に直面します。フォーマットをあわせただけでは、データを共用することはできません。
外字が利用されている場合や同一フィールドに半角全角が混在するデータなどは、あるアプリケーションでは正しく認識されても一方では扱えないなど、非常に扱いにくいものです。アプリケーション連携や統合においては、このような外字や半角全角混在の文字を統一するなどのデータ・クレンジングも必要になってきます。
国内で広く利用されている文字コードに対応しており、外字も含めデータ変換やフォーマット変換の過程で漢字コードも含め文字コード変換を行うことができます。また、文字コード変換は、コマンドや関数呼び出しにより単体での利用も可能です。
ASCII | 8 bit JIS + Shift JIS漢字 |
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EBCDIC | EBCDIC + IBM漢字 + エスケープ文字 |
SJIS漢字 | 8 bit JIS + Shift JIS漢字 |
JIS漢字 | 7 bit JIS + JIS X0208 |
EUC漢字 | 7 Bit JIS + EUC漢字 + EUC半角仮名 |
IBM漢字 | EBCDIC + IBM漢字 + エスケープ文字 |
JEF漢字 | EBCDIC + EUC漢字 + エスケープ文字 | KEIS漢字 | EBCDIC + EUC漢字 + エスケープ文字 |
NEC漢字 | EBCDIC + JIPSE漢字 + エスケープ文字 |
UNISYS漢字 | 8 ビットJIS + EUC 漢字コード + エスケープ文字 |
ASCII+IBM漢字 | 8 bit JIS + IBM漢字 + エスケープ文字 |
EBCDIC+JIS漢字 | EBCDIC + JIS X0208 + エスケープ文字 |
UTF-8 | UNICODE(UCS-2)日本語1~3バイト表現 |
UTF-16(BE) | UNICODE(UCS-2)big-endian |
UTF-16(LE) | UNICODE(UCS-2)little-endian |
Shift_JIS-2004 | JIS X 0201+JIS X 0213:2004 |
ISO-2022-JP-2004 | ISO/IEC 646 国際基準版+JIS X 0213:2004+エスケープ文字 |
EUC-JIS-2004 | ISO/IEC 646 国際基準版+JIS X 0213:2004 |
入出力先にデータ・ベース(DB)を指定することができ、DBの任意のテーブル/ビューからデータを取得することや任意のテーブル/ビューに対してデータを追加・更新することができます。また、テーブル情報を取得し入力または出力側のデータ構造を自動生成します。
これにより、取引先から受け取ったUN/EDIFACTのEDIデータを直接DBに出力したり、DBから抽出したデータを固定長形式でアプリケーションにつなぐことが可能になります。
(1)N対Mレコードの変換
XMLやUN/EDIFACTなどの複雑な階層構造を持つフォーマットから単純なCSVフォーマットへの変換など、1対NやN対1,N対Mレコードでの変換が可能
(2)項目属性と項目編集
様々な項目属性(混在文字列/漢字文字列/文字整数/パック仮想小数点/符号なしパック/BCD整数/仮想実数/実数/ゾーン整数/ゾーン仮想実数/バイナリ/日付(和暦含む)/時刻/識別子)に対応し、属性変換や項目編集(文字列の結合や分解、数値属性の四則演算や丸め処理),比較などが容易に行える
(3)標準関数とユーザ定義関数
文字列操作や数値操作、日付操作などを行う標準関数を多数用意し、ユーザ独自の関数(UserExit)を組み込むことも可能
(4)条件判断
入力項目の内容や関数の結果などの条件によって出力項目の設定内容やレコードの出力、入力レコードの読み飛ばしなどをコントロールすることが可能
(5)インクリメント・カウンタと統計カウンタ
指定の範囲内でのシーケンス番号の採番やユニーク番号の取得が行える 入出力のレコード件数や特定項目列の合計値/平均値/最大値/最小値などを求めるカウンタ機能をサポート
(6)変換テーブル定義とデータ・ベース検索定義
定義内に変換テーブルやデータ・ベース検索(DBルックアップ)定義を登録でき、フォーマット変換の過程で取引先コードや商品コードなどを自社内のコードに変換することが可能
(7)エラー制御
桁あふれや属性変換エラーなどについては変換処理の停止/継続の指定が行え、出力項目にディフォルト値を設定することで 識別できないデータをスキップ・ファイルに掃き出すことも可能