ブロックストレージが企業に求められる4つの理由

ブロックストレージは他の方式のストレージと比べて何が優れているのでしょうか。ブロックストレージは、情報をブロックと呼ばれる固定サイズの単位に分割したデータに一意の識別子を割り当て、それぞれに固有のアドレスを持たせて独立した状態で保存・アクセスすることで、柔軟なデータ管理を可能にするブロックアクセスに対応したストレージです。データベースやクラウド上の仮想マシン(VM)・コンテナのようなパフォーマンス重視のアプリケーションに最適で、高速かつ低遅延でのデータアクセスを可能にします。

ストレージのデータアクセス方式にはその他にも、オブジェクトストレージやファイルストレージという方式もあります。オブジェクトストレージではデータは一意の識別子を持つオブジェクトに保存されるため、画像やバックアップのような大量の非構造化データの保存に適していますが、ブロックストレージではデータは固定ブロックに格納されて直接アクセスできるため、データベースやVMのようなパフォーマンス集約型のタスクに適しています。また、ファイルストレージではデータはディレクトリとファイル名による階層構造で構成されるので、ファイルサーバーのような共有環境を構成できます。一方でブロックストレージはファイルシステムのオーバーヘッドなしにブロックに直接アクセスできるため、ファイルストレージよりもパフォーマンスの向上が期待できます。

ブロックストレージが企業に求められる理由は特に次の4点が挙げられるでしょう。

第1はパフォーマンス。
データへのアクセスが高速かつ低遅延であるため、高いIOPS(1秒あたりの入出力操作数)を必要とするアプリケーションに適しています。

第2に拡張性。
データニーズの拡大に応じてブロックを追加するだけで簡単に拡張できる点が特に重要となります。

第3は高速性。
データはブロック単位で管理するため自由に構成でき、大量のデータでも高速にアクセスできるのが強みです。

第4は柔軟性。
ブロックを複数のシステムに分散して運用できるほか、異なるオペレーティングシステムで動作するように構成したり、必要に応じてボリュームを追加してストレージ容量を増やしたりすることができる特徴を持っています。

NetAppがブロックストレージ市場に波瀾を起こした
オールフラッシュSANアレイ投入

ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージのどれを選択するかは、どのようなニーズでクラウドストレージ活用するかによるため慎重な評価が重要となりますが、高パフォーマンス、低遅延、拡張性を必要とするアプリケーションには、ブロックストレージの適性が高い と考えられます。NetAppはNASやSAN、オブジェクトストレージまで網羅したユニファイドストレージの先駆者として知られていますが、近年は特にブロックストレージに注力しています。可用性の向上、データ保護、オンプレミス環境とクラウド環境のシームレスな統合、マルチクラウド環境でのデータ管理戦略を支援しながら、あらゆる規模の企業に対して柔軟で堅牢なブロックストレージソリューションをご用意しています。

NetAppのブロックストレージソリューションには、以下のような特長があります。

  1. 高可用性 RAID構成と冗長性によりシームレスなデータアクセスを実現します。
  2. コスト最適化 ストレージリソースを効率的に活用しクラウドでのコスト削減に寄与します。
  3. データ保護 データの保存先がオンプレミスかクラウドかを問わずエンタープライズレベルのセキュリティ機能でデータを保護します。

NetAppは2023年にオールフラッシュSANアレイ(ASA)の新製品を発表し、業界では大きな話題となりました。
NetApp ASAは非常に高性能・高可用なブロックストレージです。その中でも、とりわけ「NetApp ASA Cシリーズファミリ」は、NAND型メモリのQLC(クアッド・レベル・セル)フラッシュと「AFF Cシリーズ」からファイルアクセスのためのプロトコル対応を廃し、ブロックアクセスのみの対応とすることで、業界最高水準のパフォーマンスとコスト最適化のバランスを実現。エンタープライズグレードのブロックストレージを従来よりも手頃な価格で提供し、高い可用性と効率性を保証することでことでさらに持続可能なものにしました。

一方で、「NetApp ASA Aシリーズファミリ」は、TLC(トリプル・レベル・セル)フラッシュを採用し、ハイパフォーマンスなデータアクセスが特徴です。Cシリーズファミリと比較してもより一層の拡張性、データ可用性、効率性、ハイブリッドクラウドへの高い接続性とともに、コスト最適化と持続可能性も実現。最新のSANインフラストラクチャの導入を簡素化して、ビジネスクリティカルなアプリケーションとデータベースに対する高い可用性、優れたパフォーマンスを提供します。小規模ワークロード・容量向けのA150/A20から大規模かつ高パフォーマンスが求められるワークロード向けのA900/A1Kまで、幅広いラインナップで提供されています。

SAN向けにチューニングされたNetApp ONTAPはさらに可用性を向上

NetApp ASAシリーズはSAN専用ブロックストレージですが、NetAppユーザが使い慣れたストレージOSである「NetApp ONTAP」はもちろん活用できます。更に、ASAシリーズはSANワークロード向けにチューニングされ、より可用性を向上させるようなパス管理機能も搭載するなど、機能や運用性がさらに向上しています。

加えて、 シックスナイン(99.9999%)データ可用性保証、4:1ストレージ効率化保証、NVMe/FC、NVMe/TCP、FC、iSCSIプロトコル対応、オンプレミス・クラウド連携、ランサムウェアリカバリ保証、コントローラ交換対応(ストレージライフサイクル対応)など、他社ストレージにはないプログラムの豊富さも強味となっています。

本格的なデータとインテリジェンスの時代を迎え、ビジネスの最前線では組織が絶え間なく なく高度なワークロードを実行しており、それを長期的に持続可能な予算で実現する必要に迫られています。SCSKはNetApp ASAシリーズによって、ブロックストレージのワークロードに対する革新的にシンプルな操作性と優れたパフォーマンス、手頃なTCO(総所有コスト)を提供し、お客様の未来を見据えたデータ戦略を強力にご支援して参ります。NetAppのブロックストレージ製品に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。