はじめに
みなさん、こんにちは!
SCSKのDell Technologies™担当プリセールスSEチームです。
前回のブログではDell AI Factoryをご紹介しましたが、今回は実際にAIを活用するべく、Allganize Japan株式会社(以下、Allganize社)が提供する「Alli LLM App Market」を使用して、AIアプリの作成に挑戦しました。
普段AIやLLMを触らない人でもAIアプリ作成が可能なのか!?検証結果をご紹介します。
目次
1.Allganize社紹介
会社名: Allganize Japan株式会社
設立:2019年1月
事業概要
- 生成AI、LLMソリューションの提供
- 自然言語理解AIソリューションの提供
- AI導入コンサルティング
主な製品/サービスには以下があります。(2025.9.16現在)
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Alli LLM App Market:100種以上のノーコード生成AI・LLMアプリプラットフォーム
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lli Agent:4種(BI、RAG、Sales、Legal)のAIエージェント、社内のコンテンツおよびWEBを対象としたDeep Research、ユーザーの質問の意図を理解して複数ツールを使いこなすAlli Works Agent、ノーコードエージェントビルダー
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生成AI・LLMコンサルティングプログラム:6種(導入加速/精度向上/リリース支援/運用支援/運用伴走/アプリ作成)のコンサルティングプランを提供
今回のブログでは、Alli LLM App Marketを中心にご紹介・検証していきます。
Alli LLM App Marketの提供形態は主に以下となります。
Alli LLM app Market (お客様ドキュメント保存先) |
接続先LLM | 概要 | |
① | ・Allganize社環境(SaaS) | ・Allganize社契約LLMor お客様契約LLM | Allganize社環境をご利用いただく標準的なサービス形態(SaaS) |
② | ・お客様プライベートクラウド環境 | ・お客様契約LLM※ |
お客様プライベートクラウド接続(Azure等)にサービスをパッケージで納品する形態 |
③-1 | ・お客様ローカル環境 | ・お客様契約LLM※ | お客様ローカル環境にサービスをパッケージで納品する形態 |
③-2 | ・お客様ローカル環境 | ・Allganizeローカル環境内専用LLM | お客様ローカル環境にサービスのパッケージ及び専用LLMを納品する形態。完全オフライン型 |
※Allganize社契約LLMに接続することも可能
一般的に、表内の上段に位置する環境ほどコストが抑えられ、一方で下段に位置する環境ほどセキュリティ強度が増します。
③-2以外の構成では、使用するLLMとインターネットを介したAPI接続が必要となり、③-2の構成では、完全にインターネットに接続しないオフライン型の構成となります。
Alli LLM App Market製品詳細はこちら
2.AI・LLMアプリケーションプラットフォーム「Alli LMM App Market」を使ってみた
では、実際にAlli LLM App Marketを使用してどのようなAI開発ができるのか、今回はAllganize社環境(SaaS)で検証しました。
まず、Alli LLM App Marketにログインしプロジェクトを選択すると、LLMアプリ一覧を確認できます。
アプリの数は100以上と多岐にわたっていますが、職種・業務別にカテゴライズされているため、実行したいアプリを探すのが非常に容易だと感じました。
Alli LLM App Marketのアプリは以下の2種類に分けられます。
・Single action(緑色のアプリ):入力した情報に対して特定のタスクを実行する、一問一答形式のアプリ
・Conversation(黄色のアプリ):複数の処理や条件分岐が可能な会話形式のアプリ
アプリマーケットにあるアプリにはすべてプロンプトが設定してあり、そのまま利用することも、カスタマイズして利用することも可能です。
実行したいアプリをクリックすると、「アプリをテストする」オプションが表示され、どのようなアプリか動作確認もできます。これにより、実現したいことと一致しているかを事前に確認できます。
今回、Single actionとConversationそれぞれの種類のアプリを作成してみました。
・Single action – ドキュメントの要約(RAGなし)
アプリ作成:
アプリマーケットからアプリを選択し、「アプリ管理に追加」をすると、自動的にプロンプトがドラフトに入ります。プロンプト内容を確認し、「公開」を押すと、他のユーザが使用できるようになり、一瞬でアプリの完成です!この際、必要に応じてプロンプトをカスタマイズしたり、ユーザアクセスを制限することも可能です。
アプリ管理画面のイメージ
テンプレートを使用せずに1からアプリを作成したい場合は、アプリ管理画面右上の「新しいアプリを作成」を選択すると作成できます。
プロンプト画面イメージ
テスト:
では、実際に操作端末上のPDFファイルをアップロードし、要約させてみます。
使用したファイルは以下の弊社プレスリリースです。
https://www.scsk.jp/news/2024/pdf/20241216.pdf
結果:
問題なく要約できました!
さらに、要約文の最下部には、回答の編集、コピー、ダウンロードの選択肢がありました。
ダウンロードでは、テキスト/PDF/Wordから選択できる仕様となっていました。
・Conversation – Works Agent(RAGあり)
アプリ作成:
今回使用するアプリテンプレート「Works Agent」はWeb検索や翻訳を行うことができる、会話型アプリです。
アプリ管理に追加する手順は、Single actionと同一です。
今回は、自社データでRAGを利用するケースを想定するため、Single actionの例と同じPDFファイルを、予めAlli LLM App Market上のドキュメントへアップロードしています。
ドキュメント画面
デフォルトのプロンプトでは、回答生成のソースはウェブ情報に設定されています。
そこで、デフォルトのプロンプトに回答生成のステップを追加し、社内情報(ファイル)を最初に参照し、情報がない場合はWeb情報を参照するように変更して、アプリを公開しました。
テスト:
プロンプト編集後、プレスリリースに関連する質問を投げかけてみます。
その結果、実際に参照したドキュメントのページとともに回答が表示されました。
参照したポイントがハイライト表示され、ソースを確認しやすくなっています。
次に、プレスリリースに記載がない事項を質問した結果、想定通りWeb情報から回答を生成しました。
RAG機能を使用してみて、回答生成プロセスからソースが外部情報か内部ドキュメント情報かを確認できる点や、ソースが自動でハイライト表示される点において、出力結果の透明性が高いと感じました。
3.新機能!ノーコードAIエージェント作成機能「Agent Builder」を使ってみた
では次に、2025年5月に提供開始された新機能「Agent Builder」についてご紹介します。Agent Builderとは、ノーコードでAIエージェントを作成することができる機能です。Alli LLM App Marketのアプリや外部サービス(SharePoint、Googleドライブ、Teamsなど)をツールとして選択することで連携し、AIエージェントをカスタマイズして作成することができます。
注意点として、2025年7月25日現在で利用できるAlli LLMアプリは、Single actionタイプのみでConversationアプリには対応していません。また、外部ツールとの連携の際にはAPIキーや、アクセスキーが必要になる場合があるため、その場合は別途準備が必要となります。
Agent Builder画面イメージ
Agent Builderで作成・公開したエージェントは、前章で紹介した方法でAlli LLM App Market内のConversationアプリに組み込んで利用することができます。
Agent Builder機能の詳細はこちら
おわりに
以上、今回はAllganize社Alli LLM App Marketの検証内容をご紹介させていただきました。
Alli LLM App Marketでは、その直感的な操作性に加え、動画コンテンツ・プロンプト作成のポイントなどを含むユーザーガイド(https://docs.allganize.ai/alli_for_llm)が用意されていました。
これにより、AIやLLMに不慣れな人でも短期間かつ容易にアプリケーションの実装が可能であることを、検証を通して実感することができました。
今後は、今回ご紹介したAlli LLM App Marketに加え、Dell PowerEdge™サーバや弊社サービスを含んだパッケージ販売も予定しています!
次回以降のブログにもご期待ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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