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2025-08-122025-08-12

【SCSK技術者によるブログ】 OpenShift Migration Toolkit for Virtualization: 今直ぐ着手できるV2V検証!

内容:

こんにちは!技術担当の岩﨑です。

昨今の情勢より、vSphereの代替となるサーバ仮想化ソリューションの需要が高まっています。弊社にも、候補のひとつとしてRed hat Openshift Virtualization(以降OCP-Virt)をご検討されるお客様より、PoCの引き合いが多く寄せられています。そして検証項目の中に必ず入ってくるのがvSphereからOCP-Virtへの仮想マシン移行、つまりV2Vです。Red hat社はOpenshift Migration Toolkit for Virtualization(以降MTV)と呼ばれるV2VソフトウェアをOCP-Virtの標準ライセンスで提供していて、実はこれがかなり良い出来なのです。本ブログ記事では、vSphereからのV2Vを前提に、MTVの導入手順を解説していきます。

OCP-VirtMTVの概要】

OCP-VirtKubevirtと呼ばれる、Linux KVMの仮想マシンをKubernetesのリソースとして管理するためのOSSをベースに、Red Hat社がOpenshift用にカスタマイズ、Operator化した製品です。

MTVOCP-Virtのアドオン的なOperatorで、主要なサーバ仮想化プラットフォームからOCP-VirtへのV2Vを支援します。数百台規模のVMを、数クリックまたはCLIコマンドで計画的かつ自動的に移行する機能を提供します。

OCP-VirtMTVOpenshift上に構成されるソリューションですが、仮想マシン限定でコンテナを運用しないユーザー向けに、Red Hat OpenShift Virtualization Engineエディションが提供されています。

MTVの重要コンポーネント】

MTVは複数のソフトウェアから構成される製品ですが、特に重要なコンポーネントについて説明します。

 

Containerized Data Importer (CDI) KubeVirtのサブプロジェクトとして開発されているツールで、外部ソースからKubernetesの永続ボリューム(PVC)へVMイメージなどのデータをインポートする役割を担います。

 

virt-v2vlibguestfs プロジェクトのサブプロジェクトとして開発されているツールで、VMwareHyper-Vといった外部のハイパーバイザー環境で稼働するVMを、KVMベースの環境で動作するように変換する役割を担います。単にディスクイメージのフォーマットを変換するだけでなく、仮想化ドライバのインストール、ブートローダーの再設定、NICの再構成なども行います。virt-v2vにより変換されたディスクイメージは、CDIによりPVCへインポートされます。

 

VMware Virtual Disk Deployment KitVDDK):VMwareが提供するプロプライエタリなSDKで、vSphere環境上の仮想ディスク(VMDK)に対して、効率的かつ高速にアクセスするためのAPIを提供します。virt-v2vVDDKに対応しており、vSphereからディスクイメージの高速転送を実現します。また、MTVのウォームマイグレーション機能はVDDKChange Block TrackingCBT)を活用しています。

MTV v2.9のサポート状況】

MTVの最新版であるv2.920257月現在)の互換性について記載します。

移行元プラットフォーム

vSphere 6.5~

Red hat Virtualization 4.4SP1~

OpenStack 16.1~

OVA
確認済みゲストOS

RHEL8,9,10

Windows10,11

Windows Server 2012R2

RHELについては、OCP-Virtへの移行・検証がテストされています。Microsoft Windowsについては、OCP-Virtへの移行の成功と起動が確認されています。その他のゲストOSのサポート状況や検証依頼については、弊社営業窓口までご相談ください。

MTVの導入手順】

前提条件:

OpenShiftバージョン 

 4.18.5

Operatorバージョン 

 OpenShift Virtualization 4.18.8
Migration Toolkit for Virtualization Operator 2.9
構成済みの機能  OCP-Virt
内部レジストリ(clusteroperator/image-registry)
移行元プラットフォーム  vSphere 8.0.3
使用するVDDKバージョン:8.0.3 for Linux
*VDDKのリリースノートを参照し、vSphereバージョンにマッチした最新バージョンを選択します
ネットワーク  OpenshiftクラスタのMachine Network(kubeletが使用するネットワーク)と、VCSA、およびESXiのvmkernelインターフェイスのネットワーク間がルーティング可能
*移行専用ネットワークを構成することも可能です
作業環境  coコマンドでOpenshiftクラスタにログインできること
podman build、またはdocker buildできること
1.      OpenshiftクラスタにMTV Operatorをインストールする

Webコンソール > Operators OperatorHubを選択し、検索ボックスに “mtv” と入力します。

チャネルは” release-v2.9”、バージョンは最新版を選択し、[Install]をクリックします。

その他のインストールパラメータは全てデフォルト値のまま、[Install]をクリックします。

Operatorのインストール完了後、[Create ForkliftController]ボタンをクリックします。

デフォルト設定のまま Create をクリックします。

apiVersion: forklift.konveyor.io/v1beta1
kind: ForkliftController
metadata:
  name: forklift-controller
  namespace: openshift-mtv
spec:
  feature_ui_plugin: 'true'
  feature_validation: 'true'
  feature_volume_populator: 'true'

ForkliftControllerリソースが作成されるので、Status”Running”に遷移するまで待機します。[Refresh web console]のポップアップが表示されたらクリックして、コンソールをリロードします。

Webコンソールの左メニューに”Migration for Virtualization”が追加されます。Overview Healthより、MTVの関連Podが全て起動していることを確認します。

2VDDKイメージをビルドし内部レジストリへ登録する

VDDK自体はライブラリなので、MTVが利用できるようにVDDKを組み込んだコンテナイメージをビルドし、内部レジストリに登録する必要があります。

BroadcomのサイトからVDDK 8.0 for Linuxの最新版をダウンロードします。

https://developer.broadcom.com/sdks/vmware-virtual-disk-development-kit-vddk/8.0

以降はLinux端末上の作業となります。

# Dockerfileを作成
$ cat > Dockerfile <<EOF
FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal
USER 1001

COPY vmware-vix-disklib-distrib /vmware-vix-disklib-distrib
RUN mkdir -p /opt
ENTRYPOINT ["cp", "-r", "/vmware-vix-disklib-distrib", "/opt"]
EOF

# ダウンロードしたVDDKのアーカイブを展開
$ tar zxf VMware-vix-disklib-8.0.3-23950268.x86_64.tar.gz
$ rm -f VMware-vix-disklib-8.0.3-23950268.x86_64.tar.gz

$ ls
Dockerfile  vmware-vix-disklib-distrib

# イメージレジストリのエンドポイントを取得
$ oc login https://api.<openshift-cluster>:6443
$ imgreg=$(oc -n openshift-image-registry get route default-route -o yaml | yq '.spec.host')

# VDDKイメージを登録するネームスペース
$ ns='openshift-mtv'
$ oc project $ns

# イメージをビルド
$ sudo podman build -t $imgreg/$ns/vddk:8.0.3 .
[...]
Successfully tagged default-route-openshift-image-registry.apps.ocp.nebula.internal/openshift-mtv/vddk:8.0.3  ※このタグをコピー
61118b7872630689d5bb45cc0beaaaee352308e5c7a6f04d1b3d3597e8f4358f

# イメージをレジストリにPush
$ sudo podman login -u <username> -p $(oc whoami -t) $imgreg
Login Succeeded!

$ sudo podman push default-route-openshift-image-registry.apps.ocp.nebula.internal/openshift-mtv/vddk:8.0.3  ※タグをペースト
[...]
Copying config 61118b7872 done   | 
Writing manifest to image destination

# Pushしたイメージのリファレンスを確認
# ※MTVに移行元vSphereを登録する際に以下のイメージリファレンスを使用します
$ oc get imagestreamtags
NAME         IMAGE REFERENCE         UPDATED
vddk:8.0.3   image-registry.openshift-image-registry.svc:5000/openshift-mtv/vddk@sha256:aa8ebfda714762ab48cb91144a1dc7c0032b610521e01cdd54593702e944ac92  
3 minutes ago

以降の手順は、移行元プラットフォームの登録、マイグレーションプランの作成、プランの実行となります。動画にて提供しておりますので、是非ご視聴ください!

 

https://next-up-tv.scsk.jp/user/tJC6rKpMUmbFPI5j8XrRJJ0dLZX2/video/8503e5cd-45d9-4c74-80c3-de258408a6cc

 

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[補足事項]
当映像は、SCSK映像配信プラットフォーム「NEXT-UP TV」よりお送りします。
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