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2025-08-132025-08-12

【SCSK技術者によるブログ】 PCAI(HPE Private Cloud AI)とは?次世代AIインフラの紹介

1.はじめに

こんにちは。私はHPE製品を担当している、入社2年目のプリセールスエンジニアです。日々、ITインフラの構築やAI基盤の導入支援を行っており、特に近年は生成AIや大規模言語モデル(LLM)の活用が急速に進む中で、AIに最適化されたインフラのニーズが高まっていることを肌で感じています。

本記事では、HPEが提供するAI特化型プライベートオンプレ基盤「PCAI(HPE Private Cloud AI)」のアーキテクチャについて、DX推進・情報システム・AI導入を担う皆さまに向けてわかりやすくご紹介します。

2.HPEとは?

**Hewlett Packard EnterpriseHPE**は、エンタープライズ向けのサーバ、ストレージ、ネットワークソリューションを提供するグローバル企業です。特に以下の分野に注力しています:

  • HPE GreenLake:オンプレミス環境にクラウドの柔軟性をもたらす「as-a-Service」型IT基盤
  • HPE Morpheus
    VM Essentials Software
    KVMMorpheusが組み合わさった仮想化ソリューションで、脱VMwareを実現
  • NVIDIA AI Computing by HPENVIDIAとの協業により、AI向けポートフォリオを展開

これらの技術を背景に、私たちは企業のAI活用を支える次世代インフラとして「PCAI」に注目しています。

3.PCAIとは?

PCAIHPE Private Cloud AI)は、企業が自社内で安全かつ効率的にAIを活用するためのAIターンキーソリューションです。ハードウェアとソフトウェアが統合されたこの基盤は、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境に対応し、データを社外に出すことなく、AIモデルの開発・学習・推論・運用を可能にします。

PCAIが解決する主な課題>

  •   AI基盤の構築・運用に伴う高コストと高度なスキルの要求

  • モデル開発から運用までのプロセスにおける断絶

  • クラウド依存による制約と、データ主権の確保が困難な状況

https://www.hpe.com/jp/ja/private-cloud-ai.html

PCAIのアーキテクチャ紹介

PCAIは、S/M/LDeveloper Systemの4サイズ(Tシャツサイズ)で提供され、用途に応じた最適な構成があらかじめ定義されています。すべてのコンポーネントは事前に組み立てられた状態で納品されるため、導入後すぐにAI活用を開始することができます!

プラットフォーム構成

ワーカーノード(AI処理):HPE ProLiant DL380a Gen11Intel

-        NVIDIA H100 NVL / L40S対応

-        NVLinkによるGPU間高速通信

-        4電源対応で電力供給不足をカバー

・ストレージ:HPE GreenLake for File with Object Storage

-        ファイル(NFS/SMB)とオブジェクト(S3互換API)を同一基盤で提供

-        高スループットでRAGやファインチューニングに最適

・ネットワークスイッチ:Nvidia 4600cMSN4700M)+Aruba 6300M

-        Aruba 6300MOOBM用に使用し、セキュアな運用を実現

-        最大400Gbps対応で高速なGPU間通信を実現

G1構成(ProLiant Gen11ベース)

サイズ 用途 GPU構成 ストレージ ネットワーク
Developer System 開発 2x H100NVL 32TB

200Gb NIC

Small 推論 4〜8x L40S 109TB 100Gb NIC
Midium 推論+RAG 8〜16x L40S 217TB 200Gb NIC
Large 推論+RAG+
ファインチューニング
16〜32x H100 NVL 670TB

400Gb NIC

PCAIは、用途に応じて適切な構成でお手元に届くため、届いたその日から本格的なAI活用を可能にします!

4.PCAIでできること(ソフトウェアと統合機能)

PCAIは、NVIDIA AI EnterpriseHPE AI Essentialsという2つの強力なソフトウェアスイートを統合し、AIの導入から運用までをトータルに支援します。

 NVIDIA AI Enterprise

NVIDIA AI Enterpriseは、エンタープライズ向けに最適化されたAIソフトウェアで、PCAIに標準搭載されています。これにより、AIの開発から運用までを加速・安定化し、商用利用に必要なサポートと信頼性を提供します。

構成要素と機能の一例

  • NGC:企業向けのサービス、ソフトウェア、管理ツールを提供するポータルサイト
  • NIMLLMAPI経由で即座に利用可能な推論マイクロサービス
  • Triton Inference Server:トレーニング済みの機械学習やディープラーニングモデルの推論を実行

HPE AI Essentials

HPE AI Essentialsは、HPEが提供するAI導入支援のためのソフトウェア・サービス群で、PCAIの導入と運用をよりスムーズに、より実用的にするための機能が含まれています。

構成要素と機能の一例

  • Apache AirflowETLMLワークフローの自動化・管理
  • Apache Superset:データの可視化とダッシュボード作成
  • KubeflowMLワークフローの構築・トレーニング・デプロイをKubernetes上で管理するためのプラットフォーム

 

このように、PCAIはハードウェアに加え、NVIDIA AI EnterpriseHPE AI Essentialsの多種多様なAIソフトウェア・サービス群を利用することで、AIの開発・実装・運用をトータルに支援するプラットフォームとなっています!

5.SCSKPCAI検証機について

SCSKは国内初、PCAIを導入いたしました!20257月より、当社の印西データセンター内に開設を予定している、AI共同検証センターの中核システムとして活用します。この検証センターは、企業のAI導入支援を目的としており、お客様のAI活用の伴走支援サービス、PoC環境の提供など、様々な取り組みを推進してまいります。SCSKの取り組みについては、以下の記事にもまとめられておりますので、ぜひご参照ください。

www.scsk.jp/news/2025/pdf/20250516i.pdf

6.おわりに

PCAIは、企業のAI活用を加速するための次世代インフラです。オンプレミスの機密性とクラウドの柔軟性を兼ね備え、企業が自身のデータを安全に、最大限に活用できる環境を提供します。生成AI、マルチモーダルAI、エッジAIなど、AIの進化が続く中、PCAIはそれらを支える基盤として選択されるでしょう。

PCAIに関するお問い合わせは、国内初導入したSCSKにご連絡ください!

次回のブログでは、実際にPCAIを触ってみた感想&体験をシェアしていきたいと思います。お楽しみにお待ちください!

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