医療現場に特化した「患者チャット」の活用により、
患者中心のコミュニケーションと働き方改革を推進

活用のポイント
- 電話対応の回数が減少し、集中して患者様と向き合う時間が増えた
- タイミングを気にせず、多忙な医師とも円滑にコミュニケーションが可能に
- 患者様への介入時間を維持した上で、残業時間17%削減を実現
背景・課題
働き方改革や患者サービスの向上を目指し、病院DXを推進

副院長
草深 裕光 氏
社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院様(以下、松波総合病院様)は、岐阜県の南部に位置し、民間病院としては県内最大規模の501床を有する地域中核病院です。同院では、2019年にイノベーション推進本部を立ち上げ、医療従事者の働き方改革や業務の効率化、患者サービスの向上などを目指して病院DXを積極的に推進しています。こうした取り組みを進める上で一つの契機となったのが新型コロナウイルスの流行だったと、同院の副院長 草深裕光氏は次のように語ります。
「2020年の新型コロナの流行以来、対面によるコミュニケーションがチャットやオンラインに少しずつ移行していきました。紙や電話による連絡、集合型の会議といった従来のコミュニケーションに比べて、チャットは複数人への一斉連絡や情報共有が簡便であるだけでなく、議論や相談といった情報交換も行えるため、コミュニケーションにかかる時間の削減につながるなどのメリットが見えてきました」
選定理由
iPhoneから利用できる、医療現場に特化したチャットツール
コロナ禍を機に、チャットの活用が急速に浸透していった松波総合病院様ですが、その一方で、従来のチャットツールに対していくつかの課題を感じていたといいます。
「2021年3月にPHSの代替としてiPhone 800台を全職員に一斉導入しましたが、これまで利用していたツールはiPhoneからアクセスできない、電子カルテネットワークで使用できないといった課題があり、他に良いツールはないかと検討していました」(草深氏)
そこで有力候補として挙がったのが、医療現場向けDXソリューション「Dr2GO」でした。
「Dr2GOはiPhoneに対応していることに加え、医療現場に特化した『患者チャット※』があり、電子カルテネットワーク上のすべてのデバイスからいつでも利用できる唯一のツールでした。また、通常のインターネット端末や私用デバイスから利用できないことから、患者情報の漏えいを防止できること、コスト面では初期投資、運用費用が安価であることが選定した理由です」と草深氏は導入の経緯を振り返ります。
※患者様単位のチャットルームでコミュニケーションを行うことができるチャット機能
導入効果 ①
電話対応の回数が減少し、集中して患者様と向き合う時間が増えた

医師
傍島 卓也 氏
2023年4月に導入されたDr2GOは、医師を中心に幅広い業務シーンで活用が進んでいます。医師の傍島卓也氏は、外来の合間などの隙間時間にDr2GOを活用しています。
「電話だと相手と同じ時間を共有しなければなりませんが、チャットのコミュニケーションであれば、好きな時間に返信できます。電話対応の回数が1日平均で80回から30回程度に減少したことで、集中して患者様と向き合う時間が増えています」
また、電子カルテ情報を参照しながらチャットできる患者チャット機能については、「出張先でもDr2GOを介して電子カルテを確認しながらコミュニケーションを行うことができるので非常に助かっています」とその利便性の高さを実感しています。
導入効果 ②
タイミングを気にせず、多忙な医師とも円滑にコミュニケーション

看護師
棚町 祐子 氏
看護師の皆さんは、緊急ではない医師への連絡や患者様ご家族への病状説明の依頼、病棟への転棟の確認などにDr2GOを活用。看護師の棚町祐子氏は、多忙な医師とコミュニケーションが取りやすくなったことが一番の利点だと話しています。
「Dr2GOを導入する前は、専用の用紙に伝達事項を記載し病棟のナースステーションに置く、または電話での連絡が中心でした。電話連絡では医師のスケジュールを確認し、電話して問題ないかタイミングを伺っていましたが、チャットではタイミングを気にしなくて済むため、医師へ連絡しやすくなりました。また、患者様を担当する複数の医師に一斉に連絡できるようになり、急ぎの書類にもすぐに対応してもらうことができ、助かっています」(棚町氏)
導入効果 ③
患者様への介入時間を維持した上で、残業時間を17%削減

理学療法士
荒川 優也 氏
リハビリテーション技術室では、Dr2GOの「グループチャット※」をチームの予定管理に活用。理学療法士の荒川優也氏は、「Dr2GOを使うことで、スタッフ間の電話の回数が減った」と話しています。
「以前は電話で30分ほどかかっていた予定調整が10分程度で行えるようになり、患者様への介入の時間が維持でき、さらに取得単位数が増えた状態で残業時間が17%削減できました。また、患者様と関わる時間が増えたことにより、若手スタッフのモチベーションの維持・向上にもつながっています」(荒川氏)
※汎用性の高いビジネスチャット機能
利用者の声(感想・評価)
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医師(患者チャットを利用)
患者様ごとにチャットルームがあり、患者様に関わるチーム全員でチャットができる点が良いですね。
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看護師(患者チャットを利用)
ベテラン看護師のチャット内容が見られるので、若手看護師は伝え方の勉強になっているようです。
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リハビリテーション技術室
(グループチャットを利用)毎朝行うカンファレンスの記録をチャットで共有しています。休暇の人も後から確認できるので安心です。
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診療支援部(患者チャットを利用)
入退院に関する書類の作成依頼に利用しています。電話に比べて医師への連絡のハードルが下がりました。
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薬剤部(患者チャットを利用)
口頭での伝達では忘れてしまうことも…。「誰がいつ何を聞いたか」が文字として残るのがありがたいです。
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FMDセンター
(グループチャットを利用)Dr2GOなら相手の都合に左右されず、連絡ができます。残業時間の削減や、紙の削減にもつながっています。
今後の展望
地域医療連携の強化に向けて、Dr2GOのさらなる活用を目指す
Dr2GOの導入により、医療従事者の働き方改革や業務効率化の取り組みを進め、確かな成果をあげている松波総合病院様。今後の展望について草深氏は、Dr2GOを地域医療連携にも活用していきたいと話しています。
「地域医療連携の強化に向けて、例えば、転院調整に必要な外部施設とのチャットによる情報交換やファイル共有をDr2GOで行えると良いと思っています。今後も患者様を中心としたコミュニケーションの実現と、医療従事者の働き方改革につながる機能の拡充を期待しています」とDr2GOのさらなる貢献に期待を寄せています。
お客様情報社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 様
松波総合病院様は、1902年に松波病院として創設。地域中核の社会医療法人の病院として、「地域住民の皆様に安全で質の高い医療・福祉を効率的かつ継続的に提供する」ことを理念に掲げ、24時間対応の救急医療や高度急性期医療だけでなく、社会復帰のためのリハビリテーションなどを含む回復期医療にも力を注いでいます。新病棟にはヘリポートも備え、災害時にも医療の拠点として地域から頼りにされる病院づくりを推進しています。
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