第7回 まとめ (3/4)

技術特集

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3)ジョブ管理との連携

話は変わって、既存の商用運用ツールからZabbixへの移行を検討する際、よく、「ジョブ管理はないの?」というご質問がありますが、Zabbix自体の機能にはジョブ管理の機能はありません。


以前、Zabbix開発元であるZabbix SIAの方からもお聞きしたのですが、監視ツールとジョブ管理を一緒にしたがるのは日本だけなのだそうです。

確かに、日本で利用されている商用の運用管理のツール群では、ジョブ管理が中心となっていたりして、ジョブの正常稼働の監視という役割においては、監視とジョブ管理が一緒になっているイメージが強いのだと思われます。


Zabbixはジョブの監視が主目的ではなく、サーバやサービスの稼働している状態、さらにネットワーク機器の状態も含め、システムやサービス全体のヘルスチェックを行い、問題があればメールなどで通知を行ったり自動で回復を試みたりすることができるツールです。

もちろん、ジョブの監視にも利用することができます。ただ、Zabbix自体にはジョブ管理の機能がありません。


とはいえ、日本国内からは依然として「ジョブ管理はできないのか」というご意見も多いようで、日本国内では他のツールと連携させるソリューションがいくつかリリースされはじめています。


例えば、オープンソースのものであれば、以下の物がリリースされています。


  • HyClops JobMonitoring
  • Job Arranger for Zabbix

商用も含めれば、A-AUTOなどとの連携ソリューションもあるようです。


HyClops JobMonitoringは、ZabbixとOSSであるSOS JobSchedulerというジョブ管理のツールを連携させるためのツールです。
ZabbixやSOS JobSchedulerを独自に改造して対応させるのではなく、それぞれのツールのAPIを活用して連携できるようにしているようです。

特徴的な機能として、ジョブ処理時に高負荷になることが事前に分かっているような場合に、ジョブ実行時に自動的に障害検知の閾値を調整して、不要な発報を防ぐことも考慮されているようです。


Job Arranger for Zabbixに関しては、独自のツールとZabbixを連携できるようにしたもののようです。
Windows上のアプリケーションからジョブを管理するようになっているようですが、詳細に関しては、これから調査する予定です。


私自身での詳細な検証に関しては、まだできてはおりませんが、こういったソリューションも生まれつつあるということでご紹介させて頂きました。


ご参考