第2回 インストール (2/5)

技術特集

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2)システム要件

さて、これから実際にインストールを開始するわけですが、Zabbixの情報を収集するZabbixサーバをインストールするには、LinuxやUNIX系OSである必要があります。

今回は、まず、Zabbixサーバ用にRed Hat Enterprise Linux 6(以後、RHEL 6)の互換OSと呼ばれている、CentOS 6を利用することとします。
CentOS 6の手順とほぼ同様にしてRHEL 6にもインストールすることができます。

また、監視の為に収集した情報を管理するDBMSとしては、

  • MySQL 
  • PostgreSQL
  • Oracle Database
  • IBM DB2

などのDBMSに対応しています。

Zabbixサーバを稼働させるために必要なサーバのハードウェア、もしくは仮想マシン としては、64bit版のOSであればメモリを4GB以上用意しておくと良いでしょう。最低限、数台の監視しか行わないのであれば、1GB程度でも動作確認程度であれば動かすことはできますが、動作確認レベルでの用途に限られます。

ハードディスクの必要容量に関しては、どの程度の項目をどのくらいの間隔監視して、そのデータをどれだけの期間保存するかに依存します。
それらのデータは、DBMS上のテーブルに保存されますので、DBMSが管理するデータベース用のディスクとして容量を確保してください。

1台の物理サーバで10000台の監視も不可能ではないのですが、

  • CPUとしてはXeonの高速なCPUを利用
  • メモリは16GB以上搭載
  • ハードディスクには内蔵の高速なハードディスクを利用

というハードウェアを利用し、かつ、ZabbixとDBMSのチューニングをきちんと行う必要があります。
単純に標準のパッケージをインストールしただけでは、1000台を超えるような規模の監視を行うことはできませんのでご注意ください。

今回は、とりあえず動かすレベルでの環境として、以下のような環境上にZabbixサーバを構築してみることとします。

  • CPU: VMware上の仮想CPU x 1 (物理CPUは、Core i7)
  • メモリ: 2GB
  • ハードディスク: 40GB

そして、監視する対象のより詳細な情報を簡単に監視できるようにするためには、Zabbixエージェントを各サーバにインストールすることが必要となりますので、今回は、CentOS 6とWindows Server 2008 R2にインストールする手順をご紹介します。

Zabbixのエージェントは、数百KB程度のメモリしか消費しません。
とはいえ、監視項目数が非常に多く、さらにその監視間隔が短ければ、単位時間あたりに処理しなければならない量が増えますので、その量に応じて負荷が上昇してしまう場合があります。あまり監視の為の負荷によってサービスに影響を与えないよう、監視項目数とその監視間隔は調整してください。
今回利用するOSも含め、Zabbixのエージェントは、以下のようなOSに対応しています。

  • Linux
  • AIX
  • FreeBSD / NetBSD / OpenBSD
  • HP-UX
  • Mac OS X
  • Solaris
  • Windows 2000 / Server 2003 / XP / Vista / Server 2008 / 7 / 8 / Server 2012

一部のOSやディストリビューションに関しては、簡単にインストールできるようなバイナリが用意されているのですが、コンパイルされたバイナリが公開されていないプラットフォームもありますので、その場合は、ソースからコンパイルしてインストールすることが必要です。

今回は、ソースからのインストールに関しては、触れません。