金融商品・サービス仲介業者向けにアドバイザーソリューションを提供開始 ～日本版 Turnkey Asset Management Platform（TAMP）事業へ参入～
金融サービスプラットフォーム領域でのDX推進

「老後2,000万円問題」やコロナショックによる経済・金融市場の先行き不透明化などを受け、専門的な資産運用アドバイスの需要が高まりつつあります。そのような中、資産運用アドバイスの担い手としてIFAが注目されており、IFA事業者の数が今後中長期的に大きく増加することが見込まれます。また、2020年6月に「金融商品の販売等に関する法律」が改正され、金融サービス仲介業の新設などを追い風に、今後は生命保険会社や保険代理店、地域銀行、異業種などによる金融商品・サービス仲介事業への参入増加が予想されます。

一方、従来の金融商品仲介業の事業領域においても、業界横断的な事業インフラストラクチャーが整っておらず、効率的な事業運営を十分に行えていないのが現状です。特に、複数の証券会社など委託金融機関と提携する場合、業務を統合して管理するツールなどのシステムソリューションが存在せず、顧客情報、売買注文データ管理や事務が煩雑になっていました。

SCSKではこれらの課題に対して、2020年末より日本版TAMP（金融アドバイザー向けプラットフォーム）の構築に取り組んでまいりました。専門的・中立的な機能を備えつつ、拡張性の高い事業支援プラットフォームとソリューションの提供を通じて、金融仲介業者の効率的な事業運営とお客様個人にとって最適な金融商品・サービスの提供を実現します。

SCSKは、米国の顧客満足度調査で高い評価を得ているアドバイザーソリューション「Advyzon（アドバイゾン）」（米国yHLsoft inc.提供）を日本の商習慣に合わせてカスタマイズし、日本版TAMPを構築しました。この基盤に登録するだけで、顧客管理、資産管理、資産分析を中心にさまざまなアドバイザーサービス機能が利用できます。「Advyzon」の日本での展開は、今回が初めてとなります。

日本版TAMP（金融アドバイザー向けプラットフォーム）の概要

<特長>

• ① 個人管理だけではなく、世帯管理が可能
  お客様個人の管理だけではなく、親族、代理人などの情報を紐づけることによって、世帯管理が可能
  また、見込み顧客に対しても、契約顧客と同様に管理が可能
• ② 複数の金融機関の情報を一元管理
  複数の金融機関を利用していても、APIやアカウントアグリゲーション^※を用いて情報を集約し、一元管理することで、ゴールベース型の資産運用アドバイスが可能
• ③ 金融アドバイザーの業務の高度化、効率化機能を提供
  資産運用の状況やタスク状況など営業状況をアドバイザー別や会社全体といった単位で把握することが可能
  お客様へのアクションテンプレートの共有、ドキュメント作成のエディット機能を提供
• ④ お客様向け専用アプリでスムーズな情報共有が可能
  お客様向けのクライアントポータルサイト/スマホアプリを提供
  資産状況、ポートフォリオ確認、ドキュメントの受け渡しなどが可能
• ⑤ SaaS型でご契約後すぐに利用可能

• ※アカウントアグリゲーション・・・複数の金融機関の口座情報を一つに集約、閲覧できるようにすること

2021年8月

SCSKは、今後も「Advyzon」を中心に、さまざまなソリューションベンダーとアライアンスを組みながら、金融商品・サービス事業者の事業支援プラットフォームを構築し、資産運用アドバイスのサポートに貢献してまいります。

SCSKグループ中期経営計画（FY2020～2022）の基本戦略の1つ「DX事業化」において、「モビリティ領域」「金融サービスプラットフォーム領域」「ヘルスケア領域」「CX（カスタマーエクスペリエンス）領域」を4つの重点領域としています。本件は「金融サービスプラットフォーム領域」における取り組みです。

• プレスリリース「SCSKグループ中期経営計画（FY2020～2022）を策定」