SNNが、AI学習に係るお客様コストの削減と
お客様自身での自然言語解析モデルの構築を実現しました
~お客様の要望から、深層学習技術によってビジネス課題を解決する
AIモデル構築サービス「SNN(SCSK Neural Network toolkit)」を、バージョンアップ~
2021年3月29日(月)
AIモデル構築/プラットフォーム提供にて幅広い実績を持つSCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員 最高執行責任者:谷原 徹、以下 SCSK)は、AIモデル構築サービス「SCSK Neural Network toolkit、以下SNN」の顧客要望が多かった機能を追加した「SNNバージョン2.4」を自社開発し、これを活用したサービスを2021年4月12日から開始します。
1. 背景
SNNは、深層学習技術を用いた画像解析、センサーデータ解析の実装済みモデルを複数備え、これにお客様の持つデータやノウハウを追加学習させることで、お客様独自のAIモデルを構築します。SNNの利用にあたってはプログラミングスキルや深層学習モデルの実装スキルが一切不要であるため、AIモデルのビジネス適合性検証が容易となり、業務効率化や生産性向上といったビジネス課題に迅速に対処できるようになります。
SCSKは、2018年4月のサービス提供開始以来、さまざまな業種において約400件の引き合いをいただき「金融、保険業における損害調査、安全管理」「製造業における品質管理、生産管理」「農業、水産業における生育管理」「その他、社会インフラにおける設備保全」など多様なニーズに対するAI活用を取り進めてきました。そこから見えてきた課題は、まだまだAIへの壁を感じてしまうという点でした。AIの判断根拠が判断できないため精度向上の糸口が掴みづらく、また、発生頻度が低く集めにくい異常データの収集や、妥当性が見えづらいAIへの学習データの収集に膨大な時間とコストがかかってしまいます。
SCSKでは、これらの課題から、AIをより身近に、より使いやすくすべく今回のバージョンアップを行いました。さらに、汎用性を高めるため、SCSKが得意とする自然言語処理モデルの追加や、これから加速していくDX時代を見越したIoTデバイスとの親和性を強化するためのエッジデバイス対応なども追加してのリリースとなります。
2. 「SNNバージョン2.4」の機能強化ポイント
「SNNバージョン2.4」における、主な機能強化ポイントは以下となります。
- (1)説明可能AI技術の搭載
AIによる判断根拠を可視化する機能を搭載しました。
例えば、利用者は、AIが画像のどの部分からどのように分類したかを理解することができます。
これにより、AIの社会実装を拡大する障壁として存在する「AIに対する不安」を解決します。 -
(2)目視検査モデルの強化
SNNを活用した不良品目視検査の案件を通じて蓄積されたノウハウを元に、目視検査モデルの強化を行いました。
発生頻度が低く集めにくい異常データの収集、およびアノテーション※1作業が不要となり、正常データの学習のみで異常個所の可視化が可能になります。- ※1 データに対し、関連する情報を注釈として付与すること
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(3)データ処理機能強化
学習データ品質の事前分析を可能にする機能を搭載しました。
モデル作成時は、以下の様なサイクルが必要です。
学習前に「学習データの量と質」が把握可能となることで、モデル作成のサイクルを短縮することができます。 -
(4)自然言語解析モデル搭載
今回のバージョンアップにより、画像解析モデル/センサーデータ解析モデルに加え、自然言語解析モデルを搭載しました。文章から人名、地名、組織名などの固有表現が抽出可能となり、利用用途に応じた個別の固有表現の学習も可能です。
文脈を考慮できる言語モデル「BERT※2」を使用しているため、従来手法(辞書やルールベースにもとづく抽出)では難しい単語の抽出も可能です。
例えば、コールセンター業務での応対記録から顧客の不満やニーズを抽出し、製品開発や品質向上に活用可能です。- ※2 Bidirectional Encoder Representations from Transformers
Google がオープンソースとして公開した自然言語処理技術
- ※2 Bidirectional Encoder Representations from Transformers
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(5)エッジデバイス対応
日常に溶け込むIoTデバイスとの親和性を強化するため、エッジ上での動作をさらに高速化した軽量モデルを搭載しました。
エッジデバイス上で30fps※3以上の推論処理を実現するとともに、作成したモデルの複数のデバイスへの配信を可能にします。- ※3 1秒間に何枚の画像を処理できるのかを測るディープラーニングの推論スピード
30fpsの場合、1秒間に30フレームを推論可能
- ※3 1秒間に何枚の画像を処理できるのかを測るディープラーニングの推論スピード

3. SCSKのAIインテグレーションサービスについて
SNNをはじめとしたAI技術と、これまでにSCSKが培ってきた業務ノウハウ、システムインテグレーション力を元に、トータルなAIインテグレーションサービスを提供します。
- (1)AI活用による業務課題解決コンサルテーションサービス
- (2)AI活用に関する実証実験(PoC)サービス
- (3)AIモデルの組み込みを含めたシステムインテグレーションサービス
4. 今後の展開
SCSKは、SNNの年間導入目標80件を目指して、さらなるAI技術の開発に取り組み、ビジネス課題への適用シーンの拡大と適用課題の解消に資する機能向上を続けてまいります。
SCSKのサステナビリティ経営
SCSKグループは事業を通じた社会課題解決により、社会と共に持続的な成長を図る「サステナビリティ経営」を推進しています。社会が抱えるさまざまな課題の中で、特に重要と捉え、優先的に取り組む課題を7つのマテリアリティとして策定しており、本サービスは、「豊かな未来社会の創造」に資するサービスです。
- AIの学習効率向上により、より幅広いビジネス課題への適用、解決の迅速化に貢献
本件に関する
お問い合わせ先
製品・サービスに関する
お問い合わせ先
SCSK株式会社
DX技術開発センター イノベーション第一開発部
E-mail:snn-info@ml.scsk.jp
報道関係
お問い合わせ先
SCSK株式会社
広報部 後藤
TEL:03-5166-1150
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