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(2019年)

第4回 IPS Cable Simulation Japan ユーザーカンファレンス2019

2019.11.01(金) アフターレポート

2019年11月1日(金)、SCSK株式会社主催によるIPS Cable Simulation(以下 IPS)の国内ユーザー様向け「第4回IPS Cable Simulation Japan ユーザーカンファレンス2019」を開催しました。

本カンファレンスでは、海外と国内ユーザー様の先進的な活用事例をはじめ、開発元であるドイツのfleXstructures社も来日し最新トピックスをご紹介しました。

当日は、たくさんの皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。

「第4回IPS Cable Simulation Japan ユーザーカンファレンス2019」会場の様子

開催概要

主催
SCSK株式会社
日時
2019年11月1日(金) 13:00~16:50 (受付開始 12:15~、 懇親会 17:00~18:30) 
会場
フクラシア丸の内オアゾ
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル16階
定員
150名
対象
ハーネス/ホース/ケーブル経路設計部門、生産技術部門、解析部門、情報システム部門の方

プログラム

13:00-13:05

開会のご挨拶

会場の様子
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部 部長
樋口 康一

開会に先立ち、SCSK プラットフォームソリューション事業部門 製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第一部 部長の樋口から、開会のご挨拶とともに本カンファレンスの趣旨についてご説明しました。

13:05-13:50

国内ユーザー様事例発表①
『スズキでのIPSを活用した取組みと課題』

会場の様子
スズキ株式会社
デジタルエンジニアリング部 デジタル技術課
犬束 稔様

スズキ様は、2020年で設立100周年を迎えます。本講演では、2019年の6月にドイツで開催されたインターナショナルのIPSユーザーカンファレンスで講演された「二輪車と四輪車によるIPS活用事例」をご紹介いただきました。

スズキ様では従来、技術者の経験をもとに3D CADでケーブル経路を設計していましたが、不具合が発生するたびに対応しなければならない設計変更作業および変更にかかるコストに課題意識をお持ちでした。そこで、試作車の前に詳細に対策検討を実施することと、設計業務における属人化からの脱却を目的にIPSを導入しました。その活用事例として、二輪車では、リヤタイヤおよびハンドル周りにおける、適切な配線ルートや長さ、ケーブルガイド位置に関する解析事例をご紹介いただきました。また、四輪車では、Front Hood Opener Cableと板金部品との接触に関しての解析事例などをご紹介いただきました。

  • 四輪車のボンネットを開けるためのケーブル
13:50-14:20

国内ユーザー様事例発表②
『油圧ショベル開発におけるIPSを活用した油圧ホース挙動の事前予測への取り組み』

会場の様子
日立建機株式会社
実験解析評価センタ
関根 明弘様

日立建機様は、国内の建設機械業界の中でIPSを導入された第一号の会社です。IPSの業務適用範囲を拡大される中で、本講演では、油圧ショベルにおける油圧ホース挙動へのIPS活用事例をご紹介いただきました。

日立建機様では、3D CADによる設計と実機の間に発生するギャップの解消および設計段階でリアルタイムにホースの挙動を検証することで設計精度の向上を図ることを目的としてIPSを導入しました。油圧ホースの検証プロセスには、計画・部品手配・搭載・試験と約2~3か月の期間が必要で、不具合が発生するとそれらの工程の手戻りが起こっていましたが、IPS導入によって手戻りを防ぎ、業務の短縮化を実現しました。本講演では、油圧ショベルが動作した際の油圧ホースの逆反り問題を解決した事前予測解析の適用事例をご紹介いただきました。

14:20-15:20

海外ユーザー様事例発表
『BMWグループにおけるフレキシブルパーツのシミュレーションベース・ジオメトリック統合プロセス』

会場の様子
BMW AG
Digital Engineering Lead XReality Hub
Dr. Nicolas Hofheinz

BMW様からは、BMWグループ内でIPSの展開および開発プロセスへの統合を達成した成功要因について発表いただきました。

自動車開発プロセスに対して新しいシミュレーション技術を応用していくためには、データ連携や効果的なプロセスなどに関連した多くの課題を解決する必要があります。高いユーザビリティ、広範囲な自動化、必要なモデルや材料データへの高いアクセス性など、開発業務への適用性を最大化させたBMW様の取り組みをご説明いただくとともに、IPSがもたらした恩恵についてご紹介いただきました。

15:20-16:20

ご講演

会場の様子
ドイツ フラウンホーファー ITWM研究所 耐久性動力学部門長
クラウス・ドレスラー博士

クラウス・ドレスラー博士からは、IPSを開発するに至った経緯と、その過程についてご説明いただきました。ドレスラー博士は、IPSのように早く、簡単に、高精度な解析を実現できるソフトウェアが無かったことから研究価値を見出し、ゼロから投資を始め、ドイツの公的資金を活用しながら2004年にソフトウェア開発プロジェクトを立ち上げました。本講演ではさらに、IPS研究開発を支えている体制をご紹介いただくとともに、IPSとその関連モジュールについてご紹介いただきました。

会場の様子
fleXstructures社プレゼンテーション(セールス&テクニカル・トピックス)
fleXstructures GmbH
エンジニア
トーマス・テゲン 様

fleXstructures GmbHは「IPS Cable Simulation」を研究開発したドイツのフラウンホーファー研究所から商用化を目的に2012年5月に設立された企業です。

例えば自動車の製造では、まだまだ人の手で行う必要のある作業が存在しますが、製造工程における人間の作業評価を行うとなると、試作車を作成するなど非常に手間がかかります。そこで、IPS IMMA(イマ)では、人間工学に基づいて自動作成されたマネキンデータを用いて、バーチャル上で精度の高い作業工程の検証業務が可能となります。本講演では、ボルボ社やポルシェ社におけるIPS IMMAの活用事例をご紹介いただきました。

  • デジタルマネキンシミュレーションツール
16:20-16:30

IPS3.8における最新トピックスのご紹介

会場の様子
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部
石田 俊介

SCSKからは、2019年末にリリースを予定しているIPS 3.8の最新情報をご紹介しました。

トピックスとしてCATIAユーザー様への朗報として、IPS上でもCATIAと同様に表示スペースと非表示スペースを切り替えて操作することが可能になった点をご紹介しました。次に、NXユーザー様に対しては、NXに近い操作感をIPSで実現した点をご紹介しました。さらに、1mm以下の半径を持つケーブルにも対応するようになった点や、部品の動き、例えばサスペンションの上下動作時に対し、それに追従するケーブルの物性値が想定より硬い場合などのブレも考慮できるようになった点など、多くの改善点をご紹介しました。

16:30-16:50

pSevenを使用したハーネス物性値計算の試み

会場の様子
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部
前田 敦

SCSKからは、pSevenとIPSを組み合わせハーネスの物性値計算を試みた内容についてご紹介しました。SCSKでは、pSevenで物性値データをもとにシミュレーションの代理モデル(サロゲートモデル)を作成し、それをIPSのアドオン機能であるStiffness Calculator※1に組み込んで計算して物性値を自動作成しました。有効な結果が出ましたが、今回の検証で使用した線種は一つであり、さまざまな線種を用いた際の検証は今後の課題となります。引き続き検証を進めていき、皆様にご紹介できるよう努めてまいります。

  • ※1電線単体・それらを束ねた束線(バンドル)それぞれの物性パラメータを算出する機能
16:50-16:55

閉会のご挨拶

会場の様子
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部 第三課 課長
和田 浩一

本セミナーの閉会に際し、SCSK プラットフォームソリューション事業部門 製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第一部 第三課 課長の和田より、閉会のご挨拶をいたしました。

17:00-18:30

懇親会

来場者の皆様にお集まりいただき、懇親会を開催しました。

会場の様子
会場の様子
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お問い合わせ先

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部 
解析ソリューション第一部
IPSUC2019事務局
TEL:03-5859-3012
E-MAIL:ips-sales@ml.scsk.jp