第十一回 SCSK Designers Forum
-
2014年12月19日(金)、東京・秋葉原にて、SCSK主催「第十一回 SCSK Designers Forum」を開催しました。年に一度、SCSKが注目するデジタルデザインの最新事例をご紹介し、ご好評をいただいております本セミナーは、今回で第11回を迎えることができました。謹んで御礼申し上げます。
「第十一回 SCSK Designers Forum」では、デザイン開発業界のリーディングカンパニーであるフィアロコーポレーション様と、メーカーとして数々の受賞歴を持つヤマハ発動機様をゲストにお迎えし、ご講演いただきました。また特別講演では、「折り紙王」として名高い、折り紙作家の神谷様にご登壇いただきました。
当日は、たくさんの皆様にご来場いただき、誠にありがとうございました。
開催概要
主催 | SCSK株式会社 |
---|---|
協賛 | EIZO株式会社、株式会社ワコム、日本ヒューレットパッカード株式会社、クリスティ・デジタル・システムズ 日本支社(順不同) |
日時 | 2014年12月19日(金) 13:00~17:30 (受付開始 12:00~) |
会場 |
秋葉原UDX GALLERY
東京都千代田区外神田4-14-1 |
セミナープログラム
-
13:00-13:10 開催のご挨拶
SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部 デジタルデザイン部 部長 網野 広孝
フォーラムの開始に先立ち、開催のご挨拶とともに本フォーラムの概要についてご説明しました。
-
13:10-14:00 講演:
「Visualize Communications 2」
株式会社フィアロコーポレーション デザイン開発部 執行役員 ゼネラルマネージャ 坂田 建吾 様
株式会社フィアロコーポレーションは、自動車、モーターサイクルおよび各種工業製品の新商品の研究開発分野において幅広いサービスを展開されている独立系デザイン開発会社です。70年以上にわたり受け継いできたクラフトマンシップ、経験、情熱といったモノ造りのDNAを大切に継承しながらも、常に革新的な発想・思考をもって、多くのお客様の成長、発展に貢献すべく新しい価値を創造し、提案されています。本セッションでは、株式会社フィアロコーポレーションにおいてデザイン業務全体を指揮されている坂田様にご登壇いただき、「Visualize Communications 2」と題し、ご講演いただきました。
講演では、フィアログループが創業75周年プロジェクトとして取り組まれているライトウェイトスポーツカー「CIPHER」の製作について、詳細にご説明いただきました。本プロジェクトは、同社の高度なデザイン技術と感性、豊富なノウハウを駆使し、最先端のデジタル開発手法を巧みに活用しながら、スポーツカーとしてのカッコよさと、完成度の高い自動車づくりを追求し、デジタルモデルとフィジカルモデルを一気通貫で提供可能な真のエンジニアリング企業へのステップアップに向けて取り組まれているプロジェクトです。自由なデザインと正確なエンジニアリングを同時に実現するために、本プロジェクトで活用されたデジタル開発手法についてご紹介いただくとともに、製作時に抱えた課題やその解決策についてお話しいただきました。
【坂田 建吾様 プロフィール】
某自動車メーカーのインテリアデザイナーとして入社。量産小型車のデザインをメインとして勤務。志し半ばで退社し、昔から好きだったカスタムバイクを扱う仕事に着手。FRP 塗装 溶接 整備 接客などを覚える。
もっと面白い仕事を求め、オートバイのデザインやモックアップの専門会社「株式会社PWDESIGN」設立。
業務拡大を目標に現在の株式会社フィアロコーポレーションに統合し、同社に入社。
現在は自動車、オートバイのデザインからクレーモデルの製作。意匠データやCG等のデザインの上流工程を担当しデザイン開発部 執行役員 ゼネラルマネージャとして、同社のデザイン業務全体を牽引。 -
14:00-15:00 製品情報アップデート&海外最新レポート
本セッションでは、会場での主な展示製品をご紹介するとともに、「デザイン業務ITインフラ環境におけるデスクトップ仮想化のご紹介~ワークステーション環境の問題点を解決~」と題し、仮想デスクトップ(VDI)をワークステーション領域に拡大することでユーザー様の業務効率向上を実現するSCSKソリューションについてご説明しました。
また、海外最新レポートとして、2014年11月にドイツ・ベルリンで開催されたVREDユーザーイベント「IMPRESS3D 2014」、および2014年12月にアメリカ・ラスベガスで開催された「Autodesk University2014」の、海外における2つの大規模イベントについてご紹介しました。
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
デジタルデザイン部 谷澤 真SCSK株式会社
ITエンジニアリング事業本部
エンタープライズ第一部 桑原 和也 -
15:00-15:30 【休憩】 機器展示
-
15:30-16:20 講演:
「ヤマハ発動機・デザインの未来」
ヤマハ発動機株式会社 デザイン本部 本部長 デザインディレクター 長屋 明浩 様
創業以来50年以上にわたり、モノ創りやサービスを通じて多様な価値の創造を追求してきたヤマハ発動機グループ。
本セッションでは、ヤマハ発動機株式会社で、同社のデザイン哲学に基づきデザインを主導統括されているデザイン本部長の長屋様にご登壇いただき、「ヤマハ発動機・デザインの未来」と題し、ご講演いただきました。
講演では、ブランドフィロソフィーやデザインを考える事例として、長きにわたり従事されていたトヨタ自動車株式会社での豊富なご経験から、プリウスのデザイン開発、レクサスブランド企画についてご説明いただきました。あわせて、自社デザインをより高めるためには「デザインは経営のコア」と考え、会社全体での仕組みづくりが大切という観点から、ヤマハ発動機が企業理念として掲げる「感動創造企業」を表現するヤマハ発動機のデザインフィロソフィーの事例として、2014年に製作された3輪バイク(LMW:Leaning Multi Wheel)のデザインコンセプトモデル「01GEN」と、電動アシスト車いすのデザインコンセプトモデル「02GEN」について、鮮やかなプロモーションビデオを交えてご紹介いただきました。
【長屋 明浩様 プロフィール】
1960年10月20日生まれ(54歳) 名古屋市出身
1983年 愛知県立芸術大学美術学部卒業、トヨタ自動車株式会社入社
~1991年 初代レクサスLS400、セルシオ、マークⅡなどのデザインを担当
1991年CALTY DESIGN RESEARCH社(米国) 出向
2000年株式会社テクノアートリサーチ 専務取締役(出向) プリウス製品化
2001年愛知県立芸術大学 デザイン非常勤講師(現在も継続)
2003年米国ミシガン州バークレー大学 MBA取得
2003年レクサスブランド企画室長 グローバルレクサスブランド牽引
2010年トヨタデザイン部長 すべてのトヨタ車の製品化デザイン開発指揮
2012年株式会社テクノアートリサーチ 代表取締役社長
2014年ヤマハ発動機株式会社 デザイン本部長 -
16:20-16:30 【休憩】
-
16:30-17:20 講演:
「創作折り紙におけるデザイン 折り紙的なデザインとは」
ギャラリーおりがみはうす 折紙作家 神谷 哲史 様
特別講演として、1999年より「TVチャンピオン」の折り紙王選手権において5連覇の偉業を成し遂げた日本を代表する折り紙作家の神谷様にご登壇いただき、「羊」の折り紙作品を題材に、実際の創作時の手順について詳細にご解説いただきました。
何度も修正を繰り返しながら完成形をつくりあげていく創作折り紙では、まずはじめに題材の具体的な完成形のイメージを思い描くことが重要となります。
講演では、形や角度、基本パターンなどを組み合わせ、さまざまな観点から折りやすそうな形をイメージ化しながら構造を決め、折りと修正を繰り返しつつ最終的な形状に仕上げていく、創作折り紙の具体的な作例についてご説明いただきました。あわせて、折り紙王選手権での作品や、企業広告用に制作された無機物を題材とした作品などについて、創作時の苦労話を交えご紹介いただきました。
【神谷 哲史様 プロフィール】
1981年生まれ。愛知県名古屋市出身。物心つく前から折り紙をはじめ、それから現在まで、ブランクなしで折り紙と付き合っている。
1993年に折紙探偵団(現・日本折紙学会)に入会、超難解作品群に衝撃を受け本格的な創作活動を始める。
1999年にTVチャンピオン第3回折り紙王選手権で優勝、以降5連覇を達成。
2000年より約2年間、アメリカへ折り紙留学。現地の作家・愛好家との交流を深める。
現在、折り紙の可能性と限界との境界線を探して創作活動を続ける。
著書に「神谷哲史作品集」、「神谷哲史作品集2」(おりがみはうす刊)、「神谷流創作折り紙に挑戦!―創作アイデアの玉手箱」(ソシム刊)がある。 -
17:20-17:30 閉会ご挨拶SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部 本部長 上野 裕治
-
17:30-19:00 懇親会
-
展示内容
会場内の展示スペースでは、SCSKが取り扱うデジタルデザイン機器を展示し、来場者の皆様に最新ソリューションの数々を体験いただきました。また、会場内で「夢ある未来の乗り物」をテーマに「Wacom Cintiq companion」と「Autodesk SketchBook Pro」を使ったスケッチバトル大会を開催し、ご来場者の皆様にお楽しみいただきました。
- Autodesk 工業デザインツール 「Alias 2015/SketchBookDesigner 2015」
- Autodesk メディア&エンターテインメントツール 「Maya 2015/3ds Max 2015」
- Autodesk ビジュアライゼーションツール 「VRED 2015」
- HP ProLiantサーバ シリーズ
- HP ハイエンドワークステーション
- デザインデータ管理PLM「Aras Innovator」
- ワコム 液晶モニター一体型タブレット 「Cintiq 24HD Touch/Cintiq Companion」
- EIZO ハイエンド液晶モニター 「CG277/EV3237」
- Christie 84型4Kディスプレイ「QuadHD84」
- 110°広視野角ヘッドマウントディスプレイ「Oculud lift」
- CADシンクライアント「Graphic Accelerated VDI」
※ 記載されている製品・サービス名、会社名、ロゴマークなどは該当する各社の商標または登録商標です。