プレミアム
ウォーター株式会社 様

経営統合による競争力強化をいち早く発揮し
ビジネスを加速する
基幹システムはそのままに顧客情報を統合
マーケティングの高度化を実現

顧客接点の高度化

宅配水の魅力と新会社の強みを
一人ひとりのお客様に届け
業界をリードする

事例のポイント

お客様の課題

  • 統合した新会社としてのロイヤルティ向上を図る打ち手が急務
  • 二社の基幹システムに紐づき、二つの業務プロセスが並存
  • 顧客データがバラバラで、包括的なマーケティング施策が困難

課題解決の成果

  • 基幹システムの統合なしに、顧客データの統合を実現
  • マーケティング関連業務のプロセスも一本化され、スピードも格段に向上
  • 統合顧客基盤が中心となり、ポイント制度、EC、MA(※)などが有機的に連携

    ※マーケティングオートメーション


導入ソリューション

eMplex(エンプレックス)

プレミアムウォーター株式会社
上級執行役員 事業本部長

濱口 裕二

プレミアムウォーター株式会社
システム統合プロジェクト
オーナー

岩間 建作

「経営統合を機に、業界をリードする存在になるためには、マーケティング施策の高度化が急務でした。SCSKはシステム提供ではなく、信頼できるパートナーとして支えてくれています。」

システム統合プロジェクト オーナー

岩間 建作

背景・課題

経営統合を機にビジネスを加速しようとするも、2社の基幹システムが足かせに

 近年、宅配水ビジネスが拡大の一途をたどっている。天然水のおいしさが知れわたるとともに、消費者の健康志向が高まってきたこともあるが、先の東日本大震災の際にウォーターサーバーが備蓄水として役立ったことも大きいといわれている。結果、この業界に新規参入する企業は増え続けており、生存競争はますます激しくなっている。

 こうした状況の中、「CLYTIA」ブランドを展開するウォーターダイレクト社と、「PREMIUM WATER」ブランドを展開するエフエルシーグループは、2016年7月に経営統合。プレミアムウォーターホールディングスとして新たなスタートを切った。そのねらいについて上級執行役員 事業本部長の濱口裕二氏は「マーケットが伸びているとはいえ、宅配水はまだまだ説明商材です。顧客にその魅力をお伝えするうえで、ワンウェイボトルの出荷数が国内トップクラスであるだけでなく、安全・安心でおいしい水を供給し続けているウォーターダイレクト社と、業界随一の営業・販売プロモーション力を持つエフエルシーグループが、互いに資産やノウハウを共有することで高い競争力を生み出すことができると考えたのです。」と説明する。この目論見はみごと功を奏し、現在では保有契約件数において業界トップクラスの地位に上り詰めた。

 経営統合を経て、順調に保有契約件数を伸ばし、今日まで宅配水業界をリードする同社だが、その裏では解決すべき課題をいくつか抱えていた。その一つがマーケティング施策の強化だ。同社と顧客をつなぐ接点は、「不在期間の宅配を停止する」「トラブル時に問い合わせる」「契約変更・解約する」など、これまでは限られたものになっていた。「キャンペーンとしては、ボトル開封時のシールを貯め、応募すると景品と交換するというものがありましたが、シールがどのくらい流通しているかが管理できておらず、新たな顧客接点を生む仕組みにもなっていませんでした。」と、システム統合プロジェクト オーナーの岩間建作氏は語る。

 宅配水事業はストックビジネス。増大していく契約顧客のロイヤルティを高め、解約を抑止し、LTV(ライフタイムバリュー)を高めていきたい。そのためには顧客接点の高度化・強化が必要だった。ところが、そこに経営統合した2社がそれぞれ保有する基幹システムが立ちはだかった。

 宅配水事業における基幹システムは、製造から販売、サポートまでの一連の業務プロセスと顧客情報管理(CRM)を含む。「どちらかに寄せることも考えましたが、比較すると言葉の定義をはじめ、数多くの差異があることがわかり、現実的な選択肢ではないことが分かりました。」と濱口氏は振り返る。

 基幹システムと業務プロセスは直結しているため、システムが二つ存在している限り、マーケティング施策も個別に実施しなければならない。一方で、新たにシステムを構築し直すとなると、膨大な期間がかかる。経営統合によって競争力を高め、ビジネスを加速しようという動きに対し、システムが足かせになってしまうという問題が発生していた。

解決策と効果

既存システムの制約を受けずに、顧客管理を統合。事業のスピードを損なうことなく、マーケティング施策の強化を実現

 プレミアムウォーターは2つの基幹システムに内在するバラバラな顧客データへの対応に悩んでいた。そうした中、新たな解決策を提示してくれたのがSCSKの顧客ロイヤルティプラットフォーム「eMplex (エンプレックス)」だ。 「まさに、当社が解決したいことを特徴とした製品でした。既存システムそのままに統合顧客管理データベースが構築でき、柔軟性を持っています。BtoC事業で求められるポイント管理の機能をもっていたことも決め手の一つになりました。eMplexのおかげで、アナログで煩雑だったシールの応募をやめ、ポイントプログラムをはじめることができたのです。」と岩間氏。eMplexの存在を知ってから導入決定するまでに2か月も要さなかったという。

「eMplexのような特徴を持つ製品がほかにはほぼ無かったということもありますが、話をしていて、SCSKは当社のビジネスモデルの理解がとても早かった。目的は新しいシステムを導入することではなく、事業を加速することです。SCSKがシステムインテグレーターではなく、パッケージベンダーだったら違う選択肢も模索したかもしれません。同じ目線でのパートナーになってくれるという信頼を早い段階から感じたことから、検討にそれ以上時間をかける必要もないと考えました。」(濱口氏)

 eMplexの導入が決定したことで、2つの基幹システムに悩まされることなく、マーケティング施策の強化も動き出した。ポイントプログラムを実現したことで、顧客が保有するポイントに合わせて動的にプロモーションを打つことができる。新たな顧客接点の一つとして会員制のECサイトも構築。モバイルアプリやマーケティングオートメーションも整備したことで、申し込みからサポートまでの一連の顧客体験に対し、ロイヤルティ向上につながるコミュニケーションを図ることが可能となった。そのすべてはeMplexで統合された顧客データベースが核になっている。「基幹システムの統合を待っていたら、少なくとも2年は取り組みが遅れていたと思います。」と岩間氏は語る。

今後の展望

eMplexを軸にマーケティング施策をさらに深化。蓄積されたノウハウを統合後の基幹システムにも活かす

 今後、プレミアムウォーターではeMplexで共通化した顧客データベースをさらに活用し、「One to Oneマーケティング施策」を深めていく方針だ。

 同社がeMplexやSCSKに寄せる期待はますます高まっている。

「共通化したデータを活用して行いたい施策はまだまだありますし、そこで蓄積されたノウハウを新基幹システムに活かしていくという考え方もあります。今後も事業を加速していくために、SCSKにはパートナーとして引き続き一緒に取り組んでもらえたらと思っています。」(岩間氏)

SCSK担当者からの声

プレミアムウォーター様には、2つのウォーターサーバー宅配ブランドが保有する顧客データを統合するシステムとして、eMplexをご採用いただきました。 異なるシステムで管理してきた顧客データを統合するためには、連携元である各基幹システムの仕様を正しく掴むことが肝要です。その調査にプレミアムウォーター様が快く協力くださったことで、プロジェクトを無事に成功へと導くことができました。 システム完成後にいただいた「期待に違わず、本当に実現できたことは素直に嬉しい」というお言葉は、今も心に残っています。 SCSKは、次のステップであるブランドを横断したマーケティング施策や顧客分析についても、引き続きご支援させていただきます。

流通・メディアシステム事業部門 
流通システム第三事業本部
流通・CRMサービス部

高鷲 俊一


お客様プロフィール

プレミアムウォーター株式会社

所在地:東京都渋谷区神宮前1-4-16
U R L: https://premium-water.co.jp/

「家に井戸を持とう」をコンセプトに、自社ブランド「PREMIUM WATER」を中心としたミネラルウォーターの宅配事業を手掛ける。「製販一体型経営」「水源分散化、高い水質基準」「圧倒的な顧客獲得力」の3つを強みとし、保有契約件数は国内トップクラスを誇る。

2019年3月