大量の鉄鋼製品取引を支えるEDIシステムをスマクラに移行、
高い柔軟性と可用性を両立した企業間接続により、
EDI運用コスト25%削減を実現
株式会社メタルワン
ITソリューション部
システムユニットリーダー
株式会社メタルワン
ITソリューション部
システムユニット
「鉄鋼流通を支える基盤として、当社のEDIシステムには高い可用性と処理性能が求められました。
スマクラは、当社の高い要求を十分に満たしたクラウドソリューションといえます」
株式会社メタルワン ITソリューション部システムユニットリーダー
間瀬 弘 氏
メタルワンは、2003年1月に三菱商事と日商岩井(現双日)の鉄鋼製品部門が統合し、誕生した鉄鋼総合商社だ。国内外に約100社のグループ企業を擁し、2025年3月期における連結収益は2兆1,800億円を超えている。
同社では近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも精力的に取り組んでいる。メタルワン ITソリューション部 システムユニットリーダーの間瀬 弘氏は次のように語る。「当社が取り組んでいるDXは、メタルワングループにおける商社・流通機能を強化するリーンオペレーション(業務オペレーションの自動化)の実現と、取引先の課題を新たな価値提供によって解決するソリューションビジネスの2本柱で進めています。ソリューションビジネスに関しては、鉄鋼製品のサプライチェーンに対して在庫情報をはじめとする各種データを提供し、企業間のコミュニケーションやオペレーションを効率化するデジタルプラットフォーム『Metal X®』の提供を開始しました」と話す。
同社では、ソリューションビジネスやリーンオペレーションの実現と併せて、それらを支えるデジタル・IT基盤の整備、強化にも力を注いでいる。その重点施策としてクラウドの有効活用を推進している。間瀬氏は「当社は従来、独自の業務や高い品質を維持するため、システムをスクラッチ開発し、オンプレミス環境で運用してきました。近年はクラウドを積極的に活用し、世の中のベストプラクティスを取り込む『クラウドファースト』の方針を採用しています。これは、クラウドによってシステムをモダナイズし、開発・保守・運用の効率を高めています」との説明を加える。
こうした方針の下、同社はクラウド型EDIシステム連携基盤サービス「スマクラ」を導入した。導入の経緯について、メタルワン ITソリューション部システムユニットの竹之内 治氏はこう振り返る。
「当社は従来、EDIシステムをオンプレミスで運用し、クリティカルな処理を実現してきました。しかし、全社のDX化方針と同時期に2024年のINSネット終了に向けてEDIシステムの刷新が不可避となりました。クラウドファースト方針に基づき、クラウド型のEDIソリューションを採用する判断を下し、その結果、スマクラの採用につながりました」
多数あるクラウド型のEDIソリューションの中でスマクラを選んだ理由に間瀬氏は本サービスの豊富な実績を挙げる。
間瀬氏は「当社はEDIを通じて銀行、仕入先、顧客(需要家)等約65社とつながっており、システム上では日々大量のデータがやり取りされています。例えば、仕入先から送られてくる請求データだけでも、多い日には1日3,000件、明細で1万行規模に達するほどです。ゆえに、新しいEDIシステムには、大量のデータを問題なく扱える高い処理性能と可用性が強く求められました」と語り、こう続ける。
「実のところ、クラウド型のソリューションの採用にあたり、我々が求めるEDIシステムの高い処理性能と可用性が担保できるのか、運用時のトラブルに迅速対応ができるのかについて、当初は一定の不安がありました。ただ、スマクラは製造業や大量処理のある流通業で豊富な導入実績があり、提供元のSCSKは商社のビジネスを深く知るITソリューションプロバイダーである。こうした点を踏まえ、スマクラを採用し、EDIシステムの保守・運用をSCSKに委ねても問題はないと判断しました」
加えて、対応可能な通信プロトコルの豊富さも、スマクラ採用理由の一つである。竹之内氏は次のように明かす。「スマクラは、JX手順、EDIINT AS2、ebXML MS、全銀TCP/IP広域IP網、AnserDATAPORT、FTP、SFTP、ZEDI、HULFTなど、広範な通信プロトコルに対応し、システムを停止せずに新規接続先を柔軟に追加できます。こうした拡張性も、スマクラの魅力でした」。
同社はスマクラの採用を決定後、システム構築期間を経て2022年11月に本番運用を開始した。導入は段階式に進め、「スマクラによる新しい接続を希望する取引先から順番に、旧来システムからスマクラへとデータ伝送の経路を切り替えていきました」と、間瀬氏は説明する。

メタルワンにおけるスマクラ「導入前」「導入後」のEDIシステムのイメージ
間瀬氏によれば、2022年11月の運用開始以降、スマクラは安定稼働を続け、トラブルを一度も引き起こしていないという。間瀬氏は「当初の期待どおり、可用性の高いEDIシステムの導入・運用が実現されました」と評価する。
同社の場合、旧来のEDIシステムは社外のデータセンターに設置し、保守・運用を外部に全面的にアウトソースしてきた。そのため、スマクラへの移行後も、EDIシステムの社内的な保守・運用のプロセスが多く変化したわけではない。それでも、スマクラへの切り替えにより、EDIシステムを稼働させるハードウェア等のリプレース・運用の手間とコストが不要となり、年間約25%削減効果が見込めるという。
竹之内氏は「これまで5年に1回の頻度で、EDIシステムを稼働させるためのハードウェアを更新してきましたが、それが不要になったことで相当のコスト効果が生み出されると考えています」と語り、続けて「スマクラの採用により、電子帳簿保存法など、新たな法令に対応する手間も低減されています」と明かす。
スマクラの採用は、EDIシステムの運用の透明性向上にも寄与した。
竹之内氏は「旧来のEDIシステムは独自性が強く、委託先がどのようにして運用を行っているかが明確ではありませんでした。スマクラへ切り替えを行うに当たり、運用業務を可視化し、当社内の利用者や各種業務アプリケーション担当者が『どのような場面で、どういった問い合わせ・申請をSCSKに行えば良いか』を明文化し、社内へ共有することにしました。これにより、社内の問い合わせ方法や申請手続きが統一され、結果的にEDIシステムの可用性向上や運用効率化につながると考えています」と説明する。
また竹之内氏は、スマクラへの移行過程におけるSCSKの支援も評価する。「我々はEDIの専門家ではいため、新EDIシステムへの移行に際して取引先と何を確認すべきかを把握できていませんでした。SCSKには、その確認事項を細かく指南していただき、我々はそれをQ&A表に整理、管理することで取引先のスマクラへの移行がスムーズに行えました」。
同社では旧来システムからスマクラへの全面的な移行を完了した。間瀬氏は、スマクラの今後の活用について次のように語る。「スマクラがあれば、多様な通信プロトコルを通じた新しい接続ニーズに柔軟、かつ効率的に対応できるという期待が大きくあります。加えて、スマクラに蓄積される取引データを、Metal Xなどのソリューションビジネスや業務オペレーションの自動化にうまく生かしていくことも検討したいです」と明かす。さらに間瀬氏は、SCSKへの期待感を次のように示している。
「スマクラ導入によって企業間接続の基盤を整え、安定化を実現しました。SCSKには、スマクラ以外にも多彩なサービスやソリューションがあります。今後は、それらを活かしながら、当社のDX推進を多方面から支援いただきたいと考えています」

世の中の「ものづくり」を支える鉄鋼流通に欠かせないEDI基盤のアウトソーシングという重要なプロジェクトにおいて、メタルワン様には要件レビューから関係各所とのテスト調整まで綿密にご対応いただき、計画通りに導入を完了することができました。サービス開始後も大きなトラブルなく安定稼働しており、その後の追加要件や仕様変更にも柔軟に対応することで、お客様のビジネスの変化に合わせた関係を維持できていると考えております。今後も、ビジネスを支えるデータ連携基盤として、高品質で信頼性の高いサービスを提供し続け、貢献してまいります。
齊藤 政充
所在地:〒100-7032 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
U R L:
https://www.mtlo.co.jp/
2003年1月に三菱商事と日商岩井(現双日)の鉄鋼製品部門の統合によって設立。以来、鉄鋼メーカーの製品を仕入れ、その流通・加工・販売などを行う「トレーディング」の事業と、鋼材の加工・製造・販売といったバリューチェーンの各機能を有する企業に資本を投入する「事業投資」の事業を中心にグローバルにビジネスを展開している。
2026年1月初版