2)Hinemosとの比較
(※ 2015年2月時点の情報をもとに記述しています)
概要
NTTデータが開発している運用監視ソフトウェアです。
リソース、サービス、プロセス、ログの監視はもちろん、 ジョブ管理機能も持っています。
仮想環境やクラウドなど様々なオプションが用意されていますが、オープンソースで公開されているものには機能制限があり、カタログに記載されているようなオプションの機能を利用するためには、有償のサポートを契約しなければ利用できないことがあります。
ここで取り上げるのは、無償で利用できる範囲のみとします。
主な機能
- リソース監視/ログ監視/視覚化/ジョブ管理/一括制御/障害通知
対応プラットフォーム
- 監視用サーバ(マネージャ)
- Linux、Windows、Solaris、HP-UX、AIX
- 監視対象
- Linux、Windows、Solaris、HP-UX、AIX、SNMP 対応機器
SNMP やWBEM(WMI)を利用して監視対象を監視するようになっています。
無償で公開されているバイナリは、Linuxの特定のディストリビューションとWindowsのみです。
SNMP を利用して監視するだけではなく、一括制御やバッチの実行を行えるようにするためには、エージェントが必要になるのですが、LinuxとWindows以外のプラットフォームの場合にはエージェントのバイナリが提供されません。
自分でコンパイルすることができれば対応できる可能性がありますが、自分でコンパイルできないような場合はエージェントを必要とする監視・管理機能は利用できないでしょう。
有償サポートの契約を行えば、UNIX系OS(Solaris、HP-UX、AIX)用のエージェントも提供されるようです。
バージョン4.0までは、管理するサーバ側のマネージャーモジュールの64bit版を入手するにはサポート契約が必要でしたが、最近のバージョン(4.1)では、Linuxの64bit版のモジュールも公開されるようになったようです。
システム要件
- OpenJDK 1.7.0(java-1.7.0-openjdk、java-1.7.0-openjdk-devel)
- net-snmp
インストール方法
事前に依存するパッケージをインストールしておきます。
その後、マネージャやエージェントのファイルをダウンロードしてアーカイブファイルを展開後、用意されたインストーラを実行してインストールします。
Windows用のバイナリはmsiファイルですので、そのまま実行することでインストールが開始されます。
インストーラを実行して、環境に合わせて各種情報を入力してください。
操作設定方法
監視情報の設定や確認は、独自のソフトウェアからのみ操作することができます。
サードベンダーからWebを利用して操作できるものも公開されているようですが、公式なソフトウェアとしてHinemosの開発元であるNTTデータからは提供されていません。
Windows上のEclipseベースのアプリケーションなのですが、最初の起動時には、ウィンドウ内に何も表示されません。
メニューの「パースペクティブ」からパースペクティブの一覧を表示させ、「リポジトリ」を選択するなどして監視対象を登録するなどの作業を開始してください。
日本語対応
日本の企業が開発しているソフトウェアですので問題ありません。
ライセンス
- GPLv2
特徴
日本の企業が開発しているということと、ジョブ管理の機能を持っていることが特徴です。
Zabbixとの違い
Zabbixと比較する際に以下のような用語の対比を理解しておくとよいでしょう。
厳密には、機能的な違いや可能なこと不可能なことが異なりますが、同様の概念で扱えることも多いと思います。
Zabbix | Hinemos | 意味 |
---|---|---|
ホスト | ノード | 監視対象のサーバや機器 |
ホストグループ | スコープ | 監視対象をグループ化 |
アイテム | 監視設定[一覧]内の監視項目 | 監視する項目 |
トリガー | (監視項目と通知設定に含まれる) | 監視の為の閾値設定 |
アクション | 監視設定[通知]内の通知設定 | 監視の閾値を超えた際の処理設定 |
Zabbixは、Webブラウザを利用して監視の設定や各サーバの状態、グラフを見ることができますが、Hinemosの標準機能では、専用のソフトウェアを利用しなければ情報を見ることも操作することもできません。
Hinemosであれば、エージェントがインストールされている監視対象に対しては、登録されたノードの情報を利用して、一括制御と呼ばれるそれぞれのノードに対するジョブを実行することが可能であるため、複数のサーバに同じような設定変更を行う際に有用です。
設定変更以外にも、ジョブ管理の機能を持っているため、複数のジョブを組み合わせてジョブネットを定義し、各ジョブでの実行結果を考慮した処理分岐なども含むジョブ管理を行うことができます。
ただし、ジョブ実行に関しても、対象のノードにエージェントがインストールされていることが必要です。
Zabbix自体にはジョブ管理の機能はありません。
Zabbixでジョブ管理を行うのであれば、他のツールと組み合わせて実現することになります。
参考URL
- Hinemos
- 技術情報
-
Hinemos v4.1 入門編(1) Hinemos を使ってみよう
http://www.hinemos.info/technology/nttdata/2014082101
2015/05/27に新しいバージョンの5.0がリリースされました。
Webブラウザを利用して設定ができるなどいくつかの改善が行われているようです。
http://www.hinemos.info/release/hinemosver500
※Zabbixはラトビア共和国にあるZabbix SIAの商標です。
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