株式会社キリウに向け「atWill Template」をベースとした生産管理システムを構築 ～出荷製品とデータの即時チェックを実現し、作業時間を3分の2に短縮、出荷ミスゼロも達成～

1. 背景

キリウでは、自動車に欠かせないブレーキディスクとブレーキドラムの開発製造を専門に行っており、国内に本社を含む4拠点、海外にもアメリカや中国など、9拠点にわたり、グローバル展開を行っています。

ブレーキは、しっかりした生産体制と製品に対するトレーサビリティーが求められ、キリウでは「一気生産」という、モノづくりに対するアプローチを重視しています。「一気生産」とは、モノの流れを切り口に、企画・設計から生産、出荷まで、さらには金型・設備の内製を含め、工程内の無駄を徹底排除した効率的な一貫生産の仕組みです。

さらなる「一気生産」の推進には一元的な生産管理システムが必要だったものの、社内に存在するツール、データは多種多様であり、既存のパッケージ製品では、現場の声を活かしたカスタマイズを実現するには開発期間、コストともに膨大になる懸念がありました。そんな中、パッケージよりも柔軟に機能開発ができる生産管理テンプレート「atWill Template」を活用した新たなシステム「G-KIPRO」の開発を実施するに至りました。

2. 生産管理テンプレート「atWill Template」の特長

「atWill Template」は、製造業にとってベースとなる機能をテンプレートとして提供しています。使いたいテンプレートを組み合わせ、カスタマイズしてシステムを構築していきます。そのため、パッケージよりも柔軟に機能開発ができ、フルスクラッチよりも開発時の負担を低く抑えられます。

3. 課題と解決策

キリウでは、以前から原価管理に「atWill Template」を利用していましたが、このたび「G-KIPRO」にも活用し、自社が抱える課題を次のように解決しました。

• 課題　：複数のツールの併用により各業務が分断され、「一気生産」の推進が困難
• 解決策：統一したシステムを構築し、全社で販売や生産、在庫などを見える化

• 課題　：生産管理パッケージ製品では、カスタマイズにコストと時間がかかり、現場の声の反映が困難
• 解決策：カスタマイズ性の高さと容易さによって、細かい要望にも対応

• 課題　：工場ごとに異なるツールを利用しており、データの連携が難しく、作業者の手作業が発生
• 解決策：一元的に統一された生産管理システムで、工場間の連携を自動化

4. 導入後の効果

「G-KIPRO」の本番稼働から1年が経過し、以下の導入効果が得られています。

• 膨大な手作業ゼロを実現
  生産指示から実績までの作業工程では、13工程から5工程まで削減しました。転記によるミスゼロを実現しました。
• ミスを起こさないためのチェック作業の軽減
  出荷する現物製品とデータの即時チェックが可能となり、目視を中心としたチェック作業を排除しました。これにより、作業時間をそれまでの3分の2に短縮しました。
• 人による業務精度、スピード差が解消
  統一されたシステムが稼働したことで、人による作業習熟度の差が縮小し、作業時間の短縮を実現しました。
• 拠点間連携の飛躍的な進展
  他工場とも統一されたシステムを共有し、同じ画面・データを確認できるため、業務遂行のスピードが向上しました。
• システム完成後も容易に追加開発が可能
  システム基盤となる「atWill Template」の特性を活かし、新たな課題に対しても高速開発ツールを駆使して迅速な対応を実現しています。

5. キリウ様のコメント

「G-KIPRO」には、製品をお客様のところに届けるまでのモノづくりが記録されています。それは当社の業務の根幹ともいえます。そこで、連携できるシステムは全部、「G-KIPRO」のデータを活用できる仕組みを作っていこうと動き出しています。さらなる一気生産推進のために「atWill Template」とSCSKには大いに期待しています。

株式会社キリウ
開発部（ICT 担当）
主担　川澄 孝行

生産管理テンプレート「atWill Template」について

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