株式会社ツムラ 様

コロナ禍により困難になった
対面営業による情報提供をカバーすべく
医療従事者向け会員制Webサイトを
4ヶ月で新規立ち上げ

顧客接点の高度化

短期間での構築を実現させたSCSKのテンプレートは、場所という垣根を越え
満足度の高い情報提供を可能にするコミュニケーションの場を実現

事例のポイント

お客様の課題

  • 既存サイトで発信していた情報は医療従事者のニーズを満たせていなかった
  • 医療従事者への情報が途絶えることを防ぐため、短期間でWebサイトを立ち上げて営業活動を開始する必要があった
  • コロナ禍でMRの対面営業が困難となり、Webサイトやデジタルマーケティングの強化が急務に

課題解決の成果

  • 医療従事者の属性に合わせて、ニーズを満たす最適な情報を提供できるようになった
  • 会員登録した多くの医療従事者に対し、場所という垣根を越えてリーチできるようになった
  • 実績ある汎用テンプレートの活用により、4カ月でWebサイトを構築し営業活動が開始できた

導入ソリューション

  • 医療従事者向け会員制Webサイト汎用テンプレート集「pharma.websas.jp」
  • クラウドCMS「Acquia」

株式会社ツムラ
医薬営業本部 医薬マーケティング部
デジタルコミュニケーション推進課
課長

石橋 茂

株式会社ツムラ
製品戦略本部 学術制作部 企画制作課
課長

内山 紀子

「遠方の医療従事者から“著名な先生の話がオンラインで聞ける”と好評、
多くの医療従事者へリーチできるようになった」

医薬営業本部 医薬マーケティング部 デジタルコミュニケーション推進課 課長

石橋 茂

背景・課題

コロナ禍で従来のMRによる対面営業が困難に
医療従事者向けWebサイトからの情報発信を検討

 医薬品メーカーとして今年で130周年を迎え、医療用漢方製剤市場では80%以上と圧倒的なシェアを誇るツムラ。現在、同社は長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」のもと、“Cho-WA”(調和)のとれた未来を実現する企業を目指している。そのテーマのひとつに「漢方バリューチェーンのDX化」があり、先端技術を用いたスマートファクトリー化、AIロボットによるサプライチェーンの効率化など、ITを活用したビジネス変革にも積極的に取り組んでいる。

 そんな同社において大きな課題だったのが、Webサイトからの情報発信だ。それまでもコーポレートサイトを通じて製品や漢方に関する情報を発信していたのだが、必ずしも医療従事者のニーズに合ったものではなかったという。医薬営業本部 医薬マーケティング部 デジタルコミュニケーション推進課 課長の石橋茂氏は「2019年、厚生労働省による医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインが適用され、文言などの厳密化が求められました。これに合わせて当社も情報発信のあり方を見直すことになり、コーポレートサイトの強化対応が遅れてしまっていたのです」と振り返る。

 こうした中、2020年初頭に始まった新型コロナウイルス感染症のまん延による対面営業の自粛が同社を襲った。漢方製剤をメインに扱う同社の場合、総合診療、内科、産婦人科、脳神経外科など、あらゆる診療科が営業の対象となる。営業にあたっては、MR(医薬情報担当者)によるきめ細かな情報提供が必須なのだが、コロナ禍で対面での営業活動が困難になってしまったのだ。
「これまで頼っていた対面営業が不可能になった以上、情報配信の代替手段として、Webサイトやデジタルマーケティングの強化が急務となりました。そこでまず、営業戦略に対応できる医療従事者向け会員制Webサイトの構築を検討することにしたのです」(石橋氏)

解決策と効果

採用の決め手は4カ月間という短期間での
Webサイト構築を可能にする実績あるテンプレート集

 ツムラはWebサイト構築について複数社を対象にパートナーとなる企業を検討。最終的にSCSKを採用した。その決め手となったのは、早急な立ち上げという要件に対し、医療従事者向け会員制Webサイト汎用テンプレート集『pharma.websas.jp』およびクラウドCMS『Acquia』を活用した提案内容にあったという。製品戦略本部 学術制作部 企画制作課 課長の内山紀子氏は「提案を受けた時点で、半年後の2021年4月1日までにサイトをオープンし営業活動を開始するという目標がありました。他社の提案の中にはゼロから作るというものあり、それでは間に合わないおそれがありました。一方、SCSKの提案は実績のあるテンプレートを活用し短期間に立ち上げるものでしたので、スケジュール的に安心感がありました。このほか、将来的にWebサイト、コールセンター、MA、DWH、BIツールなどを連携させ営業活動全般を支援するという提案、過去のMR用営業支援モバイルクラウドサービスの導入実績なども評価し、SCSKに決めました」と語る。

 Webサイトの構築プロジェクトは2020年12月からスタート。要件定義、構築、移行を経て、計画通り2021年4月1日に『TSUMURA MEDICAL SITE』という名前でオープンした。
「『TSUMURA MEDICAL SITE』では、オンラインの『リアルタイム講演会』と、漢方医学の基本や処方の使い分け、エビデンス等を解説した『動画ライブラリー』の2つを目玉にすることとしました。4ヶ月という短期間で、講演会の配信計画や動画コンテンツを作成することになり、その制作に追われましたが、何とか間に合わせることができました」(石橋氏)

 一方で、既存サイトから漢方製剤の製品情報を移行するという作業では苦労が多かったという。
「弊社が扱っている製品は全部で129種類あり、1つ1つに添付文書、使用上の注意、インタビューフォームなどの文書ファイルが紐付いています。これらを手作業でミスなく移行する作業は大変でした」(内山氏)

 TSUMURA MEDICAL SITEでは、公開後から多くの医療従事者がその掲載情報に惹かれ、日々会員登録数を伸ばしている。目玉のひとつである『リアルタイム講演会』は人気コンテンツで、オンライン視聴ができるという。
「講演会を見た方からは、好意的な感想が寄せられています。特に、以前は会場に足を運ぶ機会の少なかった遠方の医療従事者からは“著名な先生の話がオンラインで聞ける”と好評で、これまで以上に多くの医療従事者へリーチできるようになりました」(石橋氏)

 もうひとつの目玉である『動画ライブラリー』も、動画の数が徐々に増えており、2023年3月時点で100本以上が視聴可能となっている。
「漢方の入門的な内容から、エビデンスや薬理作用といった専門的な内容まで幅広く発信でき、MRだけでカバーできなかった医療従事者にまで情報をお届けできていることを実感しています」(内山氏)

左から株式会社ツムラ 内山 氏、石橋 氏

今後の展望

Webサイト公開後もコンテンツを拡充
医療従事者の属性に合わせて情報を発信

 ツムラはTSUMURA MEDICAL SITE の公開後もコンテンツの拡充を進めている。2022年には、医療従事者からの質問や相談に専任のMRがオンラインで答える『漢方オンラインMR面談』や、3DのアバターがAI音声でプレゼンテーションする『ツムラ漢方バーチャルMR』を追加。また、顧客接点獲得のためにCX(顧客体験)プラットフォームやMAツールを導入し、医療従事者の属性に合わせた情報発信を行い、サイトの訪問率を高めている。石橋氏は「会員情報、サイト閲覧数、講演会参加履歴などのデータを分析し、誰に対して、どのような価値を、どの手段で届けるのが効果的かを割り出しながら最適な情報を発信していきます」と述べ、内山氏も「“漢方のことならツムラのWebサイトに行けばなんでもわかる”と医療従事者に思っていただけるよう、信頼できるデータを集約し、1人1人に合わせた情報を発信していきます」と語っている。

 SCSKとは現在でも週1回、定例ミーティングを行って意見交換を続けており、有益かつ利便性の高いチャネル基盤の実現に向けて改善を重ねている。
「SCSKはWebサイト構築の初期段階から今に至るまで、当社から出るさまざまな意見に耳を傾けつつ、最適な提案をしてくれています。今後も引き続きご支援をお願いしたいですね」(石橋氏)

SCSK担当者からの声

コロナ禍において非対面の営業形式が増えることでコミュニケーション手段が多様化し、デジタル配信によるプロモーションの重要度が高まっています。今回は、訪問規制といった環境変化への課題解決の手段、営業戦略を見据えた施策として、SCSKの医療従事者向け会員制WEBサイト汎用テンプレート「pharma.websas.jp」を活用し、早期構築が可能な点を評価いただいたと考えております。短期間での構築のため、コンテンツ準備や意思決定のスピード感も求められましたが、ツムラ様のご協力により計画通りWebサイトを公開することができました。今後もWebサイトを含めたデータ活用基盤の構築を推進するとともに、ツムラ様の業務に貢献できるようご支援させていただきます。

ヘルスケアセンター ヘルスケア開発部
課長

関 和哉


お客様プロフィール

株式会社ツムラ

所在地:東京都港区赤坂2-17-11
U R L:
https://www.tsumura.co.jp/

1893年、津村順天堂として創業。以来、漢方製剤のトップメーカーとして、「自然と健康を科学する」を経営理念に事業を展開する。1988年に社名を株式会社ツムラへ変更。2022年4月にはツムラグループとして、新たに「パーパス」を制定。創業時に目指した“社会公益の一端となる意義ある事業”の精神を引き継ぐ「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を事業の志として、多様な社会を創り、一人ひとりが輝く未来の実現を目指している。

2023年3月