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証跡管理とは?重要性が高まる理由や目的について分かりやすく解説

「証跡管理って何?」
「証跡管理を行う目的について知りたい」

証跡管理とは、業務プロセスやシステムの履歴を示す証跡を記録・保存しておき、必要に応じて確認や分析ができるようにすることです。企業の内部統制・不正防止・監査対応に欠かせないため、正しく理解することが非常に重要です。

この記事では、証跡管理の基本、重要性、活用目的を実務目線でわかりやすく解説します。

1. 証跡管理とは

証跡管理とは、業務プロセスやシステムの履歴を示す証跡を記録・保存しておき、必要に応じて確認や分析ができるようにすることです。ITシステムにおいて、証跡管理は「誰が・いつ・何のために・どのように」情報にアクセスしたのかを正確に把握する役割を持ちます。

そもそも証跡とは業務プロセスや従業員の行動、システム上の管理などが法令や組織規定に従っていることを客観的に示す証拠や記録を指します。似た言葉に証憑がありますが、証憑は「取引に関する記録」であり、証跡は「適切性を証明するための記録」と定義されています。証憑は証跡の一部であるともいえます。

証跡管理と似た言葉にログ管理がありますが、証跡管理は「ルール通りに行われたか」を証明する証拠収集を目的とするのに対し、ログ管理は「システムが正常に動作しているか」や「異常時の原因究明」を目的とする点が異なります。ログ管理は証跡管理の一部であるとも言われています。

証跡管理において留意するべき点として証跡の保存期間がありますが、保存期間は証跡の種類や法令によって異なるので、証跡ごとに適切な期間を考慮しなければなりません。例えば、会計帳簿や証憑書類に関しては、税法により7年(欠損金繰越控除がある場合は10年)と定められています。一方で、監査証跡・システムログに関しては、法令による明確な定めはないため、組織のセキュリティポリシーやガイドラインに従うことが求められます。

2. 証跡管理の重要性が高まっている背景・理由

証跡管理の重要性が高まっている背景・理由を3つ解説します。

  • IT化が進んだから
  • テレワーク・リモートワークが普及したから
  • 電子帳簿保存法の改正が行われたから

(1)IT化が進んだから

証跡管理の重要性が高まっている理由の1つ目に、世の中のIT化が進んだことが挙げられます。

業務システムのクラウド化やデータの電子化が進むにつれて、取引履歴や操作ログなどの「電子的な証跡」が膨大に増加しました。これらを適切に記録・管理しなければ、情報漏れや改ざんが起きたり、トラブル発生時の原因究明が困難になったりするリスクが高まってしまいます。このように、証跡を適切に管理するために、透明性を示す必要性が生まれました。

(2)テレワーク・リモートワークが普及したから

証跡管理が重要になってきた理由の2つ目に、テレワーク・リモートワークが普及したことが挙げられます。

コロナ禍の影響で、従業員がオフィス外の自宅などで業務を行うテレワーク・リモートワークの機会が増え、業務プロセスを直接目で見て確認することが難しくなりました。そのため、業務の実施状況や承認プロセスを「証跡」として残しておき、いつでも照会ができるように管理することが、情報管理者や監査担当者にとって不可欠となっています。

(3)電子帳簿保存法の改正が行われたから

証跡管理が重要になってきた理由の3つ目に、電子帳簿保存法の改正が行われたことが挙げられます。

2022年1月の電子帳簿保存法の改正に伴い、電子による取引情報は電子データのままで保存することが原則となりました。これによって「真実性の確保」を満たすための適切な証跡管理の仕組みがよりいっそう求められるようになりました。

電子取引を行う際には、電子データの改ざん防止や保存要件への対応が求められ、法令遵守の観点からも証跡管理の重要性が増しているといえます。

3. 証跡管理を行う4つの目的

ここでは、証跡管理を行う4つの目的について解説します。

  • 内部統制の強化と上場準備
  • 不正防止・抑止および追跡
  • 法令・規制対応(コンプライアンス)
  • サイバーセキュリティ対策とインシデント対応

(1)内部統制の強化と上場準備

証跡管理を行う目的の1つとして、内部統制の強化と上場準備が挙げられます。

企業が経営の透明性と信頼性を確保するためには、内部統制体制を整備し、業務の正当性を客観的に証明できる証跡が不可欠です。企業の業務が正しく行われていることを客観的に証明できる証跡は、経営状況の判断の根拠となり、投資家や株主にも安心感を与えることができます。

また、上場を目指す企業では、J-SOXなどの内部統制報告制度への対応が求められ、証跡の管理が上場審査の前提条件となります。

証跡管理を適切に行うことは内部統制を強化し、上場準備を進めるうえで欠かせない取り組みだと言えます。

(2)不正防止・抑止および追跡

証跡管理は不正防止・抑止および追跡のためにも行います。

証跡の存在自体が内部犯行や不正行為に対する抑止力となります。また、万が一不正が発生した場合でも「誰が・いつ・何を行ったか」を正確に記録することで、責任の所在を明確にできます。

改ざん防止の仕組みやアクセス制御を組み合わせて証跡管理を行うことで、リスクマネジメントにつなげることが大切です。

(3)法令・規制対応(コンプライアンス)

証跡管理を行うことは、法令・規制対応(コンプライアンス)につながります。

J-SOX、GDPR、ISMSなどの規制や認証制度では、業務記録やアクセスログの保存・管理が義務化または推奨されています。これらの要件に対応するため、監査証跡を適切に保存・レビューすることは、法令遵守と企業の社会的信頼の確保に直結するといえます。

証跡管理を行いコンプライアンスを遵守することは、外部ステークホルダーへの説明責任を果たしたり、企業の社会的信頼を高めたりするためにも不可欠です。

(4)サイバーセキュリティ対策とインシデント対応

サイバーセキュリティ対策とインシデント対応も証跡管理を行う目的の1つです。

サイバー攻撃や情報漏えいが発生した際、証跡は原因究明と被害範囲の特定に不可欠です。証跡をもとにシステムログや操作履歴を分析することで、サイバー攻撃の経路や異常操作の特定が可能となり、迅速な対応や再発防止策の策定につながります。

また、証跡管理は単にトラブル対応のためだけでなく、日常的なセキュリティ監視やリスク管理の一環としても機能します。このように、証跡管理は企業のセキュリティ体制を支える中核的な役割を果たします。

証跡管理を行い信頼性の向上やリスク管理に備えよう

この記事では、証跡管理の基本、重要性が高まっている理由、目的について詳しく解説しました。

証跡管理は単なる記録保存ではなく、企業の信頼性とコンプライアンスを支えるうえで非常に重要です。証跡管理を適切に行うことで、業務の透明性を確保し、監査やトラブル発生時にも迅速かつ正確に対応できる体制を構築することができます。

また、管理にはツールなどを活用し、自社の業務に合わせて適切な方法で行うことが大切です。証跡管理を日々の業務に取り入れ、企業の円滑な運営やリスク管理に役立てましょう。

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