製造現場のDX化を推進するには?必要なステップや課題解決策を解説
「製造現場でのDX化をどこから進めればよいのかわからない」
「DX化を進めることで、製造現場全体にどんな効果があるのか知りたい」
製造現場では生産性の向上や省人化の必要性が高まってきており、デジタル技術の活用によるDX化の推進が求められています。製造現場でDX化を推進できれば、現場が抱えるさまざまな課題を総合的に改善していくことができます。
この記事では、製造業におけるDX化の重要性や、DXを実現するための導入ステップ、課題を乗り越えるためのポイントについて詳しく解説します。
自社の現場にDXを取り入れ、生産性・品質・競争力の向上を実現するためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 製造現場のDX化とは
製造現場のDX化とは、デジタル技術を活用して現場の業務・設備・人材の在り方を根本的に変革し、生産性・品質・安全性を大幅に向上させる取り組みを指します。そもそもDXとは、デジタル化で得たデータを用いて、業務や組織の仕組み自体を変革することです。
製造現場でDX化を推進する最終的な目的は競争上の優位性を確立することであり、生産工程の効率化とコスト削減などが期待できます。
2. 製造現場でのDXが進む背景
製造現場DXが進む背景として、少量多品種・短納期に対する要求が高まっていることや、多くの製造現場で量産と小ロット生産を並行して進めていることによる管理業務の複雑化などが挙げられます。これらの解決を図るための施策として、近年、製造現場ではDX化の重要性が急速に高まっています。
また、少子高齢化による人手不足、熟練技能者の引退、コスト削減の必要性の増加など、他にも現場が抱える課題はたくさんあります。加えて、競合他社の生産性や業務効率は急速に向上しているため、自社がDXに取り組まなければ相対的に競争力が低下し、市場で不利な立場に追い込まれるリスクも否めません。
このような背景から、デジタル技術を活用して生産性と競争力を高める「製造現場のDX化」が多くの企業で進められています。
3. 製造現場でDX化を推進するメリット
製造現場でDX化を推進するメリットについて、生産管理の3要素とも呼ばれるQCDの観点から解説します。
- Quality:品質の向上と安定化
- Cost:コスト削減
- Delivery:納期の安定と短縮
(1)Quality:品質の向上と安定化
品質面でのメリットとして、生産品質の向上と安定化が見込めます。
DXによって、製造ライン上のデータをリアルタイムで収集・分析することができるため、不良発生の予兆をつかみ、品質トラブルを未然に防止することにつなげられるからです。
例えば、AIによる画像認識システムや異常検知システムを導入することで、ライン上の状態を可視化し、不良品の早期発見や設備故障の予知保全を行うことができます。結果として、品質トラブルの削減や納期遅延の防止につなげられるため、生産性の向上や顧客満足度の向上が期待できます。
(2)Cost:コスト削減
製造現場のDXはコスト削減にも寄与します。
例えば、工程管理アプリなどを活用し、設備の稼働状況や生産データをリアルタイムで見える化することによって、生産工程の整理を行うことができます。これは無駄な停止やロスを削減できるため、コスト削減につなげられます。無駄な作業・待ち時間・余剰在庫などのコスト増加要因を数値で特定しボトルネックを正確に把握することで、効率的なコスト削減計画を立てられます。
(3)Delivery:納期の安定と短縮
DX化の推進によって、納期の安定と短縮も期待できます。
DXによって生産状況がリアルタイムに可視化されることで、現場リーダーや経営層が即座に生産進捗を把握でき、トラブル発生時にも迅速にリスケジュール対応が可能になります。これにより、工程遅延やライン停止による納期遅れを防ぎ、リードタイム短縮や納期遵守率の向上を実現できます。
製造において、必要な人数が確保できないことや作業が特定の個人に偏ることは、業務の遅延や対応力の低下を招き、納期の安定に直結しますが、DXを推進することで人手不足と属人化の解消が見込めるため、このような事態を防ぐことができます。
4. 製造現場特有のDX課題と解決策3選
QCDの観点で多くのメリットがある製造現場でのDXですが、製造現場特有のDX課題も存在します。ここでは、そのDX課題について解決策と合わせて3つに分けて解説します。
- 課題解決に沿ったDX化
- システム統合が困難
- 抵抗感による現場の理解不足
(1)課題解決に沿ったDX化
よく勘違いされがちですが、DX化というのはデータを取得して可視化することではありません。
現場の課題をヒアリングし、課題解決に必要なデータを逆算して整備し、生産性を上げる事が最終目標です。
具体的な解決策例
- 現場のデータと業務プロセスを分析し、解決すべき優先度の高い課題を特定し、関係者間で合意形成を行う。
- PDCAの実行:ツールを導入・試行し、効果測定しながら成功体験を積む。必要に応じでダッシュボードの改善を行う。
(2)システム統合が困難
2つ目の製造現場でのDX課題として、システム統合が困難であることが挙げられます。
製造現場では、設備や製造過程ごとに異なるシステムやデータ形式が存在するため、連携が難しいケースが多く見られます。したがって、IoTプラットフォームやAPI連携を活用し、データの統合基盤を整えることが重要です。
具体的な解決策例
- 異なるメーカーの制御装置をご利用いただいている場合、Gateway製品でデータを収集します。
- 代表的なGateway製品についてはDr.Sum及びMotionBoardに連携が可能です。取得した情報をDr.Sumに連携して蓄積したり、リアルタイム性の高いデータはMotionBoardに直接連携してリアルタイムでの可視化が可能です。
※Gateway(ゲートウェイ)とは異なる通信プロトコルを持つネットワーク同士を接続し、データの変換・中継を行う機器及びソフトウェアです。
(3)抵抗感による現場の理解不足
3つ目の課題は、従業員が新しい技術やデジタル化に不安や抵抗を感じることで、DXの目的や必要性が現場に浸透しにくい点です。
現場では、今のやり方で十分といった声が根強い場合もあり、DX化がなかなか進まないことも多いです。特に、長年の経験や担当者の勘を重視する文化がある製造現場では、変革に対する心理的ハードルが高い傾向があるため、納得のいく説明や話し合いの積み重ねが必要となります。
具体的な解決策例
- 現場メンバーへの聞き込みなどを通して巻き込みながらDX化を進める
- DX化の担当者が現場と経営層をつなぐ役割を行い、対話を重ねながら信頼関係を築く
5. 製造現場のDX化を推進するための4つのステップ
ここでは、製造現場のDX化を段階的に進めるための4つのステップを紹介します。
- 紙の記録情報や、設備の状態のデジタル化(デジタイゼーション)
- 作業者、設備のデータが取れ、可視化されている(デジタライゼーション)
- データを掛け合わせ、新たな気づきが得られている
- 生産性向上から収益性向上、儲かる工場へ(DX化)
(1)紙の記録情報や、設備の状態のデジタル化(デジタイゼーション)
紙情報のデジタル化、設備データの収集製造現場の多岐にわたる紙の記録(点検表、作業指示書など)や、稼働中の設備から出力されるデータをデジタル化します。
MotionBoardと同じメーカーであるWingArc1st社のDr.Sumは、これら散在する多種多様なデータを高速に集約・統合し、分析可能な基盤を構築します。
(2)作業者、設備のデータが取れ、可視化されている(デジタライゼーション)
現場の「見える化」とリアルタイム監視集約した作業者・設備データをMotionBoardでリアルタイムに可視化します。
生産実績、進捗、OEE(設備総合効率)、品質データなどを分かりやすいダッシュボードで共有し、現場の異常や問題点を迅速に把握できる状態(事実に基づいた議論ができる環境)を実現します。
(3)データを掛け合わせ、新たな気づきが得られている
設備データと作業実績、品質データ、さらにはサプライチェーンや販売データといった異なる種類のデータをMotionBoard上で自在に掛け合わせることで、「設備の特定の稼働条件と、その後の製品の不良率の関係」など、単体のデータからは見えなかった新たな傾向や因果関係を発見し、改善の示唆を得ます。
(4)生産性向上から収益性向上、儲かる工場へ(DX化)
データに基づいた経営判断と改善サイクルの確立ステップ3で得られた気づきを基に、生産計画の最適化、品質改善、コスト削減を継続的に実行し、収益性の向上を目指します。
MotionBoardは、現場の改善活動だけでなく、経営層の意思決定に必要なKPIをリアルタイムに提供することも可能ですので、データ駆動型の「儲かる工場」への変革を強力に支援します。
製造現場のDX化を進めよう
この記事では、製造現場のDX化を進めるメリットや具体的なステップについて解説しました。
DXは改善効果が見えやすい小さな範囲から実験的に導入し、そこで得られた成果やノウハウをもとに、徐々に範囲を広げ現場全体や他の部門にも展開していくことで、無理なく効果を定着させることができます。
多くのメリットが期待できる製造現場のDX化をぜひ検討してみましょう。