[ コラム ] 【調査レポート】製造業の調達・購買DXの「現在地」と「次の一手」とは?
156名へのアンケート結果を公開

先行き不透明な経済環境下における製造業の調達戦略

原材料の高騰や「調達クライシス」、さらには取引適正化法(取適法)や脱炭素(Scope3)への対応など、製造業の調達・購買部門が直面する課題は年々複雑化しています。

こうした環境変化に対応するため、サプライチェーン全体を横断したDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性がかつてないほど高まっています。しかし、実際の現場ではどこまでシステム化が進み、どのような課題を抱えているのでしょうか。

SCSKでは、売上高100億円以上の製造業における調達・購買担当者156名を対象に、DX推進に関する実態調査を実施しました。本記事では、その調査結果の一部を抜粋してご紹介します。

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調達・購買領域のシステム化、4割弱にとどまる現状

「調達・購買領域で現在システム化されている機能」のグラフ

調査の結果、製造業の調達・購買領域におけるシステム導入済みの企業は、全体で39.1%と4割弱にとどまっている実態が明らかになりました。

特に、サプライヤーとのコミュニケーション領域においては、依然としてメール、電話、FAXといったアナログな手段への依存が続いています。

このような「情報の分断」は、特定の担当者に情報が集中する「属人化」や、情報の転記ミス・確認漏れによる「業務遅延」を招く一因となります。

不透明な社会情勢の中で、急激な需給変動が生じた際、こうしたアナログな運用が企業の対応力を著しく低下させるリスクとなっていることが浮き彫りになりました。

今後求められるのは「サプライヤー分析」と「EDIの普及」

「調達・購買領域で今後システム化したい機能」のグラフ

今後システム化したい機能として最も多く挙げられたのは、「サプライヤー分析機能(27.6%)」でした。

次いで「EDI機能(22.4%)」、「複数取引先への相見積機能(20.5%)」と続いています。

現状、最も導入が進んでいるのは「EDI機能」で約3割(30.1%)となっていますが、裏を返せば7割近くの企業がいまだに発注業務のデジタル化を完結できておらず、普及水準としては不十分な状況です。

製造業は企業ごとに生産プロセスや業務フローが多様であるため、プロセスの標準化やシステム化のハードルが高い傾向にありますが、今後は単なる発注のデジタル化にとどまらず、サプライヤーごとの評価やリスクを可視化する「情報の統合」が、戦略的な調達を実現するための「次の一手」になると推察されます。

システム導入を阻む最大の壁は「費用対効果」

システム導入を検討・推進する際の課題として、41.0%の企業が「費用対効果(ROI)が不明確」であることを挙げています。

次いで「既存システム(基幹システム・工程管理システム等)との連携(28.2%)」、「運用ルールの整備(27.6%)」が上位にきています。多くの現場がデジタル化の必要性を感じつつも、投資に見合うだけの定量的なメリット(工数削減効果やコスト削減額など)を社内で証明しきれないこと、そして既存の基幹システムとのデータ連携の難しさが、DX推進における大きなボトルネックとなっています。

今後は、法制度への対応やリスク回避といった側面からも、多角的に導入メリットを評価していく姿勢が求められています。

レポート掲載内容

本レポートをダウンロードいただくと、全12ページで下記の情報を御覧いただけます。

アンケート調査実施概要

1 調査の目的 売上高100億円以上の製造業における調達・購買部門を対象に、DXの現状を明らかにし現場の担当者がどのような業務や機能に対してシステム化を求めているのかを特定すること
2 調査の対象 製造業の売上高100億円以上規模の企業における調達・購買部門の担当者
3 調査方法 インターネットリサーチ
4 調査期間 2025年10月3日~2025年10月7日
5 回収状況 有効回答数 156件

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