導入の背景・効果
現状、設計部門ではAutoCAD Mechanical をメインツールとして2次元設計を行っていますが、3Dモデル化 については、Inventor Professional をオリジナル製品の提案等に活用し、成果を上げています。また一部では構造解析 にも活用しました。強度など従来は実測値を蓄積したデータベースを基に判断していましたが、解析結果がその数値と一 致したことから双方の信頼性が確認できました。こうした実績を積み重ねながら、着実に3次元化を図っていく計画です。
小池 修治 氏
株式会社日本製衡所 生産本部 部長
ソフトウェア
Product Design Collection/メインツール:AutoCAD Mechanical, Autodesk Inventor,Autodesk Fusion 360
SCSK の 3 次元立上げ支援サービスをフル活用!
クラウドプラットフォームで新たなものづくりの可能性を開拓
いち早く着手し着実に進める 3 次元化への道
日本製衡所は工業分野に特化した計量器の総合 メーカー。主力はトラックスケールや工業用台秤 など 100 ㎏〜 10 万㎏の大型計量器で、その品 質の高さには定評がある。 「小規模ながら受注から設計、製造、アフターサー ビスまでトータルに行うのが当社の特長です。特 に一品物や特殊品と呼ぶ規格外の計量器を得意 としています。」そう語る生産本部長の小池修治氏 によれば、近年はポータブル重量計や工業用ホッ パースケール、洗浄機能付トラックスケールなど独 自製品の開発にも注力している。まさに先進的取 組みで業界をリードする存在だけにデジタル化へ の取組みも積極的だ。2000 年には AutoCAD Mechanical を導入し 2D CAD による設計体制 を確立していた。しかし、同社の進化は停まらない。 次なる一歩が営業部門から始まったのである。営 業企画課の青木賢史氏は語る。
「当社の製品はコンセプトや機構・構造を顧客にき ちんと理解していただくことが重要です。ところが 2D 図面やイラストで行うプレゼンには多くの問題 があったんです。」2D によるプレゼンでは、製品へ の理解は営業マンのスキルや顧客の想像力に依存 する部分が多い。説明を繰り返したり、イラストや 図面を何度も提出する必要があり、営業マンの訪 問回数や提出資料が増えて量産や生産決定までの 時間が掛かり過ぎていた。この問題の解決策として青木氏が打ち出したのが3D の活用である。3D ベースのプレゼンでさまざまな無駄を省き、量産へ の時間を圧縮しようと考えたのだ。提案を受けた小 池氏も、この取組みに異論はなかった。 「2D 設計を確立したとはいえ、いずれ3D が必要 になってくるのは確実です。CAE へ応用できれば すぐにも活用できるし、早目に着手して3D 設計 体制へソフトランディングを図ろうと考えました。」 (小池氏)
こうして 3 次元設計への取組みを開始した日本製 衡所が利用したのが、この分野で豊富な実績を持 つ SCSK の 3 次元立上げ支援サービスだった。 これはオートデスク認定資格を持つスタッフがユー ザー企業に合った最適な 3 次元ソフトを選定し、 その導入から3 次元設計環境など運用体制の構 築までトータルに支援するサービスだ。早速、日 本製衡所の営製両体制の綿密なリサーチを行った SCSK スタッフが最適なソリューションとして選定、 提案したのが Product Design Collection だっ た。プロダクトデザインからビジュアライゼーション、 プレゼン、情報共有まで、「ものづくり」に必要な全 てを網羅した設計とエンジニアリングツールのパッ ケージである。AutoCAD Mechanical ユーザー である同社にとって、蓄積した情報資産の活用はも ちろん、設計から営業まで 3 次元の幅広い活用を 目指すためにもベストの選択だったといえるだろう。
Inventor Professional 導入後、短期間のうちに
作業時間は 2 割から 8 割減、工数も平均 5 割の削減を実現
クラウドがもたらした機動性と導入効果
3次元設計体制の構築へ着実な歩み
「3D モデルはまず構造解析への応用と、これを生かした軽量化やコストダウンの取組みを中心に進めま す。また 3 次元設計については、営業がお客様に提出する図面を3D 化する所から始める計画です。 社内向け 3D モデル制作手順やデータベースへの登録手順マニュアルなど、設計環境も整いつつあり ますし、後はいつゴーサインを出すかが一番のポイントとなるでしょう。とにかくベストタイミングを見極 めたいですね。」(小池氏)