ITは、ビジネスを裏方で支える存在から
最前線でビジネスを変えていく存在へ。
AIやIoTなど、新しい技術の進歩が加速する中で、SCSKはどのような体制で何に取り組んでいるのか。最先端技術に関わる二人のキーマンに話を聞きました。
インタビュー1来たるべきAI時代に向けて
SCSKが打ち出す新たなビジネス戦略とは?

- 古宮 浩行
- 上席執行役員
DX技術開発センター
センター長(取材時)
昨今、AIやIoTといったITのパラダイムシフトが起きており、社会や企業にとって劇的な環境変化をもたらしています。特にAI(Artificial Intelligence/人工知能)については、「AIで何ができるか」という検証のフェーズから、実際の業務に活用し「AIでビジネス価値を生み出す」フェーズに入っています。また、これまでITは表舞台のビジネスを裏方で支える役割が中心でした。しかしこれからは、最前線でビジネスを根本から変えていく存在になると考えています。表舞台でITに何ができるか。それを世界中のさまざまな企業が試行錯誤している最中なのです。SCSKは、こうした変化をチャンスととらえ、AI・機械学習などの先端技術を活用した新たなソリューション開発を進めています。

SCSKがAIの研究を始めたのは約30年前です。AIと向き合う歴史の中で、特に技術・ノウハウを蓄積してきた分野が「音声認識・言語分析」と「画像認識・映像解析」です。コンビニを例にとると、裏方を支えるITのひとつ『POS』では、「誰がいつ何を買ったか」を把握することしかできませんでした。それでも価値はあったのですが、当社の画像認識・映像解析技術を活用することで「誰がいつ何を買わなかったのか」まで把握し、適切な商品陳列や個人に最適化された接客対応、新たな商品の企画までを実現できるようになります。また、音声認識・言語分析技術については、コールセンターでの活用が始まっています。例えば、オペレーターとお客様の会話をリアルタイムでテキスト化するのはもちろん、お客様からの問い合わせに対する回答候補をAIが自動でオペレーターに提示します。その結果、迅速かつ的確なオペレーションを可能にし、顧客満足度と生産性を共に高めることが実現できます。また、最先端の深層学習(Deep Learning)技術を活用し、お客様が独自のAIモデルを簡単に作成できる*SNN(SCSK Neural Network toolkit)を自社開発し提供しています。

AIができることはたくさんありますが、それらを使って何を実現したいのかというゴール設定をすることが大切です。私たちSCSKはお客様が抱く既存のITに対する不満や、新しいITに対する期待と不安をまず受けとめることが基本スタンス。パートナーとして共にゴールを設定し、新しいビジネスを創り出していきます。
インタビュー2最先端の技術をキャッチ・分析して、活用法を提案
将来のトレンドを見据えながら社内の技術文化を牽引する
- 嶋田 基史
- R&Dセンター
デジタル技術部長
技術戦略部 副部長
技術戦略部
技術戦略課長
(取材時)

圧倒的なスピードで進化するテクノロジーにより新たなイノベーションが生まれ続ける現在、最先端技術がビジネスに取り入れられるまでのタイムラグはかつてないほど縮まっています。新しい技術を迅速に吸収することがビジネスの生死を分けるような状況になっているのです。次々と登場してくる新技術は可能性について華々しく宣伝される反面、実際に開発やビジネスにどう取り入れていったらよいかという点は見えにくいものです。R&Dセンターでは、最先端の技術情報をいち早くキャッチし、どのような使い方ができそうか、どんなビジネスに活かせそうかを考え、開発・営業などの各部門に提案しています。

プロの技術者でも、今現在業務で使っている技術以上のさらに新しい技術動向に積極的に目を向けるのはなかなか難しいものです。そこで、最新技術に特化した我々R&Dセンターがシリコンバレーを初めとする海外拠点や国際的カンファレンス・Webカンファレンスなどの各種の情報源を活用し、新しい技術の情報や感触を持ち帰り、その技術の利用可能性について分析します。また、事業サイドの発想力を刺激するため、新技術を用いたアプリケーションのプロトタイプを開発して活用の可能性をデモンストレーションすることもあります。さらに、業務外のセミナー・技術プレゼン大会・ハッカソンなどを催して、新しい技術動向に積極的に目を向ける意識・文化を醸成していこうと努めています。

当社で働いていく上では、何と言っても技術への興味、関心が大切だと思います。技術そのものを追求したり、技術を使ってビジネスの現場で使えるシステムを構築したりと、技術的な興味の方向性はさまざまですが、当社は非常に幅広い方面に事業を展開していますので、興味を活かせるフィールドはいくらでもあります。「技術は面白い」という気持ちが芯にあれば、自分なりの追求の仕方がいずれ見えてくると思います。もう一つは、英語力やプレゼンテーション力を積極的に磨いていく姿勢です。英語研修を行ったり、若手を積極的にカンファレンスに同席させたりするなど、当社としてもバックアップは惜しみません。ぜひ新しい技術、新しい自分へ挑戦していっていただきたいと思います。