SCSKでは、2012年に働き方改革の取り組みを開始しました。開始前の月間平均残業時間は約35時間でしたが、現在では20時間を下回っています。昼休みに寝不足を補うために机に突っ伏して寝ている社員の姿も消え、コミュニケーションも活発となりました。残業削減などもチームで考えることにより、新しい発想やアイデアが出てきています。SCSK がどのように改革を進めてきたか紹介します。

01 社長メッセージ
社員と、お客様と共に考え、
働き方改革に取り組んだ

SCSK株式会社 
代表取締役 社長執行役員 谷原 徹

現場に行って膝を付き合わせたコミュニケーション

働き方改革の開始当初、まだある事業部門の長だった私は、目標の月間平均残業時間20時間、有給休暇取得20日の達成は非常に難しい、到底無理だと感じていました。しかし、当時の経営トップからコミュニケーションをどう考えているのか?と問われてハッとしました。残業20時間を超えたらダメだ、というだけでは、コミュニケーションとはいわない。現場に行って膝を突き合わせて、何がどうなっているから、この現状があるんだということを自分の目で確認し、現場の社員と、この状況をどう改善していけば、達成できるのか。それを、コミュニケーションを通して考えることが重要だと思ったのです。

また、当時、お客様を50 数社まわってSCSKの「働き方改革」を説明しました。その中で、我々もそれを考えていた、一緒やりましょうというお客様もおられました。我々だけでは、実現できないこともあるのでお客様とともに効率化、自動化に向けて活動し、それがひとつの成果につながりました。

経営者がいくらいっても、実際やるのは社員。だからこそ、経営者には覚悟が必要です。浮いた残業代を全額返金しますと宣言し、経営としての本気度をみせることによって、社員が達成するためにどうしたらよいかということを自ら考え動き出した、ということが一番の成果だと思います。

「仕事の本質とは何か」を見極め業務クオリティの向上に力を入れた

働き方改革の実現のためには、社員一人ひとりが「仕事の本質は何か」を考える必要がありました。SCSK の場合は、システム開発でいかに問題プロジェクトを出さないか、すなわち業務クオリティの向上が課題となり、そのために、開発標準・管理標準としてSmartEpisode Plus(SE+)を構築し、運用しています。働き方改革が実現できた裏には、この業務クオリティの向上への粘り強い活動がありました。

SE+は、プロジェクト管理の視点で、プロセス単位にどういうドキュメントが必要で、どのような品質を確保すれば次の工程に行けるのか、これをすべて見える化しています。SE+は、開発に入る前の要件定義に徹底的に時間をかけており、きちんと開発プロジェクトが立ち上がるかをチェック、それをどういう手順でやっていけばよいかがSE+の中にあります。各工程で必要な標準ドキュメンテーションも整備しています。

これによりSCSK 品質を担保します。各工程での品質を担保することで、手戻りを最小限にしており、SE+はプロジェクト遂行の羅針盤になっています。この羅針盤があることで、若手であっても大きな規模の案件にチャレンジできるのです。

「仕事の本質とは何か」を見極め業務クオリティの向上に力を入れた

経営者として働き方改革に必要なこと

大切なことは、経営者としての覚悟だと思います。一時的に売上利益が落ちたとしても、社員の健康を優先させる。健康でなければよいアイデアも浮かばないし、イノベーションも起こらない。持てる時間をどこに使うかが大切です。仕事だけではなく、プライベートの生活の中にも吸収することがたくさんあります。

お客様のビジネスを改革するアイデアを出せる状態にしていきたい。そのためにも働き方改革は続けていきます。この取り組みが業界全体に広まっていけば、日本全体の情報産業、ものづくり業界も変わっていくのではと考えています。

働き方改革推進のポイント