導入事例

電力

事務作業のマン・アワー改善への飽くなき挑戦!

株式会社JERA

※東京電力フュエル&パワー株式会社は、2012年4月1日に火力発電事業を株式会社JERAへ事業移管しました。

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RPA導入プロジェクト責任者
 火力運営部 工事設計センター 設計カイゼングループ
 村田 重行 グループマネージャー(右)
RPA導入プロジェクト担当者
 火力運営部 工事設計センター 設計戦略グループ
   高岡 哲明 分析チームリーダー(左)
 火力運営部 工事設計センター 設計カイゼングループ 栗原 慶博 さん(真中)

国際競争力あるエネルギーを、顧客に安定して届け続けることをミッションに掲げる同社の工事設計センターは、火力発電所の運転維持にかかる設備の更新や、修繕のための設計業務を日々行っている。

火力発電事業におけるグローバルトップ水準の競争力を目指し、コストを適正化するための調達改革を推し進める、同センターの管理業務を劇的に効率化させたのは、RPAによる業務の自動化だった。

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RPA導入のきっかけ

高岡 今年度、さまざまな改善に取り組む方針がグループ内に掲げられた中で、われわれは調達改革の進捗状況を可視化したIL管理表の集計作業を、可能な限り簡素化することを目標としました。エクセルのコピー&ペーストのような単純作業をなんとか削減したかったのです。

村田 IL管理表では約60万項目という膨大なデータを扱っていますが、人が手作業で更新しており、以前から非常に大きな課題意識を持っていました。データの反映漏れや入力誤りなどを防ぎ、データ の信憑性を保ちつつ、もっと効率よく作業をするために良い手段はないかと、常に模索していたのです。

高岡 人の手作業が中心の業務は、従来のITを活用しても削減には限界があります。改善の難しさを感じていたところ、RPAを活用することで事務作業が効率化できるということを耳にし、導入に向けた検討を開始しました。

高岡 その後、東京電力グループのIT支援を行うテプコシステムズさんから、当社の業務に最適なツールとしてWinActorと、その導入を支援してくださるSCSKさんをご紹介いただきました。SCSKさんのご提案内容に納得することができたので、導入前検証(PoC)、評価を経て導入を決定しました。

WinActorで自動化した業務

村田 IL管理表は膨大な量のデータを扱っており、更新手順は担当者任せでした。まずは仕事の流れを51プロセスに分解し、さらにプロセス毎に時間を計測し、全体像を把握することから始めました。その結果、そもそもIL管理表には不必要と思われるデータがたくさん存在していることがわかったのです。

村田 そのため、まずは本当に必要なデータだけに絞り込んで、集約するように改善することにしました。そのうえで、51プロセスの中から手作業にならざるを得ない作業を選別し、残りすべてを自動化対象としました。

栗原 自動化した作業の多くは社内システムからデータをダウンロードしてエクセルに貼り付けるというものです。計算処理自体はエクセルマクロで行うので、WinActorにはこれまで人が手作業でせざるを得なかった部分を自動化させました。社内システムへのログイン、データ検索、ダウンロード、必要なデータのコピー&ペーストといった作業です。

期待以上の効果

栗原 当初はIL管理表更新業務にかかる作業時間を半減させるという目標を掲げていましたが、最終的には68%まで削減することに成功しました。当初見込んでいた自動化対象プロセスはす べて自動化でき、この部分に関して人が関与している時間をゼロにすることができました。

栗原 単に作業を自動化しただけでなく、業務プロセス自体を変えた部分もあります。以前はIL管理表のなかで変更があったデータだけを差し替えていましたが、WinActorで自動化するに当たっては、管理表をゼロから作り直すことにしました。

栗原 膨大なデータの中から部分的にデータを変更する作業は漏れやミスなどのリスクが伴います。人の作業では管理表を再作成する作業量とのトレードオフでそうせざるを得ませんでしたが、ロボットならそれができます。時間は多少かかりますが管理表の信頼性を高めるためにはそれがベストだと考えました。

RPA成功の秘訣

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村田 RPA導入を成功させるために最も重要なこととして当初より考えていたのが、ロボット作成を完全に内製化できるようになることでした。それができてこそのRPAとさえ考えていました。そのためには、優秀な人材をアサインすることが重要だと考えました。

村田 使いこなせるようになるまでにはさまざまな躓きがあるだろうことは想像していました。それを乗り越えてノウハウを身に着けた担当者が次の担当者を育成していく、そういった流れを作るためにも、最初の一人を重要視しました。栗原は見事に期待に応えてくれました。

村田 WinActorを使って手作業の大部分を自動化できたこの取り組みは、本社内の発表会でグッドプロジェクト賞を受賞することもできました。その結果、社内からRPAについて多く問合せを受ける状況になりましたが、私は栗原のレクチャーを受ければすぐにWinActorで自動化ができると皆に伝えています。

WinActorの習得

栗原 初めてWinActorを触ったとき、まずは日本語でわかりやすく、直感的な操作ができるので誰でも使いやすい製品だという感想を持ちました。海外製も含めて製品を検討する中で、操作性の良さは大きな優位点だと思います。

栗原 無償トライアル期間1か月の間で検証を行いましたが、通常の業務や出張も重なり、期間的には実質2週間程度でひと通り使える状態にならなければなりませんでした。期間は非常に短かったのですが、ツール自体はとても使いやすいもので、躓くところはトライ&ラーンを繰り返し、徐々に動くものにしていきました。

栗原 私はアプリケーション開発ができるわけではなく、このような業務を担当したことはありませんでした。このため初めは作り方に戸惑いはありましたが、まずはメイン機能がどのようなことができるのかを理解したうえで、ひとつひとつの機能についてマニュアルを見ながら理解していきました。

栗原 その後、業務を自動化させたときの全体的な流れを意識しながら、どういった部品を使うかを個別に検討し、部分的に作ったものを全部つなげて最終的に完成させるという手順で作りました。

栗原 パソコンに詳しくない人がWinActorでロボット作成する場合、最初に業務の一連の流れを書き出してから作り始めるということが非常に重要なポイントだと思います。

苦労した点

栗原 無線LANの通信状況によってうまく動く時と動かない時があり、原因を突き止めるのが苦労した点です。通信が不安定になりがちな無線LAN環境ではWEBページの再読み込みに時間がかかってしまうことがありますが、WinActorが想定通りに動かない原因がここだとは思い至りませんでした。

栗原 実は、別の担当者も同じ状況になり私に相談してきたことがありました。私の経験の中からアドバイスし、無事問題を解消することができましたが、どちらも同じ社内システムの自動化で起こった事象だったので、今後も他の人も同じ問題に直面するかもしれません。

村田 こういったことは、すでに乗り越えてノウハウとして蓄積しているわれわれが積極的に社内に発信していく必要があると思います。

WinActorに期待すること

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栗原 ロボット作成時、SCSKさんの独自ライブラリはよく参考にさせていただきました。実際の業務に使えそうな部品が揃っており、比較的わかりやすいVBScriptで記述されていることもあって、自分でライブラリを作る時のお手本にしたりもしました。さらに充実すると良いと思います。

栗原 あとは、ドキュメントが自動生成されると嬉しいですね。今は一連の流れを理解するためにフローチャートを詳細に確認していく必要があります。それでもプログラムでない分ずいぶん見やすいのですが、作った人がいなくなった後でも、残った人がパッと見てわかるドキュメントがあると調べる必要もなくなり、楽になりますね。

栗原 さきほどのSCSKさんのライブラリもそうですが、WinActor自体にたくさんの部品とライブラリが用意されているのがWinActorのメリットです。よく使われている部品のランキングや、やりたいことを実現できるライブラリをWinActorがおすすめしてくれたりすると、より便利になるかもしれないですね。

今後の取組み

村田 われわれは継続して改善に取り組むことをミッションにしていますが、改善の手段として「自動化する」ことが加わったことは非常に大きいと考えています。業務の自動化という新しい発想から改善のアイデアがどんどんでてきているメリットを実感しています。今後もさまざまな業務を標準化し、自動化していきたいと考えています。

村田 そして、われわれだけでなく、グループ全体に業務の自動化が浸透化していくことに非常に大きなメリットがあるとも考えます。まずは本社、次は発電所と、どんどん水平展開して多くの単純作業が自動化すると良いですね。みな価値ある仕事に注力してもらえれば良いと思います。

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株式会社JERA
株式会社JERA

東京都中央区日本橋2丁目5番1号 日本橋髙島屋三井ビルディング25階

https://www.jera.co.jp/

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