ケーススタディ

情報系はいいけど基幹系はダメ…それ間違い!最新クラウド分別術

[図] クラウドTIPS

メールやグループウェアなどの情報系システムのクラウド移行が進む一方、基幹系システムは「無理」「論外」と考えている企業は少なくない。その理由は様々だろうが、特に自社の競争力を高めるものとして基幹系を作り込んできた、ERPというものに対して熱心で、しっかりとこだわりを持っている企業こそ「クラウド移行は難しい」と考えがちかもしれない。でも、実は、それは思い込みではないだろうか?

今回の記事では「本当に貴社のERPはクラウド移行できないのか」をテーマに、“できない”と考える際の理由になりがちな点を1つずつ検証してみよう。

カスタマイズができないから無理?

うちのは、これまで手塩にかけて作り込んできた“自慢のERP”。
独自の業務処理なんてクラウドERPでは対応できないでしょ?

[図] クラウドTIPS

A社 IT担当の主張

「パッケージ製品のERPを“そのまま”利用している企業だったら、クラウドサービスへの移行もカンタンに進むのかもしれないね。
でも、少なくとも日本の企業では、パッケージを利用する場合も自社の要件に合致するように大なり小なりカスタマイズを施すことがほとんどだと聞くし、それでも足りずに自社開発せざるをえないという企業も多いのでは?
うちではさすがにスクラッチで開発したわけではないけれど、やっぱり、なるべく自社固有の業務に合うように、何度もカスタマイズを繰り返してきたよ。だから、クラウドERPへの移行なんてハナから無理だってあきらめている。
カスタマイズ対応をうたうサービスも見かけるけど、実際には見た目の変更とか、ちょっとした設定変更程度みたいだし」

マネージドパッケージサービスなら、自社仕様を加えたERPにも
対応可能。基盤のクラウド化で「運用負荷の軽減」を実現!

たしかに、どのようなシステムであれ、クラウドサービス(SaaS)へ移行する場合には、汎用的な機能をそのまま使い、カスタマイズはほぼ不可という印象はある。特にERPでは、ここがネックに感じられるというわけだ。しかし、クラウドERPをサービスとして利用するのではなく、クラウド基盤上でERPパッケージを利用するという選択肢もある。その場合は、従来と同様に自社の業務に合わせたシステムを実現可能だ。

とは言え、自力でクラウド基盤上にERPパッケージをインストールし、運用するのは難しいという方も多いだろう。そこで注目したいのが、SCSKが展開している“ERPマネージドパッケージサービス”だ。同社は、22年間にわたり、5500社、240の企業グループを超える導入実績を誇るERP「ProActive」の開発元であるとともに、総合ITサービスベンダとしてクラウドインフラサービス「USiZE」も自ら提供している。この両者を組み合わせて提供する「ProActive on USiZE」であれば、自社仕様を加えたERPシステムをクラウドで利用でき、運用負荷の軽減というメリットを享受できるというわけだ。

ただ、やみくもにカスタマイズを求めるのは考えものということも知っておいてほしい。もちろん、企業の競争力に直結するような「本当に自社ならではのカスタマイズ」に関してはこだわり続けるべきだろう。しかし、幅広い企業に共通する業務効率化や法令対応のための仕様変更・機能追加に関しては、最新ERPでは既に標準機能として実装されている可能性が高い。実際、「カスタマイズが絶対必要」と思い込んでいた企業でも、改めてしっかりチェックしていくと、「標準機能でほとんどカバーできる」という結論に達することも少なくない。この場合は、SCSKが提供するもう1つのクラウドERPモデル、「ProActive for SaaS」を選択することで、ERP導入の初期費用を抑えつつ、ProActiveの標準機能を利用可能だ。

[図] クラウドTIPS

セキュリティに不安があるから無理?

基幹システムは企業の命運を握るものだから、セキュリティ面や
事業継続性の面から、手元に置いておかないと安心できない!

[図] クラウドTIPS

B社 IT担当の主張

「さすがに“セキュリティ上の不安から、クラウドは絶対に使わない!”と頑なに拒む時代でもないことは分かっているし、実際うちでも、メールやグループウェアなどの情報系システムは徐々にクラウド移行を進めているよ。
でも、業務データそのものが詰まっているような基幹系システムはやっぱり無理。最近のクラウド事業者はいろいろと信頼性を高める取り組みを進めているんだろうけど、それでも“(事業者を信頼して)任せるしかない”という状況になってしまうことには不安がつきまとうよね。
もしサービスが止まってしまって、業務システムが使えないばかりか、必要な業務データすら取り出せない状態になったら、という不安もあるし…」

金融機関の利用実績も豊富。SCSKのデータセンターに構築された
SCSKのクラウド基盤上で、SCSKのERPを利用するという安心感。

セキュリティについては様々な考え方があるだろうが、「タンス貯金と銀行預金のどちらが盗難に遭いにくいか」という例えがされるように、企業が自力でセキュリティ対策を行うよりも、いわば“プロ”であるクラウド事業者に任せたほうが安心という意識も徐々に広がってきている。特に、攻撃の進化、システムの複雑化が進む昨今では、セキュリティに関しても、あるいは障害対応などに関しても、もはや自前での運用が最も安心とは言えない時代だ。

もちろん、大前提として、「本当に信頼できる事業者が提供する、本当に高セキュリティなクラウドサービスなのか」を見極める必要はある。 その点、SCSKのUSiZE※1は、日本データセンター協会(JDCC)が策定する「データセンターファシリティスタンダード」ティア4レベルへの準拠や、金融情報システムセンター(FISC)が策定する「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」に準拠した、堅牢なSCSKのデータセンターを基盤とした高信頼クラウドとなっている。データセンターが東日本と西日本の双方に設置されている点を活用し、ディザスタリカバリ(DR)環境の構築も可能だ。
※1 USiZEシェアードモデル(千葉/三田)

何より、インフラ(USiZE)とアプリケーション(ProActive)が同一ベンダだからこその、「信頼性の高さ」「障害時の対応迅速性」は見逃せない優位点だと言えるだろう。

コストが見合わないから無理?

今あるハードウェア/ソフトウェアをそのまま使い続けたほうが
コストは安くすむんだから、何も移行する必要はないでしょ?

[図] クラウドTIPS

C社 IT担当の主張

「クラウドサービスってのは、たしかに初期投資は大幅に低くできるけれど、長く使えば使うほど、あまり安くならないのでは?
特にERPなんて、いったん導入したら、そうそう入れ替えるものではないでしょう。
10年以上も使い続けることもめずらしくないんだから、ずっと月額料金を支払い続けるクラウドよりは、まとまった初期費用がかかったとしても、あとはあまりコストの心配をしなくていい“所有形態”のほうが向いていると思うんだけど。
今、社内で運用しているERPも、おそらく、あと5年以上は使い続けられるようだし、当面はERPのリプレースを心配する必要などないと考えているよ」

ほかのシステムにもまして“超寿命”が求められるERP。
そのスパンと比較して短すぎるインフラ更改を考慮すると実は…。

オンプレミスと比較して、クラウドのコストが「高いか、低いか」を明確に試算するのは、なかなか難しい。それは、「見えない部分でのコスト削減」も少なからず発生するからだ。最も分かりやすい部分で言えば、クラウドではメンテナンスやバックアップといったインフラ部分の運用は、基本的にはクラウド事業者側で実施される。そのため、「運用コストの低減」がもたらされるというわけだ。

また、様々なシステムの中でも、ERPはあまりリプレースをすることなく、比較的長い期間にわたって使い続けられるものかもしれない。ただ、アプリケーションの利用期間は長かったとしても、その間、インフラ(ハードウェア)も同じものを使い続けるということはまれで、定期的にハードウェア更改のためのコストや作業が必要となる。こうした「システムライフサイクル管理からの解放」なども含め、TCOの比較はより大きな視点で行うべきだと言えるだろう。

それに、「比較的長い期間にわたって使い続けられる」と言っても、それはすべてのERPに当てはまるわけではないことにも注意したい。製品によってはサポート期間が決められているものも存在するし、あるいは製品そのものが終息してしまい、会計基準や法制度の改正などがあってもバージョンアップで対応できないというケースも全くないとは言えない。オンプレミスにせよ、クラウドにせよ、ERPにはビジネス環境の変化への対応力が求められるため、長期にわたってサポートを受けられ、本当の意味で長く使い続けられるERPを選ぶことは、非常に重要だと言えるだろう。

[図] クラウドTIPS

この記事は、「キーマンズネット」に掲載(2015/10/30)されたコンテンツを一部再編集したものです。