先進技術に挑む

VA Linux Systems Japan株式会社
技術本部長
高橋浩和

SCSKとOSS

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先端技術に挑む

SCSKグループのOSS先進技術者集団、通称「VA Linux」。最新のOSS技術に先駆して取り組み、OSSコミュニティとの連携にも力を入れている――VA Linux のOSSに対する思いを聞いた。

最新OSS技術のノウハウを先取り、コミュニティとの良好な
関係を構築し、それらをSCSKやお客さまに還元する

―VA Linuxとはどんな会社ですか

VA Linux Systems Japan株式会社は、Linuxを主軸とした基盤系オープンソースソフトウェアに対して、ソースコードレベルで性能解析や障害解析などの高度な技術支援を提供する企業です。OSSの技術や市場動向などの最新情報を先行して蓄積し、それをお客さまやSCSK内に広め、サポートしています。主に基盤システム技術を得意とし、Linuxをはじめ、「Xen 」「KVM 」などの技術について豊富な実績を持っています。現在は、クラウド基盤ソフトウェアとして存在感を増している「OpenStack 」に注力しています。

―クラウドの時代ですが、注力されているOpenStack との関わりをお聞かせください

OpenStack はオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアで、今多くの企業から注目されており、導入を検討する企業も増えています。しかし、OpenStack は単にインストールしただけでは使えないことが多く、私たちがサポートし一緒に開発を進めることで、お客さまのニーズに合った形で導入することが可能になります。

今後一層OpenStack の導入企業が増えることが想定されます。VA LinuxとSCSK内でも知識が蓄積されつつあり、また、これを活かした複数の事例もあります。私たちはそういった日本発の事例を作り、そこから得た知見や課題をOSSコミュニティへ還元し、技術そのものの開発や改善に貢献していくことも大切な使命だと考えています。

OSSプロジェクトは「人間味」があるから面白い

―OSSコミュニティとの関わりについて教えてください

OSSのツールは、リリースの段階でもある程度安定しています。しかし、これをエンタープライズ用途で適用すると、アクセス数の増大や負荷がかかっているときの挙動に問題が生じて、さまざまな修正が必要となるケースが多くなります。私たちはエンタープライズ向けシステムでのみ発生するような問題を修正し、それをOSSコミュニティにフィードバックしています。

自社の実績を、社外に出すことは難しいと思われるかもしれません。私たちは、お客さまとの契約の範囲内でルールを決め、なるべくOSSコミュニティにその成果を戻せるよう、努力しています。

また、OSSは人が作るものです。OSSプロジェクトごとにコミュニティの「クセ」のようなものが存在します。それぞれのプロジェクトに人間味があり、OSSコミュニティとのやり取りは、とても面白い作業ですね。私たちはそのクセに合わせて、適切な形でOSSコミュニティに貢献し、より優れたプログラムへの育成をコミュニティと共に進めたいと思っています。

―今後の展開についてお聞かせください

現在も、そして今後もクラウドが注目を集めていくでしょう。OpenStack には、エンタープライズ向けにさらにブラッシュアップできる部分がまだ残されています。これを企業がフル活用できるまで、機能や性能を向上させていきたいと思っています。また、SCSKとの強固なパートナーシップにより、OSS技術のサービス強化と新規ビジネスの育成などにも取り組んでいきます。

(インタビュー実施時期:2013年9月)