ボタンひとつで窓が開くパワーウィンドウや、急ブレーキをかけた場合や濡れた路面の走行をサポートしてくれるアンチロックブレーキシステムなどのおなじみの機能は、今では当たり前のようにカーライフに便利さと安心を届けてくれています。
最近のクルマは一歩前進して、もっと「賢く」人をサポートしてくれる存在に。まるでクルマそのものがコンシェルジュになったような気さえしてくるほどです。
このほかにも、フロントガラスに速度計やカーナビゲーションシステムを映し出すことで、目線を大きく動かすことなく安心して運転できるクルマも登場しています。中には音声でコントロールできる機能を備えているものもあります。
キーワードは、「より安全に、より快適に、より便利に」。ドライバーはもちろんのこと、歩行者や自転車、対向車など周囲の状況を把握し、情報システムとも連動させながら、適切にサポートしてくれるようになってきているのです。これらクルマの機能は、交通事故の減少にも一役買っています。
クルマに乗るときから、運転中、降りるときまで、ドライブを安全・快適・便利にサポートしてくれるさまざまな機能。これらをハードウェアだけで実現することはとても難しく、多くの機能をソフトウェア、ITが支えています。
クルマは人のいのちを乗せて走るものですから、品質や信頼性は確実でなければなりません。その点で、絶対的な品質を保ちながら、次々と生まれる賢い機能をクルマに組み込んでいくためには、膨大な開発コストや手間・時間が必要になります。
デザイン性や走行性能のほかに、安全・快適・便利なサポート機能こそがクルマの重要な部分になってきています。つまり、クルマのさまざまな機能を制御するためのシステム開発は、クルマづくりの未来にかかわる大きな課題になっているのです。
クルマへの期待や要求が高まり、クルマづくりの開発コストでソフトウェアが占める割合は年々大きくなってきています。人に役立つ新しい機能やアイデアを組み込んでいきたい思いと、確かな品質との両方が求められるクルマづくり。両立させながら、いかに開発コストの効率化を図っていくか・・・。
SCSKは、品質を担保しながらコスト効率をあげる国際標準づくりを行う欧州の動きにならい、日本発の国際標準をつくり出し、これからの日本のクルマづくりに貢献したいと思い立ちました。 世界マーケットに通用し、かつ共通で使えるプラットフォームを提供し「高品質・高生産性」を実現すること。そこに日本ならではのきめ細やかさやサポート力をプラスすることで、大きく日本の自動車産業に貢献できるのではないかと考えたのです。それが、SCSKが取り組む車載システムの高品質革新プロジェクト「QINeS(クインズ)」です。300名を超えるITスペシャリストを集結し、世界一のクオリティを目指してスタートしました。今後の技術者育成にもチカラを注いでいます。
SCSKは、日本の自動車メーカー・自動車部品メーカーや専門的な技術をもつパートナー企業とも手を取り合って、日本の自動車産業の可能性を切り拓き、世界マーケットに挑んでいきたいと考えています。
人が運転をしなくても目的地まで連れて行ってくれる自動運転車や、天候・時間帯・周囲の状況をキャッチしてサポートしてくれるインテリジェントカーなど、クルマの近い未来を語るニュースが飛び交っています。背景には、「人のライフスタイルにぴったり寄り添う」発想があるのではないでしょうか。
クルマはつくったらおしまいではなく、乗る人が長く安心してつきあっていけるパートナーのような存在に。今まではクルマの中だけで連携していたサポートも、これからは外からの情報と連携してサポートする未来がやってくるでしょう。
と、こんなふうに、乗る人のクセや好み、年齢、体調などデータとして蓄積・分析して、常にその人にあった快適な運転を実現することも普通になっていくかもしれません。
季節性や道路事情など外部環境を汲み取ったうえで安全を届けること。予期せぬ事態には、人と街を連携させて対応すること。さまざまなドライブシーンで、SCSKならではのITのチカラを生かして、「夢ある未来のクルマづくり・街づくり」に貢献できたらと思っています。
そして、SCSKの人・社会に寄り添うことから生まれた技術で、その先の未来においても、さまざまなカタチで豊かさをお届けできたらと考えています。