イベント・セミナー
(2019年)

SCSKモノづくりCAEセミナー2019

2019.05.21(火) アフターレポート

2019年5月21日(火)、ベルサール東京日本橋でSCSK株式会社主催「SCSKモノづくりCAEセミナー2019」を開催しました。本セミナーは、当社が取り扱うモノづくりに関するソリューションを一堂にご覧いただける年に一度のセミナーです。

基調講演では、ヤマハ発動機株式会社様にご登壇いただき、「自律」技術を搭載した二輪「MOTOROiD」のデモンストレーションをご紹介いただきました。早稲田大学 吉田教授からは、鋳造プロセスにおける解析シミュレーションについてご講演いただきました。

また基調講演の後には分科会形式で、SCSKが長年にわたり培ってきたモノづくりに関するCAE技術の経験、知見の集大成として、鋳造、塑性加工、樹脂複合材、ケーブル/ハーネス設計などを中心にCAEソリューションをご紹介しました。あわせて、新たなる分野への挑戦として「めっき」「電着塗装」といった生産技術分野への取り組みや、AI関連の最新ソリューションについても、ご来場者の皆様にご説明しました。

当日は、たくさんの皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。

会場の様子

開催概要

主催
SCSK株式会社
日時
2019年5月21日(火) 13:00~(12:00受付開始) 
会場
ベルサール東京日本橋
東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワーB2・4F・5F
定員
200名

プログラム内容

13:00~

◆第1部:全体セッション/基調講演

時間 講演内容
13:00~13:05 開会の挨拶
13:05~14:05 基調講演1
「温故知新 ヤマハ発動機におけるCAEの取り組み」
14:05~14:35 基調講演2
「鋳造プロセスにおける熱応力解析と構成方程式の構築」
14:35~14:50 基調講演3
「RPAを活用した業務効率化の事例紹介 
~製造業で導入の進むWinActor活用事例~」
13:00~13:05

開会の挨拶

SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部 
解析ソリューション第一部 部長 樋口 康一
SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部
解析ソリューション第一部 部長 樋口 康一

開会に先立ち、SCSK 製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第一部 部長 樋口より、開会のご挨拶とともに本セミナーの概要についてご説明しました。

13:05~14:05

基調講演1「温故知新 ヤマハ発動機におけるCAEの取り組み」

ヤマハ発動機株式会社 モビリティ技術本部デジタル開発統括部 統括部長 三辺 和治 様 様
ヤマハ発動機株式会社
モビリティ技術本部デジタル開発統括部 統括部長 三辺 和治 様 様

近年、MBD(Model Based Development)、MBSE(Model Based Systems Engineering)の言葉に代表されるように、CAEの取り組みが脚光を浴びるようになってきています。こうした中、ヤマハ発動機様においてもMBSEを活用、推進するための新組織をつくられるとともに、その価値に対して期待を持たれています。

本基調講演では、「温故知新」をテーマに、ヤマハ発動機様で長年取り組まれているCAEの取り組みについて詳細にご解説いただくとともに、現在抱えているCAEの課題や2030年に向けたビジョンについて、ご紹介いただきました。

あわせて、ヤマハの最先端の開発現場で生まれた「自律」技術を搭載したモーターサイクル「MOTOROiD」の実機をご紹介いただき、デモンストレーションを実演いただきました。

14:05~14:35

基調講演2「鋳造プロセスにおける熱応力解析と構成方程式の構築」

早稲田大学<br />
総合機械工学科 教授 吉田 誠 様
早稲田大学
総合機械工学科 教授 吉田 誠 様

本基調講演では、早稲田大学 吉田教授をお招きし、研究室での豊富な検証事例の中から特に熱応力解析を中心に、残留応力、変形、割れ予測のための鋳物の凝固過程および凝固完了から室温に至るまでの鋳造プロセスについて、構成方程式の構築を含めご紹介いただきました。

鋳造プロセスにおける解析実証の様子の動画なども交え詳細に解説いただくとともに、あわせて産学連携での予測研究の最先端事例についても、ご紹介いただきました。

14:35~14:50

基調講演3「RPAを活用した業務効率化の事例紹介 ~製造業で導入の進むWinActor活用事例~」

SCSK株式会社 プラットフォームソリューション事業部門 ITエンジニアリング事業本部 真田 光晴
SCSK株式会社
プラットフォームソリューション事業部門 ITエンジニアリング事業本部 真田 光晴

働き方改革関連法の施行により、今ますます注目を集めているRPA(Robotic Process Automation)。人手不足の職場でこそ、業務効率の改善が必須ですが、そのためには各企業、各組織の状況に合わせた施策の検討や業務のIT化に取り組む必要があります。その手段のひとつとして、RPAの活用が注目されています。

本セッションでは、日本国内約3,000社に導入されているRPAツール「WinActor®」を題材とし、各企業がどのように業務の自動化を推進しているかについての現状と具体例、また製造業におけるRPAの適用範囲や活用事例についてご紹介しました。

15:10~

◆第2部:分科会

SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム 分科会A SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム 分科会B SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム 分科会C SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム 分科会D SCSKモノづくりCAEセミナー2019のプログラム 分科会E

セミナー概要

分科会A 【生産技術 1】
セミナーの様子

分科会Aでは、鋳造CAEのリーディングソフトである「MAGMA5」の概要・事例および、電気めっき、電着塗装、腐食、経路探索の解析シミュレーションツール「Elsyca」についてご紹介しました。

■セッションA-1 「MAGMASOFTダイカスト向け最新機能」

ダイカスト向けのMAGMASOFT最新機能である、スプレー詳細設定、冷却回路流動解析、スリーブ内解析、押しピン解析といった機能概要をご紹介しました。

■セッションA-2 「鋳鉄・鋳鋼のMAGMASOFT最適化事例」

MAGMASOFTによる最適化機能の概要と、鋳鉄・鋳鋼分野において、最適化機能を用いて方案策定を行った各種の事例をご紹介しました。

■セッションA-3 「電気めっき・アルマイト処理CAEツール」

ベルギーElsyca社の電気めっきCAEツールElsyca PlatingManagerと、アルマイト処理CAEツールAnodizingManagerの機能や事例をご紹介しました。

■セッションA-4 「塗装CAE『Elsyca Ecoat Master・IPS Virtual Paint』のご紹介」

最新鋭の電気化学シミュレーションプラットフォームを開発するElsyca社と、独自の高速流体ソルバ(IBOFlow)を持つfleXstructures社が提供する自動車業界向け 塗装CAE(電着塗装、シーリング、静電塗装)のソリューションをご紹介しました。

分科会B 【生産技術 2】
セミナーの様子

分科会Bでは、塑性加工CAEソフトウェア「FORGE」、発泡成形プロセスシミュレーション「REM3D」、大規模並列構造解析システム「ADVENTURECluster」の機能や概要についてご紹介しました。

■セッションB-1 「熱間鍛造・熱処理におけるFORGE活用概要」

自由鍛造、リングローリングなど熱間鍛造で多く行われるプロセスの事例なども交えてCAEソフトウェア「FORGE」をご紹介しました。
複雑な工具の動きの定義、高速な並列計算による大規模計算も可能です。高周波加熱と鍛造の連成計算の機能についてもご紹介しました。

■セッションB-2 「冷間鍛造分野におけるFORGEの機能紹介」

冷間鍛造分野でご活用いただけるCAEソフトウェア「FORGE」をご紹介しました。加工プロセスの検討、金型評価、また欠陥予測などを行うことができます。
3次元局所理論によるワレの判定を行う「NXT Breakage」ソフトウェアとの連成計算事例もご紹介しました。

■セッションB-3 「発泡プロセスシミュレ-ションにおけるREM3Dの機能紹介」

「REM3D」により発泡成形プロセスの最適化を行うことができます。充填に必要な材料重量、金型傾斜などの最適化を行うことが可能です。 「自動」、「異方性」、「アダプティブ」のAAAメッシング技術により高精度な解析計算が可能となります。

■セッションB-4 「CAEを設計者へ、ADVENTURECluster で簡単・高速に大規模型解析」

型設計業界へCAEの普及が進んだ現在、開発期間短縮・製品品質の向上を目的とし、型丸ごとの構造解析需要は年々高まっています。
大規模アセンブリをそのまま、実用時間内で解析可能なADVENTUREClusterは設計者の方にも簡単操作で解析していただけます。
今回のセッションでは型解析の事例を踏まえ、ADVENTUREClusterの機能・特徴をご紹介しました。

分科会C 【材料・ナレッジ管理】
セミナーの様子

分科会Cでは、材料・ナレッジ管理として、材料開発総合パッケージソフトウェア「GeoDict」、材料データ管理ソフトウェア「GRANTA MI」、PLMソフトウェア「Aras Innovator」について事例を交えてご紹介しました。

■セッションC-1 「コスト削減・高エネルギー密度化に向けた電池材料開発におけるGeoDict活用事例」

電池材料は不均質性をもった複雑な構造のため、材料特性がミクロ構造に大きく依存します。
しかし、実験ではそのようなミクロ領域を確認することは困難です。
本セッションでは、デジタルツインをもとにした詳細な電池内ミクロ構造を再現し、最適な電池開発にむけた電池特性計算の事例をご紹介しました。

■セッションC-2 「異方性複合材料を設計段階で高精度に強度予測する手法の事例」

企業のESGやSDGs対策を背景に、モノづくりにおける材料選定や組み合せは製品性能のみならず企業評価や環境社会への貢献においてますます重要となってきています。
設計時に強度予測が難しいCFRP等の異方性複合材料を用いた製品や付加製造品などへのアプローチについて、ドイツBMWでのマルチマテリアル用いた事例を交えてご紹介しました。

■セッションC-3 「CAD/CAE業務効率化のための材料知識共有ソリューションGRANTA MI」

材料知識(材料組成 ⇔ 製造履歴 ⇔ 試験データ)を一貫して共有管理し、マルチマテリアル時代の材料置換を推進するGRANTA MI概要をご紹介しました。

■セッションC-4 「Aras Innovatorを活用したMBDプロセスにおける『情報管理』」

PLMソフトウェア『Aras Innovator』の情報連携機能をベースにMATLAB Simulinkに代表されるモデルベース開発(MBD)をご紹介しました。
「V字プロセス」にマッチした管理テンプレートを活用することで、特にプロジェクトの開発フェーズやイベント(シミュレーション)での『プロセス』や『成果物』の作業管理、情報共有の機能をご紹介しました。

分科会D 【製品設計】
セミナーの様子

分科会Dでは、大規模構造解析「ADVENTURECluster」の機能紹介、製造原価シミュレーションシステム「aPriori」、設計空間探索ソフトウェア「pSeven」、車輛性能シミュレーション「RICARDO社製 車輛性能シミュレーションソフト」についてご紹介しました。

■セッションD-1 「はじめてのCAEでも使いやすいADVENTURECluster機能紹介」

近年では、設計者CAEの普及・発展に伴い、より高度で大規模な設計者CAE向けソフトのニーズが高まっています。
ADVENTUREClusterは解析の専任者・経験者向け、という位置づけではあるのですが、体験セミナー等に参加されるお客様は”はじめてCAEを触る” ”設計者としてCAEをたまに活用する”といった方も増えております。
今回はそのようなお客様から”使いやすい・覚えやすい”と好評を頂きましたADVENTUREClusterの機能紹介を中心にお話しました。

■セッションD-2 「製造原価シミュレーション aPriori ~製品ライフサイクルを通して、コスト分析~」

3DCADデータからコストのフロントローディング。コストの見える化により競争力の高い製品設計を実現します。

■セッションD-3 「機械学習を組み合わせた生産設計最適化のアプローチ」

pSevenを用いた設計アプローチを実際にデモンストレーションを交えながらご紹介しました。

■セッションD-4 「より複雑化するパワートレインを搭載したハイブリッド車両の最適化について」

CASE時代におけるシミュレーションの適用について、Ricardo社の様々な事例とそのアプローチについてご紹介しました。
キーワード:Vプロセス、IMBD、48V系、660V系

分科会E 【組付け・組み立て・接合】
セミナーの様子

分科会Eでは、従来のCAEでは検証が難しかった「柔らかい部品」の計算が可能なリアルタイムケーブルシミュレーション「IPS」の概要・事例をご紹介しました。 また、「ADVENTURECluster」を活用した溶接解析事例や、抵抗溶接、機械接合、レーザー溶接などに活用可能なシミュレーションソフトについてもご紹介を行いました。

■セッションE-1 「IPS Cable Simulationを使用した工場自動化への取り組み」

生産工程自動化により、工場では生産設備の自動化が進んでいます。
ロボットを含む生産設備に着目し、IPS Cable Simulationをどのように活用していくかをご紹介しました。

■セッションE-2 「デジタルマネキンによる作業性検討『IPS PathPlanner・IMMA』ご紹介」

フラウンホーファー研究所が開発した、最新の「作業性検討ソリューション」をご紹介しました。
部品の組付け軌跡を自動計算する「IPS Path Planner」と作業者の組付け姿勢を自動生成する「IPS IMMA」により、製品組立ラインの事前検証にかかる工数を大幅に削減することが可能になります。

■セッションE-3 「ADVENTUREClusterを使用した溶接解析事例のご紹介」

■セッションE-4 「抵抗溶接・機械接合シミュレーションソフトご紹介」

抵抗溶接(ヒュージング、プロジェクション溶接など)、機械接合(SPRなど)、レーザー溶接などの各プロセスの最適化へ向けたCAEソフトウェア「SORPAS」「FORGE」「Transweld」の機能および活用事例ついてご紹介しました。

展示・体験コーナー

展示・体験コーナーでは、当社取り扱い製品を展示し、来場者の皆様にデモを交えご紹介しました。

展示内容1
展示内容2
展示内容1
展示内容2
  • 記載されている製品/サービス名称、社名、ロゴマークなどは該当する各社の商標または登録商標です。
 

お問い合わせ先

SCSK株式会社
製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第一部
モノづくりCAEセミナー事務局 担当:上條(かみじょう)、鳥澤(とりさわ)
TEL:03-5859-3012
E-mail:cae-seminar@ml.scsk.jp