人材育成

変革と共感のリーダーシップ、プロフェッショナル人材

社員一人ひとりの人材価値を最大化する上でリーダーが果たす役割は極めて重要となります。リーダーは社員一人ひとりがプロフェッショナル人材として能力を高められる事業を選択し、社員が有する能力を最大限に発揮し成長できる場や環境を用意する必要があります。また、リーダーとメンバーの双方が相手の立場に立って物事を考え対話することで、組織内に共感が生まれ、変革を推進する原動力になります。2021年3月期に全社的に導入した組織開発プログラムなどを通じて人的資本を最大限に活かすリーダーシップ開発を進めるとともに、事業戦略に対応する人材ポートフォリオのシフトに向けたプロフェッショナル人材の育成に取り組んでいます。

マネジメント人材の育成 / 中期経営計画の浸透・実行に向けた組織開発

事業戦略の遂行に合致する組織づくりの一環として、全社員を対象にサーベイを行い、社員の認知から各組織の強みや課題を定量的に把握し、組織開発サイクルの加速・定着化に取り組んでいます。組織開発を牽引する部長には中期経営計画の浸透・実行に向けた戦略構築力と組織変革力を実践的に習得する教育プログラムを実施しています。また、課長向けにはメンバーの心理的安全性やワークエンゲージメントを高める教育を行い、組織内で対話を繰り返すことで組織の相乗効果を生み出し、組織パフォーマンスの最大化につなげています。

プロフェッショナル人材の育成

高度デジタル人材の育成強化を目指し、2023年3月期より教育体系に「Re-Skilling」を新設し人材ポートフォリオの転換を図っています。幅広く新たな領域を学び基礎力向上につなげる「リテラシー」、事業戦略に直結し今後増やす必要がある「サービスマネージャ」「ビジネスデザイナ」「フルスタックエンジニア」への職種転換を伴う実務実践型の研修プログラムを拡充、提供するとともに、中期経営計画の事業戦略を担う以下4つの人材育成に注力していきます。

コンサルティング機能拡充・事業開発強化

市場をリードする事業推進、次世代デジタル事業創出に向けて、コンサル・ビジネスデザイン人材の育成に取り組んでいます。デザイン思考・リーンスタートアップの考え方に基づいたプロセスに合わせ、実践ワークショップ型の育成プログラムを実施しています。事業創出に必要な知識・スキルを習得する研修や育成機会をさらに増やし、新規事業開発を担う人材を強化・拡充していきます。

コンサル・ビジネスデザイン人材
実績値 265名 ▶ 目標値 500名以上

質の高いプロジェクト遂行

案件の規模が著しく拡大し、その内容も複雑化している傾向を受け、難易度の高いプロジェクトにおいても高い品質を維持しながらマネジメントできる高度 PM 人材の採用、育成を強化していきます。また、プロジェクト運営力を強化するコミュニティ活動を進めています。プロジェクト運営のポイントに関する知見の共有や人脈形成により、組織的なPM力向上につなげています。

高度PM人材
実績値 166名 ▶ 目標値 250名以上

デジタル先進技術者育成

デジタル技術の急速な発展、お客様のデジタル変革に対応できる先進技術者の育成が重要となります。デジタルスキル標準のロールやスキル項目に対応し、より実践力を高められる研修プログラムを拡充することにより、クラウドやデジタル技術に関する専門的な能力を高めていきます。

先進技術者育成研修修了者
実績値 1,150名 ▶ 目標値 3,000名以上

高度デジタルスキル人材の全社教育・育成強化

社会やお客様のビジネス環境の変化は著しく、デジタル技術も急速に進化しています。デジタル技術を活用する能力を身につけ新たなビジネスモデルやサービスの創出を促進するため、グループ会社を含む全IT技術者を対象にデジタルスキル標準教育を進めていきます。


デジタルスキル標準教育修了者(グループ連結)
実績値 1,600名 ▶ 目標値 10,000名以上

人材育成体系「SCSK i-University」

「SCSK i-University」は全社員に「継続的な学びと成長の機会」を提供するための枠組みであり、教育体系のほか、コミュニケーション活性化支援、仕組み・インフラを含む広義の全社統合的人材育成体系です。

社員一人ひとりの活躍がSCSKの成長を牽引するという考えの下、全社共通の研修は、等級や専門性レベルに応じてマインド(人間力)・スキル(仕事力)両面の強化を目指し、「キャリア開発」「リーダーシップ開発」「グローバル能力開発」「専門能力開発」「Re-Skilling」の5つのカテゴリで提供しており、2023年3月期のSCSK i-University研修参加者は25,362名(延べ参加者数)です。

コツ活申請者数推移図

自律的なキャリア開発支援

職業人生が長期化しビジネスの変化が極めて激しい中、自身のキャリアを積極的・継続的に開発していくことが求められており、キャリアの自律的マネジメントはますます重要になっています。そのため、社員が主体的にキャリアを考えられるよう、各種施策や制度を整備しています。また、業務外の学びも含む自己研鑽の推進・支援を行うことで、社員一人ひとりが自律的に学ぶ文化「ラーニングカルチャー」の醸成を図っています。このような施策や制度により、長期的視野で社員一人ひとりのキャリア形成意識を高めるとともに、社員の持続的成長とそれによる事業貢献を促すことを目指しています。

CDP制度(Career Development Plan)

社員一人ひとりが自律的なキャリア開発に取り組むことに加え、組織においては事業戦略に沿った人材ポートフォリオを意識し、事業戦略の達成を目指すことも重要です。そのような背景の中、CDP 制度では上司との面談を通じて社員一人ひとりが強み・課題の振り返りを行い、組織の期待を踏まえて1~2年後の配置や業務についてすり合わせをします。将来ビジョンとともに異動希望などを伝える場にもなっており、個人のキャリア目標と会社の方向性を踏まえた期待を話し合う重要な対話の機会です。

自律的なキャリア開発を促す施策・制度


若手キャリア開発プログラム

将来のビジネスや技術ニーズの変化に備えるため、若手社員のマルチスキル化、変化対応力の養成を目的としてスタートしています。新卒入社から4年間でマルチスキル化できるようIT基礎教育ならびにビジネス基礎教育を提供し、学んだ知識の活用や実務スキルの到達度を認定しています。さらに、「キャリア・アドバイス面談」により自律的にキャリアを考え、初期配属とは異なる新たな環境でさらなる成長を目指す「育成ローテーション」を実施しています。

実年キャリア(シニア)

大量採用世代のシニア時代への備えとして従来53才で実施してきた実年キャリア研修の実施タイミングを見直し、58才以上の再雇用希望者およびシニア正社員を対象にプログラムを刷新しました。シニア社員として職場で活躍するイメージの確立と準備を促すプログラムの研修、外部のキャリアアドバイザーによるキャリア面談を希望者に実施予定です。

人材公募制度(ジョブ・チャレンジ制度)

人材を求めるグループ各社の部署が人材募集を行い、各部署へ異動を希望する社員が応募し、募集部署による審査に合格すれば異動が実現する制度で、社員の成長と適材適所の実現を支援しています。

社内FA制度(キャリア・チャレンジ制度)

社員が自らの経歴やスキル、志望業務を登録し、希望する部署にアピールすることができます。希望部署からオファーを受けた社員は、交渉を経て希望部署との合意に達すれば異動が実現する制度で、個々のスキルアップやキャリア形成を支援しています。


自己研鑽の推進・支援(コツ活) / 学び手当

「コツコツと自己研鑽を重ねることが、勝つ・克つためのコツ」という考えの下、社員の自己研鑽を応援する施策として「コツ活」を実施しています。社員が申請したさまざまな学びの活動事例を社内で共有し、成長につながる継続的な学びを支援するとともに、社員同士で高め合う仕組みの構築を目指しています。

業務外の学びも含む主体的な自己研鑽の推進として、全社員に月額5,000円の「学び手当」を支給するほか、自己研鑽の活動実績に応じて図書カードの配布や学びコンテンツの提供などの「学びインセンティブ」を支給しており、日々の自己研鑽活動を記録し振り返る行動の習慣化を促しています。

コツ活申請者数推移図