延べ5800社の導入企業を誇るERPパッケージ 『ProActive』
カスタマーサポートを高度化し、利用ユーザーのCX※向上を実現
※CX:カスタマーエクスペリエンス
CarePlus Cloud
「永く使える“超寿命ERP”というProActiveの特徴からすれば、
ご利用頂いているユーザーのためのサポート強化は必然のテーマでした」
ProActive事業本部 カスタマーサポート部長
中尾 裕樹 氏
ProActiveは、国産ERPの老舗パッケージソフト。会計、販売・購買管理、人事・給与、資産管理など、モジュールごとに段階的に導入できるという特徴を備え、企業ごとの要件に対応するカスタマイズ性とコスト抑制の両面を実現できるERPとして、右肩上がりの成長を続けている。
「ProActiveは、延べ5800社の企業に導入頂いておりますが、全国にいるユーザーに対し、問い合わせの受付だけではなく、営業対応や機能追加・改修まで対応するために、東京、大阪、名古屋、福岡の4箇所にサポート拠点を設けています」とProActive事業本部 カスタマーサポート部長の中尾裕樹氏は語る。
各拠点では、専属のサポート部隊が「電話」と「メール」でユーザーからの問い合わせに応対していたが、ProActive導入企業の増加が進むに伴い、問い合わせ件数も加速度的に増えていた。
「問い合わせメールだけでも1日あたり約300通。仕分けるだけでも時間と工数がかかり、導入頂く企業が増えればさらに件数が増えるような状況でした。日々の問い合わせに応対するのが精一杯で、当時のやり方には正直限界を感じていました。」とProActive事業本部 カスタマーサポート部 第一課長の松田光氏。
ユーザーからの問い合わせは、その企業固有のものも含まれるが、共通する内容が多い。また、年末調整など、毎年対応が必要な人事・経理業務では、同一ユーザーから過去にあった同じ内容の問い合わせを受けることもある。問い合わせ対応履歴を記録する仕組みは当時からあったが、電話・メールの対応完了後に別途記録するオペレーションになっており、問い合わせ件数が増大していくなかでは、履歴を整理することもままならなかった。
カスタマーサポート部は電話・メール中心だった対応方法の見直しに着手した。このとき求めたことは、問い合わせ対応業務の軽減・効率化だけではなく、ProActiveユーザーの利便性も高めるということだ。そのために、過去の対応履歴をナレッジとして活用するとともに、ユーザーが都度問い合わせしなくても自己解決できる機能を備えた、カスタマーサポートシステムの導入検討を進めた。
「さまざまなカスタマーサポートシステムを探しましたが、ProActiveの導入企業とユーザー数が今後も増えていくことは分かっていたので、問い合わせをするユーザーの数や問い合わせ件数に伴う課金体系でコストが大きく増大する製品は避けたかった。また、サポート拠点が複数あるため、権限や閲覧範囲をきめ細かく設定する必要があり、それが有償のカスタマイズとなる製品も厳しいと思っていました。」とProActive事業本部 カスタマーサポート部 第二課 シニアエンジニアの安達忠司氏。
導入製品の検討に悩むなか、同じSCSK社内の他部門がカスタマーサポート業務用に開発した“CarePlus Cloud”の存在に注目した。
CarePlus Cloudは、クラウドサービスとして提供するBtoB製品・サポートにフィットしたカスタマーサポート業務基盤プラットフォーム。サポート担当のみならず、技術や営業担当、代理店担当者なども、ユーザーからの問い合わせの進捗状況を確認できるほか、細かな権限設定により、業務や立場の違いによって表示内容を変更できる、という特徴を備える。「当社には、多種多様な製品・サービスの販売を手掛けている他の事業部門があるのですが、CarePlusCloudはそこでのカスタマーサポート業務で広く活用され、培ったノウハウや必要機能が実装されていると知り、これは検討する価値があると思ったのです。」(安達氏)
「CarePlus Cloudの画面は、シンプルで直感的にわかりやすかった。これならいけると思いました。」(中尾氏)
CarePlus Cloudの導入からまもなく3年が経過しようとしている。利用開始当時から特に力を入れたのはFAQの充実だった。過去の問い合わせを分析し、アクセス解析による効果検証を重ねながら、ProActiveユーザーの自己解決率を高めてきた。
「現在、CarePlus Cloud上に200件ほどのFAQを掲載しています。さらにProActiveを利用する上での活用ガイドも公開し、ProActiveユーザー向けコンテンツを充実させた結果、メールでの問い合わせは激減しました。一日300件あったものが、1/2~1/4くらいになっています。」(安達氏)
また、CarePlus Cloudが保有する検索機能も問い合わせ件数の減少に役立っているという。200件あるFAQだけでなく、活用ガイドや過去の問い合わせ履歴も含めて、ProActiveユーザが知りたい情報を一元的に検索することが可能だ。
このFAQと検索機能の充実には思いがけない効果もあった。「ProActive導入企業内でユーザーが変わることもありますが、例えば問い合わせ窓口の方が異動されても、新任の方は過去の問い合わせ履歴から自社で発生しがちな問い合わせ内容を簡単に確認できます。永く使って頂いている企業ほど人の入れ替わりが増えていきますが、ユーザー個人を超えて生産性向上に貢献していることがわかりました。」(松田氏)
CarePlus Cloudの導入により、問い合わせ業務の軽減とユーザーの利便性向上を果たしたカスタマーサポート部は、今後さらなる活用を検討していく構えだ。「CarePlus Cloudに問い合わせ対応履歴として大量に蓄積されているナレッジは、FAQ以外にも活用する余地がまだ多くあり、ユーザーへの付加価値を更に高めることができるのではないかと考えています。」と中尾氏。
ユーザーに対し、カスタマーサポート側から有用な機能やサービスを提案型で勧めることも考えている。「これまでは増え続ける問い合わせを如何に対応するかしか考えられていませんでしたが、私どもとしては、ユーザーの方々にProActiveがもつ機能をより深く使って頂きたいと思っています。そのためには、カスタマーサポート業務を通じて、ご利用上の課題やニーズを掴み、有用な機能やサービスを提案していかなければなりません。CarePlus Cloudを通じてなら難しくはないはずです。」(安達氏)
さらには既存のシステムと連携することで、活用の幅も広がるはずだ。
「ProActiveの営業部隊が閲覧することもできるようになりましたが、現在は問い合わせ状況を共有するに留まります。より営業的な視点で発想を広げ、CRM(顧客管理機能)を連携することで、営業強化や製品企画にも使えないかと考えています。」(松田氏)
本件は社内事例ではありますが、SCSKを代表する製品のひとつであるProActive事業のカスタマーサポート改善を目的としたもので、厳しい目で検討されたなかCarePlus Cloudが評価された、誇れる事例となりました。CarePlus Cloudは大規模なケースだけでなく、クラウドの特徴を活かした単一部署でのスモールスタートや、複数部署(会社)を跨ったサポート業務まで、幅広くご利用頂くことが可能です。用途もITサポート業務だけでなく、保険代理店や電気機器メーカーの販売店のサポート業務など様々な用途で引き合いを頂いております。サポート業務の改善で悩む多くの方々に向けて、今後も広く貢献してきたいと考えております。
樋口 貴志
所在地:東京都江東区豊洲3-2-20
U R L:
http://proactive.jp/
SCSKが開発・提供しているERPパッケージソフトウェア「ProActive」(プロアクティブ)。国産初のERPとして1993年に発売されて以来、5800社を超える企業と250を超える企業グループに導入された実績がある。顧客ニーズに応じてオンプレミス、マネージドサービス、SaaSから柔軟に利用形態を選択できるほか、保守サポートの終了がない「超寿命」、グループ導入を支える豊富なノウハウと機能、国産ERPならではの法改正対応と高い業務適合率など、さまざまな特徴を有している。
2019年3月